それはあって当然だったがハードルの高い事だった。
それまでの性交経験も豊富な方ではない生徒会副会長は疼き切った身体を持て余していた。顔が判らないどころか、気付けば声を聞いてすらいない。
体育の授業の見学の間、体育座りをしていた蜜はずっと顔を腿に埋めながら、唇を動かし続けていた。背後から揉まれ続けている乳首は体操着の内側でぐにゃりぐにゃりと形を歪め、デザイン的にどうなのだろうかと思える胸に縫い付けてある大きな名札の下で乳首がぐいーっと強烈に前へと引かれて両腿の左右で小刻みに弾かれ続け、傍目では蜜の乳房は卑猥にぷるんぷるんぷるんと跳ね続けていた。
どうしよう。
今朝はずっと弄ばれていない膣が疼ききっている。それは正常な状態である筈なのに蜜の膣口からはねっとりと愛液が溢れ返っていた。あまりの濡れ具合にタンポンを入れてみたものの、それは朝の通学電車のどこかに放り出されてしまい回収出来ていない。絶対的に嫌悪している存在であるにも関わらず、その責めに逆らえずにいる蜜の精神の何処かで歯車が狂っていく。普通、セックスの相手とは抱き合ったりキスをするものだろう。それなのにそれは叶わない…いや不要なのだと考えているのに、まだまだ擦れていない精神は多少は女として求められる自分の構図を考えてしまう。
嫌だ。
どんな顔をしているのだろう、どんな声をしているのだろう、どんな口調で…自分の名前を呼ぶのだろう。有り得ない思考に囚われながら、蜜は腿へと伏せた顔で、少しだけ唇を突き出してみる。キスがしたいなど、考えていない。
そう悩んでいる間も蜜の乳房は揉まれ続け、そして、ブラジャーを身に着けていない素肌と体操着との間が僅かに空き、その中で尖りきった乳首が音を立てて吸われる。ちゅーっとはっきりした音と堪らない刺激に体育座りのままびくびくと震える蜜の下腹部で、膣口から溢れ返っている愛液は薄いスパッツに浸透するだけでなくねっとりとグラウンドに重い色の沁みを広げていた。立ち上がる時には糸を引くであろう濃密な牝の露だが、今日はまだ牡槍を受け入れていない…だからこそ疼き切り濡れてしまう悪循環だった。流石にこの場で犯されるのは困ってしまう。だが、だが、と品行方正な生徒会副会長の頭に校内の幾つかの場所が浮かんでは消える。考えてはいけない、それなのに。
蜜は、昼休みに昼食も取らずに学内図書館へと向かってしまっていた。
古書の僅かな酸味を帯びたにおいの漂う図書館の中でもその奥の奥、図録などのある人気のない書架の突き当りで蜜はゆっくりと自らブラウスの胸元の釦を外し、スカートのウエストから胸を隠してくれる白い布を自ら開けさせた。
少しだけ、ほんの少しだけ、蜜は自分の唇を自ら舐めあげる。
たぷんと乳房を自ら捏ね繰りながら膝をつく。これで奴がいなければ滑稽としか言い様がない…だがきっといる、そう少女は確信していた。もしいなければもうそれでいい。ずっとずっと24時間自分を弄び続けている存在はその程度なのだと完全に蔑む事が出来る。通りすがりに犯されている被害者と通りすがりに犯している加害者。都市伝説の存在などと言う通り魔ならばとっとと他の女へ標的を変えてしまうのだろう、その程度の状態。終わるのならばすっきりして日常が戻ってくる……。
そんな蜜のどこか捨て鉢な思考が伝わったのか、その前の一言が聞こえたのか、不意にぐいと蜜の頭が左右から抑え込まれ、口に何かが当たった。
「ん…ぐ……っ」
