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昨年の8月にこの特集コーナーで紹介した『新十二生肖』(邦題『燃えよテンテン戦え!十二支の大冒険』)ですが、HP更新直後からたくさんの反響を頂きました。この映画の面白さをみなさんに伝えたい一心で制作した特集だったわけですが、また同時になんとかしてみなさんにもこの映画を見てもらいたいとあれこれ試行錯誤もしていました。そしてついにというか、ようやく『新十二生肖』のビデオがみなさんの手元に届く日がやって来ました!
僕は昨年の秋に台湾と香港を訪れました。その際に『新十二生肖』のビデオを入手する事が出来ないかどうか色々とあたってみたのですが、結論から言うと台湾や香港での入手はもう絶望的と言っても良いでしょう。その原因の一つに、VCDというメディアの存在があります。これは日本人にはほとんど馴染みがありませんが、アジアではかなり一般的なメディアで、CD−ROMにビデオ映像が収録されているものです。CDという性質上、非常に安価で制作する事が可能で、例えば新作映画のVCDでも数百円で売られていたりします。これが正規品ではなくいわゆる海賊版のコピー商品になればさらに安くなるわけだから、台湾では映画はレンタルビデオではなくVCDを買って見るのが当たり前。日本にあるようなレンタルビデオ店などもう絶滅状態というわけです。レンタルビデオ店がないという事は当然そこからビデオを買い取って中古で売るような販売店もないわけで、早い話が「10年前の映画のビデオテープを買える店」なんてものは存在しないのです。「それならば十二生肖のVCDを探せば良いではないか」と思うかも知れませんがそれは無理な話。VCDというのは90年代半ばあたりから台頭して来たメディアなので、それより前の1990年に作られた『新十二生肖』はVCD化されていないのです。過去の古い映画がVCD化されているケースもあるにはありますが、それは例えばブルース・リーやジャッキー・チェンといった超有名俳優の作品や名作に限っての話。版権の所在もあやふやなB級映画があらためてVCD化されるなどという事はまずありえません。つまり話をまとめると、『新十二生肖』が作られた当時発売されたビデオはVCDの台頭によって絶滅し、後にVCD化された可能性もない、という事になります(同じ理由で幽幻道士などのビデオやVCDを台湾で入手する事もほぼ不可能)。
台湾や香港が絶望的となると、頼みの綱はそれ以外の国という事になるわけで、まず矛先を向けたのはアメリカ。僕は昨年サンフランシスコの中華街で『新十二生肖』(広東語版)のビデオを入手したのですが、実はこれはアメリカ製のビデオなのです。このビデオを発売しているのは泰盛(TAI
SENG)という、アメリカ在住の中国人向けにビデオを販売している大手メーカー(アメリカには古くから中国移民が多かったため、こうした商売がきちんとビジネスとして成り立っているのだろう)で、東京の新宿にこの泰盛からビデオを輸入して販売しているお店があります。
ビデオマーケットというお店なのですが、何かの手がかりを掴めるのではないかと問い合わせてみたところ、なんと!すでに2〜3人のキョンシーファンから『新十二生肖』の注文を受け、泰盛製『新十二生肖』の輸入に成功していました。しかも新品のビデオ!お店の方に話を聞いたところ、どうやら泰盛は『新十二生肖』のマスターテープを所有しているらしく、頼めばいくらでも新品を生産する事が可能なようです。ですが、泰盛側としても全米の中国人を相手に商売しているメーカーなわけだから、わざわざ10年前の映画を2〜3本だけ作って日本に送るなんて事をするはずもなく、ある程度の注文数が集まらなければ『新十二生肖』の生産はしてくれないだろうとの事です。例えば僕が来店した時にちょうど届いていた『新十二生肖』のビデオ2本も、昨年の夏ぐらいに注文したものがようやく届いたとの事でした。しかしこれは裏を返せば「ある程度の注文数」があればすぐにでも作ってくれるという事ではないかと考え、試しに僕が友人、知人に呼びかけて購入希望者を募り、15本ほどビデオマーケットから泰盛に注文して頂いたところ……わずか3週間で来ました!『新十二生肖』新品ビデオ!(北京語版/日本語字幕なし)。さすが新品、画質も良好!(^^)
気になるお値段ですが、約9千円。高いと言う人もいますが、新品、パッケージあり、他での入手は不可能…という事を考えれば決して大それた額ではないと思うのですが、どうでしょうか。この映画の面白さは当HPが保証するところですし(^^;;。この作品についてはビデオマーケットに強力にプッシュしておいたので、今後は同店でも予約・注文に力を入れてくださるはずです。当HPとしても、同店には全面的に強力する事をお約束して来ました。ちなみにこの文章をアップした現時点では、店頭にも4本ほどビデオが並んで売られています。泰盛のビデオを扱っているお店というのは僕の知る限り東京でもここだけなので、『新十二生肖』はまさしくビデオマーケットが独占販売状態。さらにここでは通販も行っているので、地方への発送も可能です。テンテンファンの方はすぐにでも注文すべきでしょう。この映画を見ずしてテンテンは語れません。
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ビデオマーケット 東京都新宿区西新宿7-9-13 7丁目ビル(小滝橋通り沿い) TEL 03-3369-6613 |
最近、いくつかのキョンシー系HPで「廃盤ハンター」なるものが話題になっていましたが、実はそれもこのビデオマーケットが行っているサービスの一環なのです。『新十二生肖』は別に廃盤ビデオというわけではないので、廃盤ハンターではなく、直接お店に来店するか、電話やメールなどで注文しましょう。
前回の十二生肖特集の最後で、「必ずみなさんがこの映画を見れる機会を作る事をお約束する!」などと大見得を切ってしまったわけですが、とりあえずこれで公約は果たせたのではないかとホッと胸を撫で下ろしているところです。上映会なども考えたのですが、全国のファンが新品のビデオを購入出来るという、ある意味もっとも理想的な状況を開拓する事が出来ました。さあ、『新十二生肖』の魅力にどっぷり漬かり、『新十二生肖』を語り合いましょう!
(01.2.23)
※追記:ビデオマーケットでの『新十二生肖』の取り扱いは終了した模様です。(02.10.10)