HP開設25周年記念コラム
テンテンメモリアル四半世紀
「パラダイムシフト」という言葉があります。
何かをきっかけにして、非常な速度で価値観が一変する事を意味します。
90年代後半は、まさにパラダイムシフトが起きていたと思います
1995年、マイクロソフトは扱いやすいユーザーインターフェイスを備えるOS・Windows95を発売して大ヒット。
1998年、アップルはインテリアとしても映えるカラフルな初代iMacを発売して大ヒット。
それまでビジネスマンやマニアなど一部の人だけが扱う物だったコンピュータは、こうして広く一般家庭にまで浸透し、それらのコンピュータは電話回線によってインターネットに接続され、その結果世界中の家庭がネットワークで繋がるという状態が急速に構築されたのです。
一般の人が、お金をほとんどかけずに世界に向けて情報を発信できる時代の幕開け。
そんなインターネット黎明期の1999年に当HPはスタートしました。
25年後もホームページを更新し続けてるなんて、当時の自分に教えたらどんなに驚くでしょうか。いや、「多くの人々に影響を与えたその果てしなく大きい功績を称え、彼女の名前をここに記しておきたい」という思いで開設したのだから、別に驚かないかな。今の自分のほうが驚いています(笑)。
ともあれ、細く長くホームページを継続できているのも、皆様のご愛顧と応援のおかげです。ありがとうございます!
前回の周年記念コラムは開設22周年記念でしたので、22周年からここまで3年間のテンテンシーンを振り返ります。
例によって「キョンシー&テンテン回想」→「開設1周年記念コラム」→「2周年記念コラム」→「3周年記念コラム」→「5周年記念コラム」→「22周年記念コラム」の続きとしてお読み頂ければ幸いです。
2022年 |
●『しゃべくり007』出演
2022年7月25日、テンテンが人気バラエティ番組『しゃべくり007』に出演しました。ナイツの土屋氏が憧れていた人物として台湾からVTR出演。冒頭はやや控えめな雰囲気で話し始めた彼女ですが、後半は持ち味の毒舌が炸裂していました(笑)。
番組の中でナイツの土屋氏が「台湾女性は気が強くて家族思い」と語っていましたが、まさにテンテンことシャドウ・リュウさんを表した言葉だと思います。
●知られざる子役時代出演ドラマ『心有千萬結』発掘!
当HPの初期から有益な情報を提供し続けてくださるテンテン情報ハンターのHKSARさんが2022年7月、またまた大ヒットをぶちかましました。
見つけたのは1986年に制作された台湾のドラマ『心有千萬結』にテンテンが出演していたという情報です。
このドラマには、テンテンの父である劉尚謙が主要キャストとして出演しており、テンテンは小茉莉(ジャスミン)という役で数話程度出演していると見られます。
YouTubeでは番組のオープニングのみ視聴できますが、一瞬ながらも当時の彼女の姿を確認することができます。
86年といえばキョンシー作品に出演していた頃と同時期です(幽幻1と幽幻2のあいだ)。この時期のテンテンが現代劇に登場している映像はキョンシー作品のイメージとは異なり非常に新鮮です。この発見はテンテンのキャリアを辿る上で貴重な1ページである事は間違いなく、ファンにとっても嬉しい驚きでした。いつかドラマ本編が視聴できる日が来る事を願っています。
2023年 |
●90年代アニメ&声優ソングガイド
2023年8月に発売された『90年代アニメ&声優ソングガイド』にテンテンが歌う『ベートーベンだねRock'n'Roll』が紹介されています。
アニメ『21エモン』のエンディング曲として使用されていた事から紹介されているわけですが、「キョンシー映画に出演してたテンテンが〜」という文脈で語られるのではなく、純粋にアニメソングの名曲として取り上げられているという事実は、彼女が映画やドラマだけでなく、音楽でも多くのファンを魅了していた多才な一面を再認識させられます。
●ファンミーティングおよびライトセーバーイベント
2023年10月、キョンシーシリーズや『新・桃太郎』シリーズ、『新十二生肖』などの出演者が一堂に会すファンミーティングが台北で開催されました。
そんなビッグイベントならもちろん絶対に参加したいと思いましたが、残念ながら所用で参加できず。現地での開催なので来場者のほとんどは台湾人だったようで、盛り上がったみたいです。
しかし私はその約1ヶ月後に台湾旅行を敢行し、運良くテンテンやリン・シャオロウがゲスト出演するライトセーバーイベントに参加する事ができました!
