「私…どうすればいいのか……」
銀色のトレイを胸に抱え俯きながら乃愛は震える声で教師に問いかける。教室の三分の一程の生徒相談室には、乃愛が同級生達からの性的行為の原因になった男が楽し気に机に頬杖をついていた。高額な機材を壊してしまった乃愛に所謂パイ擦りをさせその現場を同級生達に目撃されたあの日から少女の高校生活は一変してしまっていた…それなのに何故か乃愛が最後に心情を吐露出来るのはこの異性の大人だった。
「今日の日直は青山か…。で、そのトレイを下げてみろ」愉し気なその声に、俯きながら乃愛は胸に押し当てていた四十センチ程のトレイをゆっくりと下ろしていく。柔肌に当たっていたトレイは温まっており、それを下ろしていく乃愛の胸が空気に触れる。「あいつ趣味はいいな」
乳房が、露出していた。ミニ丈のメイド服らしい黒のワンピースに白いエプロンとホワイトブリムは男子高校生が購入するにはかなり無理がありそうな物だったが材質的に安いコスプレ衣装か何かかもしれない。
乃愛に許されている過剰な制服や体操着はカンパによる共同購入だったが日直による指定物…例えば股の部分に切れ込みが入っている黒レースのパンティや煽情的なガーターベルトなどから始まりオムツまでは個人購入による物だった。日直による朝の調教の小道具も個々による。自由度の高い校風の学校の為朝からメイド服で授業を受けた乃愛に教師が誰も注意しなかったのは異常とも言える。だが授業中と異なる点は、乃愛の乳房が露出している所だった。授業開始直前に胸元を直し、休み時間の度に日直に呼ばれ教壇の上で服を開けられ、乳房を露出させられしゃぶられ揉まれ乳首を摘ままれ小柄な身体に不似合いな大きな乳房で日直の勃起したものを挟み込み擦り立て舐めあげ口腔奉仕に耽る…昼休みもそれは続いた。目の前の教師の行為の衝撃が強かった為か、同級生の間でも乃愛のパイ擦りと口腔奉仕は特に好まれていた。日直が満足していた場合は他の生徒がそれをする場合が多く、メイド服を捲り上げて教壇に乳房を乗せて腰を突き出しての素股は五人程が挑んできた…最近の乃愛の昼食はサンドイッチが多い。素早く食べられるものでないと時間が足りなくて食べ損ねる事が多かった為である。
この放課後、教師に依頼した生徒指導に遅れてきたのも十人以上の射精が収まるまで時間がかかった為だった。そして、日直からの指示で乃愛は授業中以外は服を整える事を許されていなかった。黒いワンピースの前釦は胸下まで外され豊かな乳房を絞り出す形にさせられ、逆にエプロンは胸の谷間に挟まる形になっていた。散々撒き散らかされた精液は生徒指導室に来る前に拭ってはおいたものの。布にべっとりと染み込んでおり乃愛の鼻腔だけでなく肺の奥まで濃い精液臭が侵していた。
「これか?」
生徒指導室の壁のディスプレイに映された動画に、乃愛は凍り付く。
激しく座席を揺らしながら、自分が自慰に耽っている。細長いバイブレータを膣に潜り込ませるその手の動きは狂った様に柄を操り、ぷちゃっぷちゃっと可愛らしい音を撒き散らしながら膣口から粘液が噴き出て大きく開ききった両脚の間から画面に向かって飛沫が飛び散る。画面の隅には他の生徒の足も映っており、それが教室だと一目で判る光景だった。確かにその行為には憶えがある…だがもっと密かなものであり、そして撮影されているとは考えてもいなかった。会議用も兼ねている大画面は乃愛の下腹部を何十倍…それ以上に大きく映し、そしてそれは恐ろしい程鮮明に映されている。自習時間中であり教師に見つかる事はない筈の画像が何故ここで映されているのか…この男が同級生達からの中途半端な凌辱調教を受けているのを当然知っていて所々を締めているのは判っていた…だからこそ相談をしたかったが、だが乃愛は動揺してしまう。
「で…何の相談だ?」