何かが垂れている。何かで濡れている。それは精液よりも塩辛く匂いのうすい液体だった。ぬちゃっぬちゃっと唇を濡らすものの熱さと液体のにおいに、蜜の頬が真っ赤に染まる。射精前の牡のモノに奉仕する…しかもそれが自分の行為を皮切りに。これではまるで同意して求めている様ではないか。ああだがそれが凌辱している時に接触しているのは性器だけではない。もしも存在しているのならば対面座位の体勢で、四つん這いの体勢で、様々な体位で蜜は確かに犯されている。椅子や他の牡に犯され重なっている事も多いが、それの体格は恐らく成人男性のものだと想像がつく。しかも、逞しい。物理法則などを無視してる異常な存在であるにも関わらず蜜はその点に密かに陶酔してしまっているのかもしれない。求めてなどいない。だが。
ぐちょっと唇を割って口腔へ押し込まれていくものに、生徒会副会長の身体がびくびくびくっと震えた。何もない空間なのに、熱い。先端から汁が垂れている。口腔奉仕に不慣れな少女の口が限界まで広げられ、極太の肉槍がぬろぬろと含まされていく。苦しい……。
はっ、と蜜は我に返る。
授業中に眠ってしまう事などなかった少女は自分の失態を恥じながら密かに教室内を盗み見るが、取り敢えず眠っていたのを誰かに見咎められてはいないらしく安堵の息を漏らす。今朝まで犯され続けている為に睡眠時間が圧倒的に足りない。まるで淫魔に犯されてでもいるかの様に四六時中犯され弄ばれ続けている精神は疲弊している…だからおかしな夢を見てしまったのだろう、そう分析しながら蜜の頬が染まる。
図書館もその奥の誰も近寄らない場所も知っているから夢の舞台にされてもおかしくはない、だが自分がそれを待ち侘びるなど有り得ない。ましてや奉仕するなど。
そう考えた直後、ずぶずぶと蜜の牝肉を猛々しい物がこじ開け貫き始めた。
「――っ!」
授業中は止めて欲しい。そう思っても止める相手ではないと判っていても、身を強張らせても、懸命に膝を合わせてもそれはスカートも濡れたパンティも椅子も何もかもを無視して真下から蜜の淫夢に濡れそぼった膣を容赦なく犯していく。ぐちょっぬぽっと濡れた音が鳴り響く教室内に先日と同じざわめきが広がっていく中、少女は授業を真面目に受けている姿勢を懸命に続ける。止めてやめてやめて。授業が終わるまで40分程。その間に蜜が達してしまうのはもう確実だった…そしてそれが蜜の膣奥でまた射精するのも。それなのに。窄まりがひくひくと蠢きねっとりと絡み付いている愛液を咀嚼している様に揺れている…もどかしい、汚れを拭いたいと思うのに何故かそこに触れるのを恐れてしまう…ただ拭うだけなのに。ぐぽっと音を立てて凶悪な肉槍が引き抜かれては一気に真下から突き上げられる繰り返しに、どこか落ち着かない授業の光景の中、蜜の全身がびくっと強張り震えては崩れかける。
ぐちゃっぬぽっぐぽっぐぽっと抽挿音の鳴り続ける授業が終わりかけた頃、不意にその音が止んだ。
結局何だったのだろうと首を傾げる同級生達の中、一人の女生徒が教科書に顔を埋める様にしていた。
ぬぽっ。
蜜の口を、精液と愛液をたっぷりとからませている肉槍が犯している。頭を目に見えない存在に抑え込まれ顎が外れそうな程の威容で喉奥まで犯されながら、蜜は朦朧としながら舌を這わせていた。たっぷりと出された精液の臭いが強烈な白濁液が口の端から溢れ、華奢な顎まで伝っていく中、授業中の口を大きく開かされた口腔凌辱にせめて頭を揺さぶられるのだけは避けようと、生徒会副会長はそれを少しでも満足させようとぐちょぐちょと生臭く太過ぎるモノを懸命に舐めしゃぶる。
教科書の影で、蜜が何をしているかは、誰も知らない。
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80『ホームルームが終わったら』
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