123   しおふきマーメイド「だめ……コーチ!なにか出ちゃうぅ!」(マリン)
 
 大学生の川石誠(名前のみ変更可能)は夏休みに入っても予定もなく、近場の温水プールに通うだけの日々。しかし、ある日、監視員の根岸日向子に臨時のコーチを頼まれたことから事態は一変してしまうことに。
 かなづちの若奥さまにコーチしていた誠はつい下半身が反応。もうこれで終わりだ、と思ったもののなぜか若奥さまに更衣室に呼ばれHしてしまう。しかも、誠が指を入れると激しい反応が起こり、若奥さまは潮を吹いてしまうのでした。そう彼の指は特別な力を秘めていたのです。
 
 マリンの新作は水着と潮吹きにこだわった、お馬鹿臭のするアドベンチャー。パッケージが実にわかりやすい原画で、ある意味とても好感がもてます。
 購入動機は原画がほどほどに気に入ったのと馬鹿エロなゲームに見えたから。
 初回特典はオリジナルサントラ。
 
 ジャンルは特に変わったところのないアドベンチャー。
 足回りは平均的なクラス。メッセージスキップは既読未読を判別して高速。
 バックログは2種類用意されています。別画面による一般的なログとゲームをそのまま巻き戻せるタイプの2つが。ホイールマウスに対応、ボイスのリピート再生も可能ですが、どちらも戻れる量がほんのわずかなのでせっかくの機能もあまり意味がありません。
 その他にクイックロードがタイトルからできないのはやや不便だと感じました。
 
 シナリオは意外にも馬鹿度は低めです。設定からしてもパッケージからしても、いかにも馬鹿そうなゲームなのですが、結果的に馬鹿っぽく見えるというくらいでシナリオに遊びの要素はほとんどありません。主人公の特技にしてもたまたまそうであり、ヒロインを引きつけるというだけでそれ以上の意味はないようです。
 ポイントである「潮吹き」や「水着」にしても主人公には何のこだわりもないのでテキストや展開にフェチっぽさはほとんど見受けられません。あくまで舞台がプールだから水着です、特技だから潮吹きさせます、という程度。
 当然といえば当然ですがシナリオらしいシナリオは存在せず。惹かれ合う過程はすなわち指を使うまでのこと。使ってしまえばヒロインはもう陥落。他のことはどうでもいいのです。
 ボリューム的にはかなりのコンパクトサイズ。忙しい社会人に優しい分量ですが、コストパフォーマンスを考えると穏やかな気持ちにばかりなっていられないかも。
 Hシーンは1対1がメイン。3Pは組み合わせが人妻組と学生組で固定されています。ハーレムは一応は用意されていますが1シーンしかなく、その中身も薄いので間違っても期待してはいけません。
 
 CGはもうほとんどエロいやつしかありません。いっそ潔いほどに。潮吹き描写は率直に言うとなんだか洗剤か何かが含まれてそうな感じです。画一的な表現なのも少し気になります。
 通常のイベントCGがほぼ存在していないというのに差分抜きで80枚というのはけして多くないと思います。エロが売りなのでしょうからもうちょっと欲しいです。
 水着に関してはやたらと光沢があってフェチズム的にはあり得ない塗りのように見えます。二次元だから、CGだからエロく見えるという感じの彩色かと。
 プール内背景と立ちCGを組み合わせた時のショットは明らかに構図が変ですが(立ちCGが表示されているのにプールの奥の底がはっきり見える)、本作の目指しているものを考えれば取るに足らないことでしょう。
 ホームページ上で公開されているデモにあった潮吹きやおっぱいのアニメーションは本編にはありません。
 立ちCGはイベントCGに比べると別人が担当しているのか、というくらいに仕上がりが悪いです(特に本郷鞠奈)。原画的にも彩色的にも。もうちょっとなんとかならなかったのでしょうか。
 ちなみにパッケージにはエンディング画像が数点、載っています。
 
 音楽は古き良き時代を思い出しそうな旋律です。懐かしさに浸るにはいいでしょうが、それ以外の用途では厳しいように思います。
 ボイスは主人公以外フルボイス。と言っても本作には主人公とヒロインしか存在していませんけど。演技の方はひとり不安定というか微妙っぽい方がいますが、それ以外は概ね安定しています。全体的には特に問題はないでしょう。際立った魅力がある訳でもないですが。
 
 まとめ。存外、普通なお手軽作品。水着着用率が高いこと以外は通常のエロ重視作品と変わらない内容です。馬鹿要素やフェチ要素は全くと言っていいほどありません。エロは個別重視で複数人プレイはオマケ程度と考えておくのが無難です。
 コストパフォーマンスを重視する人にはあまりお薦めできません。総プレイ時間は10時間もあれば余裕でお釣りが来ます。
 お気に入り:浦田安
 評点:60
 
 以下はキャラ別感想。ネタバレ、はあるでしょうか。
 
 
 
 
 
 
 
1、本郷鞠奈
 プールに人気がなくなる時間まで水着で待つという設定が基本なのが無理矢理でナイス。さすがにタイトルは嘘をつきません。なんと言ってもマーメイドですからね。泳げなくたってそうなんです。要は水着さえ着ていればいいのデスヨ?
 指輪がいつでも強調されているのがいい感じです。水泳時にも外さないんですねぇ。なくしたら、とか不安にならないのかしら。
 
2、根岸日向子
 うーん。どうしてでしょう。見た目上のデザインは嫌いじゃないし、声優もかわしまりのさんで普通なら好きになりそうなキャラなのですが、どうも苦手です。ゲーム上の扱いとかそういうのも特に関係ないと思うんですけどねぇ。不思議。
 ポジション的になんだか気の毒です。ひとりだけ割りを食ったように素材が少ないですからねぇ。
 普段の監視員水着がハマリすぎているせいか普段着のワンピースがコスプレのように見えて仕方ないです。
 
3、久里浜みさき
 ヒロインの名字は全て駅名(地名?)からとられているのでしょうか。調べた訳ではないですけど、なんかそんな感じです。
 なんか印象薄いなぁ。全ヒロイン中で最も記憶に残らない。特徴が少ないんですよねぇ。半端なツンデレキャラ、しかも幼なじみというあたりなんかねぇ。
 
4、浦田杏
 ギャグっぽいゲームにはこれくらい狙ったキャラの方が色々と融通がきいてよろしいのではないでしょうか。全体的にお約束担当。アクセントとして十分です。
 
5、大船沙織
 お色気キャラってのはどうしても画一的で苦しい。話を無理矢理に進める役には立つものの、ネタ的に本筋から脱線しやすいのが困りもの。らしさを出したがゆえにボンテージプレイとか本作である必要性が極めて薄い展開にたどり着いてしまう。主人公にもヒロイン(全員)にも水着には全くこだわりがない、というのは正常かもしれんけど難しいねぇ。でも、あったらあったで逆方向の制約が出てくるしなぁ。


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