このイベントの特集記事はコチラです。
映画公開から長い年月が経ちますが、こうして出演者とファンが交流するイベントが開催される奇跡を、私たちは率直に喜びたいと思います。今後のさらなる展開も期待しています。
●中國電影文化城は今
2023年11月に台湾旅行をした事はすでに述べましたが、その際にかつてキョンシーシリーズが撮影されていたオープンセット・中國電影文化城の跡地を訪れました。
『中國電影文化城訪問記』は、当HPのなかでも人気コンテンツでした。私自身、台湾旅行に行った際には必ず訪れていましたし、私の訪問記を見て足を運ばれたキョンシーファンもおられるようです。
2015年に閉鎖された事は知っていましたが、その跡地がどうなっているのかはずっと気になっていました。
久々に訪れた彼の地はすっかり見る影もない状態でしたが、幸いだったのは今でもその場所が映画村を運営してた中央電影公司の敷地であり、歴史を感じさせるゲートがまだあり、外壁には通称である“中影文化城”の看板も残っていた事です。
左写真=歴史を感じさせる中央電影公司のゲート
右写真=通称「中影文化城」の看板は今も残っている
敷地内は今も映画関係の施設となっているようで、関係者らしき人々が出入りしていました。おそらく倉庫やスタジオとして使われていると思われます。
そしてこの場所をGoogleマップの衛星写真で見てみると、あの象徴的な城門がまだ残っている事が分かります!しかも城門の近影と思しき画像も見られます。さらに驚くべきは、街並みのオープンセットはほとんどなくなっているのに、儀荘として使われていた場所はまだ残っているようなのです。
Googleマップの衛星写真で見た中國電影文化城跡地。
白いラインで示されているのが古城門。赤く囲っているのが儀荘。
それ以外のセットはほとんど消失している事が分かる。
キョンシーファンにとっての聖地がまだ存在しているのは喜ばしい事であり、敷地内には入れなくてもそこへ行けばキョンシー作品が撮影されていた頃に思いを馳せる事ができます。
いつかまた古城門を生で見られる日が来ると良いですね。
筆者が最後に撮影した古城門(左)と儀荘(右)。2008年8月。
●新たな聖地・行天宮 北投分宮
2023年の訪台では『幽幻道士』のオープニングシーンが撮影された行天宮 北投分宮を初訪問する事ができました!そのレポートは台湾「行天宮 北投分宮」訪問記をご覧ください。
中國電影文化城は閉鎖されて大部分が取り壊されましたが、ここがキョンシーファンの新たな聖地として、これから多くのキョンシーファンに巡礼されるでしょう。
2024年 |
●プレイボーイ誌で総統選を斬る!
2024年1月に行われた台湾総統選挙は、不安定な中国情勢もあって日本でも注目されました。
そんな中、1月4日に発売された『週刊プレイボーイ』No.3-4号にテンテンのインタビューが掲載されました。リモート取材を行って記事を執筆したルポライターの安田峰俊氏は、それだけでは飽き足らずに台湾現地まで飛んで直接インタビューも行い、誌面よりも長い記事をWEB版週プレにも寄稿されており読み応えがあります。
誌面やWEB記事では、テンテンことシャドウ・リュウがこれまで公の場ではほとんど語る事のなかった政治関連の話にかなり深く切り込んでいます。
国際的に常に微妙な立場に立たされている台湾人の心情は、我々日本人がどんなに知識を持とうとも真に理解する事はできません。だからこそ私達は彼女らの話に耳を傾けるしかありません。今後テンテンが台湾情勢の語り手となるかも知れません。
●映画『氷室蓮司』
久々のテンテン出演映画が2024年4月に公開されました!
『氷室蓮司』です。
映画『氷室蓮司』は、任侠作品『日本統一』シリーズの劇場版です。このシリーズはもともとVシネマとしてスタートし、地上波テレビシリーズなどを経てこの映画版が製作されました。
しかしサブタイトルなどにも「日本統一」が含まれていない事からも分かる通り、過去シリーズを見ていない人でも独立した作品として楽しめる内容になっています。
テンテンは台湾の刑事・楊愛玲(ヤン・アイリン)を演じており、主演の本宮泰風演じる氷室蓮司と敵対するも、やがて協力しながら物語は進んでいきます。
テンテンが日本映画に出演するのは『着信アリ2』以来。ただし『着信アリ2』は物語にほとんど関係ない役どころで出演時間も僅かでしたが、『氷室蓮司』ではストーリーの軸となる重要な役柄を演じています。
2024年になってテンテンの新作映画が見られるなんて至福の一言。
すでにBDや映画のビジュアルフォトブックも発売されていますのでファンは必携のアイテムです
●スマパチeキョンシー
2024年9月にスマパチ『eキョンシー』が全国のホールで稼働を開始しました。
スマパチが従来のパチンコと違うのは、玉がジャラジャラと台から出てこない点です。持っている玉数はデジタル表示され、遊戯中には台の中だけで玉が循環します。
近年のパチンコ台は盤面の大部分を液晶画面が占め、美麗なアニメやCG、派手な演出などで初心者でも楽しめるようになっています。
『eキョンシー』は『幽幻道士』シリーズや『来来!キョンシーズ』がモチーフとなっており、新たに製作されたアニメやCGによって名場面が再現されています。
大当たりの前に実写のテンテンが出てきたら激アツ!確変のサインです。
久々にパチンコを打ちましたが、画面を見てるだけでも楽しいのでパチンコに縁がなかった方もぜひ打ってみてほしいです。
メーカーのYoutubeチャンネルではテンテン自身も打って遊ぶプロモーション動画も公開されており、ご本人もだいぶ楽しんだようです。
こうして振り返ると、ホームページ開設から四半世紀、映画の製作からまもなく40年が経とうというのに、今もまだテンテンシーンは新情報に溢れています。
幻の出演作発見やご本人と会えるイベントの開催、ロケ地の新発見に新作映画の公開……2020年代になってもこんなに書く事が盛りだくさんだという事には改めて驚きですが、テンテンの物語はまだまだ続くでしょう。当HPは、これからも彼女の歩みを見守っていきたいと思います。
(2024.12.30)
おまけ
HKSARさんから、「HP開設当初のトップページのタイトルを再掲できないか」とのリクエストがありましたので下に貼っておきます。
HP開設から1年間は、トップページのタイトルはこれだったんです。