完全無農薬有機栽培「オーガニック」食品が今ブ−ムを呼んでいる。
95年、アメリカからOCIAの会長トム・ハ−ディング氏を招いて、このセミナ−を開催して以来、テレビやマスコミでオーガニックという言葉や概念が頻繁に登場してくるようになった。
世界の潮流から見ると20年以上も遅れている日本の「食の環境」に対する意識がようやく変化し始めたとみられる。
96年3月、農水省で「有機栽培のガイドライン」わかりやすい見直し作業を始めた。
また、スーパーやデパートの店頭に「減農薬」無農薬、有機栽培という野菜や果物が並んでいる。県や市町村の「承認シール」がついている。さらに店独自の「評価マーク」まである物も・・・・・とあった。
こんな、バラバラの有機農産物表示が、消費者に戸惑いと混乱を与えていることは、否めないことである。
アメリカではすでに90年に連邦法として「オーガニック食品法」を制定しており、間もなく施行される段階にある。ヨーロッパでもきっちりとした認証制度が確立しているが、日本の「承認シール」は、まだほとんどが自称有機である。
長い間、すべての面で欧米から学んできた日本である。このへんで独自の日本の気候風土に即したものが、日本の「オーガニック農法」と言えるものを打ち出していくべき時である。
人間にとって健康な食べ物、安全な生活環境は、単に農薬の有無を問題にするだけでなく、総合的な環境との調和の中で育まれるものであることを、生活者すべてに理解してほしいとしている。
これこそが、オーガニックナチュラルの視座に立って衣・食・住・生活環境全般を見直す、ということになる。
=1997/03=