幼い頃、初芝健士(名字は変更不可、名前のみ変更可能)は幼い頃、3人の少女と出会う。1人は妹、1人は幼なじみ、1人は妹の友達。誰と最も近しい間柄となるのか。それによって未来は様々に変化していく。
復活のねこねこソフト第1弾は「みずいろ」や「ラムネ」を彷彿とさせるアドベンチャー。
購入動機は復活記念とシステムに興味を持って。
初回特典はオリジナルサウンドトラック。
ねこねこソフトと言えば時間が経っても相変わらずで修正ファイルが出ています。発売前に出るのも恒例行事ゆえ。あてなくともクリアするには問題なさそうです。セーブファイルは共有できないので要注意。
ジャンルはいつも通りのアドベンチャー。ただし、過去パートから現代パートへの分岐の仕方がかつてよりも幅広くなっています。過去パートでは誰が最も親しい幼なじみかを決定します。そして、現代パートでは決まった世界の中でそれぞれのルートへ分岐可能です。よって3世界×3ヒロインで全9ルートとなっています。
足回りは標準程度。メッセージスキップは既読未読を判別して高速。今回はルート分岐が増えために同じ文章を読む機会が増えています。使う機会ありです。
バックログは別画面にて行います。ホイールマウスに対応、ボイスのリピート再生も可能ですが、それほど戻ることはできません。ロード直後にも使用できます。
残念なことに新生ねこねこは起動ディスクが必要な仕様となりました。ユーザーフレンドリーとは言い難い明らかな退化に悲しくなります。
シナリオは新システムとうまく連動できていないように感じます。世界が3つに分かれてもその差が少なく、実感しにくくなっています。性格が変わっているのに服や水着のチョイスは変わらない、イベントに似たようなものが被るなど、わざわざそうしたであろう意義がそれほど感じられません。
例えばA世界のAシナリオにおいてBやCが絡むことが全くというほどないために、A世界でBやCを攻略したいという意欲が湧きづらい作りとなっているのは素直に疑問を感じます。また、A世界のBシナリオではBを選ぶことが浮気のような書かれ方をしているのに、A世界のCシナリオではそんなことはまるで関係ないという書かれ方をしているようなこともあって、多様性があるというよりは節操のなさを強く感じます。物語自体の関連性も低いです。
最終的にわずかな違いだけで同一人物のルートを3本作ることがヒロインの魅力を増しているようには思えません。
ヒロインのデザインにおいても過去作からのマイナーチェンジといった印象が強く、「ラムネ」と世界観が繋がっていることも相まって、本作だけで勝負できるだけのレベルに到達していないように見えます。
日常の掛け合いは序盤はほとんどのキャラが揃って行ってくれますが、中盤をすぎるあたりから一人また一人と退場していき、終盤はほとんど1対1に。全体的に潤いに乏しく発展しないものが多いです。
惹かれ合う過程はほとんどなし。原則として過去パートの結果が事実上の恋人認定同然となっており、それでいながら他ルートへ進む場合も説得力ある描写はありません。
シナリオ全体に言えることですが、妙に作為を感じさせるイベントが多いです。中でも天候に関するものはさすがにやり過ぎではないか、というレベルに達しています。
Hシーンは1ルート0〜2回と差がある上に少なめです。アフターストーリー込みでも9ルートで14回(寸止め含む)なのでけして多くはないと思います。尺は短くエロ度はかなり低めです。
イベントCGは安定度がもうひとつ。特にHシーンでは作画が乱れる傾向にあるように感じました。枚数がそれほど多くない中ですので目立ちます。反対に立ちCGは安定感が高いです。しかし、表情、服装、ポーズともそれほど多くはありません。
シナリオでも触れましたがヒロインの外見上のデザインが過去作に比べてインパクトが弱いように感じます。パッと見の差が小さく、差別化に関しても弱いのではないでしょうか。
音楽はシナリオ展開に応じて落差の大きい曲がしっかりと用意されています。逆に言えば田舎を舞台にしたゲームらしくない曲が含まれているということもありますが。
ボイスは主人公を除いて名前のあるキャラ限定。主人公はデフォルトネームだとボイスによるフォローがあります。演技の方は問題なく安心して聞いていられます。
まとめ。焼き直しの感が強い作品。良くも悪くも「ラムネU」でしょう。せっかくのシステムも活かしきれておらず、物語が弱いのもツライところ。復活第1弾としては非常に残念な出来です。
お気に入り:特になし
評点:50
お気に入りがいないくらいなのでキャラ別感想はありません。
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