画面を目にして凍り付いている乃愛に声をかけ、その反応がなかった担任が椅子から立ち上がるが少女はそれに反応出来なかった。じゅぽじゅぽじゅぽじゅぽと激しく操られる細いバイブレータとそれを操る自分の指に、痙攣を繰り返す白い内腿に、そして椅子の上でずり落ち過ぎて映っている自分の顔に…繰り返しの絶頂に蕩け切りながら物足りなさげに喘ぐ自分の淫らな顔と声に、魂が抜けた様に画面から目を離せない。判っている。この時に自分が何を考えていたのか。そして、今、何を相談しようとしていたのか。
「聞いているか?」
愉し気な教師の声が聞こえてくる。その指が、乃愛の小さな口に差し入れられ、そしてもう一方の手が小さな手を男の下腹部へと導いていく。手が教師の下腹部にスラックスの上から重ねられた瞬間、乃愛の唇からいやらしい吐息が漏れた。ねちょねちょと口内で舌を指に弄ばれながら、乃愛の白い手は重ねさせた教師の手の内側でその硬く大きな物にそっと貼りつき、前後に撫で擦り始めてしまう。ぞくんと背筋が震え、一度始まった指の動きは止まる事なく、徐々に、徐々に淫らな奉仕へと変わっていく。乃愛が初めて奉仕した肉棒は知っている中で最も大きく硬く…そしてとても嗜虐的で頼もしい…牡槍に頼もしさを感じてしまう自分を怖いと思いながらその信奉にも似た隷属は少女に深く根付いてしまっていた。一番最初に見てしまった奉仕してしまった男を忘れられないと言うのは初体験の相手は忘れられないと言う話と似ているのだろうか。自分を残酷な高校生活へと陥れた物だと言うのに、乃愛の指はそれの形を愛する様にスラックスの上から撫で回し捏ねてしまう。
はぁ…っはぁ…っと発情しきった喘ぎが舌を弄ばれている乃愛の唇から溢れ、欲情と羞恥に唾液と涙が溢れて顔を濡らす。柔肌の汗と火照りに温められた精液臭がメスの発情臭と共に乃愛の身体から立ち昇り、パンティを身に着けていない腰の奥からねっとりとした愛液が溢れ出す。後ろ抱きにしている教師の腕の腕の中で少女の身体が欲情を持て余して淫らにくねり、呆けている濡れた瞳に大画面の中で絶頂の声をあげながら激しく腰を痙攣させる自分の姿が映る。
がくがくと震える膝に崩れ落ちながら男の腰へと向いてしがみつき、乃愛はスラックスの上から一直線に天へと反り返っているものを舐めあげる。白い指が忙しなく揺れながら男のスラックスのファスナーを下ろしベルトを外し、男の立派な物を仕舞い込むには小さ過ぎるであろうビキニパンツを熱に浮かされた様に引きずり下ろした乃愛の鼻腔に男の性臭がむわりと染み込んでくる。
あぁ……と喜びの声を上げてしまう乃愛に、教師はその後頭部に手を添えた。
ぬちょっぬちょっとあからさま過ぎる粘液音が生徒指導室に鳴り響いていた。
壁際のソファの上に横たわる乃愛の下腹部の粘膜を男のモノが擦り立てる。口腔奉仕で二度精を放っているにも関わらず教師の肉槍は勢いを衰えさせずにびきびきと血管を浮かび上がらせて天へと反り返り、下腹部を喘ぎながら見つめている乃愛をうっとりとさせていた。とても持ちがいい。口腔奉仕だけでも乃愛に絶頂を迎えさせる巧みなしゃぶらせ方も素晴らしいが、教師の何もかもが乃愛を無防備にさせる…その大人の異性の体格も、声も、落ち着きも、慣れ切ったいやらしい責めも、何もかもが。それが教師と言うものなのかもしれないし、それが教師としては間違っているかもしれない。だが乃愛はすっかり男に頼り切ってしまっていた。クリトリスと膣口の間を激しく…時折執拗にじっくりと捏ねまわされ、乃愛の渇望するタイミングで男は絶頂を無慈悲に与えてくれるそれにどうしても少女は溺れてしまう。熱い蜜を含んで溶けかけた角砂糖の壁を這い上がろうとする様な無駄な徒労と絶望は極上の甘く狂おしい快楽として少女を捕らえ、全身が男の与える刺激を受け取ろうと過敏になり更に乃愛は身悶えよがり狂っていく。同級生達と違って教師が少女を貪る機会はなかなかない…だが誰よりも残酷に誰よりも狂おしく乃愛の身体を隅々まで奥の奥まで痺れさせる男に歪な形で惹かれてしまうのは、当然ではなかろうか。
教師は聞き上手だった。乃愛の持て余す身体の疼きを何から何まで暴き、身体と口で語らせる。修学旅行の時からずっと溜まりきっていた欲望を、遂に少女は口にしてしまう。
「初めての人に…なってください……っ」
何から何まで蕩け切った状態で乃愛は哀願する。
確かに絶頂は覚えた。だが牝の身体は最後の一線を越えた先の絶対的な快楽を求めてしまう。このままだといつか誰かに犯されるだろう…それならばこの男に初めてを捧げたかった。きっとこの男ならば自分を上手に犯してくれると乃愛は確信していた…それは切望だった。恋愛も知らないまま、男を欲しがってしまう自分を心の何処かで別の自分が蔑む目で見下ろしている。色情狂と罵る声が聞こえる。だがそれでも渇望してしまう。まだ高校一年生。卒業までの二年半の間に欲望に狂った自分が男を無差別に求めてしまうのも、誰かに犯されて無残な処女喪失に打ちひしがれるのも避けなければならなかった。
乃愛の胸が早鐘を打ち、自分に腰を重ねて動かしている男が僅かに口を歪めるのを見、少女は瞳を閉じて僅かに唇を突き出す。
だが男が乃愛の唇に応える事はなかった。
「――いい授業が出来そうだな」
■披露
次の科学の授業は三日後。昨日からずっと見返しては溜息をつき続けていた学生証の時間割表から目を上げ、乃愛は立ち上がり教壇へと歩き出す。
この休み時間は珍しく乃愛は誰にも辱められずに済んでいた。次の授業が鬼教師が担当する厳しい物理の小テストの為誰もが詰め込みに躍起になっている…当然乃愛も少しでも勉強しなければならなかったが、だが昨日教師に命令された事を実行するのは今しかない。教壇の前で何度も深呼吸を繰り返し、乃愛はその上に登る。恥ずかしい、止めたい、もしこれからの行動をとればもう引き返せない…そう考えると僅かに怖気づいてしまうが、それよりも昨日あれからずっとしゃぶり続けた教師の立派な大人の男の肉槍を思い出してしまうと頭の芯から腰の奥までがぼうっとしてしまう。
乃愛の行動にいつの間にか同級生男子が全員注目している中、少女はするりとパンティから片足を抜く。命令されての時の様に高く足を上げてではなく羞恥を伴うもじもじとした動きの後、乃愛は両足を自分の脇の乗せて下腹部を全生徒へと晒し、そして、指で牝肉を左右に広げる。
散々大人数に…そうとんでもない大人数に弄ばれているそこは幼女の様な肌色を保ちながら、牝肉はとろとろに熟れている。でもまだ乃愛は本当の意味では男を知らない。歪んだ形で残された処女に疼き切っている少女は小さな襞を割り開き、自ら膣口を男子生徒の前に曝け出す。
「今度の…こんどの科学の時間に…臨時の保健体育の授業があります…。皆、絶対に休まないで…全員参加をお願いします……」乃愛の牝肉が全員の視線を感じる中ひくひくと蠢き愛液を溢れ返させる。「――内容は……生殖、です」
そう言い終わった瞬間、乃愛は全身をびくっと震わせて仰け反り、軽い眩暈と酷い興奮に気を失いそうになる。
もう戻れない。
三日後、自分は処女をあの教師に捧げるのだ、男子全員の前で。そうなったらもう歯止めは効かなくなる。きちんと避妊はして貰えるだろうか?相手は四十人…いや何百人もいる男子生徒で、当然膣内射精をしたがる者もいるだろう。それだけは許して欲しい…許して欲しいのに、昨日生徒指導室で教師に授業内容を聞かされた瞬間に乃愛は教師による衆人環視の中の膣内射精を想像して、想像しただけで達してしまっていた。せめて誰かも判らない妊娠はしたくない…それなのに身体が疼いている。三日後の授業はその日の最後の授業で、放課後何があるかは乃愛は想像したくもない。だが素直に帰宅出来ないのだけは確かだろう。
ぞくんぞくんと全身をいやらしい疼きが這い回り、少女が遅々とした動きで向き直った教室内は、全員がぎらぎらと血走った目で自分を見ていた。
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76『耐える王女』
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