二人きりのプールテントとしては広い空間に少女の甘い汗と愛液のにおいが籠もっていた。
はぁっはぁっと吐息を漏らす桃花の乳首を青年の指が悪戯に引き、形良い円錐形の乳房が前方へと引き伸ばされ初々しい鴇色の乳輪が乳首ごと痛々しく引き伸ばされる。指に摘まれている乳首の痛みにびくっと跳ねる少女の唇から甘い切羽詰った声が零れるが、それはテントに近い大型スピーカーからの陽気な音楽と喧騒に掻き消されて周囲の耳には届かない。
青年の腰に乗せられている白い腰が鞠の様に跳ねる度ににちゃりにちゃりと愛液が音を立て、白い指が拙く捏ね回す青年の性器に少女の下腹部の谷間が強く擦り付けられる。意図しての行動ではない。だが桃花の身体が青年の行為を受け止めさせられていく程に女の身体は自然と愛撫に媚びる動きを示し、その行為で更に追い詰められていく。
『こわい……』
傘の先端を捏ね回していた指先に絡み付く粘液は桃花の愛液だけではなく、青年の先走りの汁が垂れているのだと教えられてももう指を止める事は出来なかった。指が、愛でる様に傘に絡み付く。まだ処女である少女の手淫は何度達しても収まる気配がなく、クリトリスが溶けるのではないかと思える程に浅ましく貪り続けていた。男を知らない膣がぐびぐびとうねり続け今日知ったばかりの異性の指の挿入を求める様に虚ろに締め付けて愛液を溢れ返させる。
欲しい、と頭の中であの刺激が弾けては桃花は首を振りたくる。自分から求められる筈がない。ましてやもしも求めようものならば、挿入されるのは恐らく指ではない。見ず知らずの青年に処女を捧げるのだけは嫌だった。
それなのに。
「ももかちゃんイキっぱなしだからそろそろ本気で気持ちいい事教えてあげようか」
「ゃ……いや……ぁ…っ」
恥ずかしくて消えたくなる程、声が濡れている。甘く溶けて媚びて何でもして欲しいと強請っているとしか受け取れないいやらしい声で逆らう桃花の身体を、青年が軽々と転がした。
「――っ!」
目の前に、プールが広がっていた。テントの出入口のメッシュのカーテンが桃花の鼻先にあった。
咄嗟に肘を突いた四つん這いの体勢の少女の瞳が大きく見開かれる。テントとプールの間一メートル半程の通路はひっきりなしに人が通り、そしてその先のプールは水面を探す程に人が溢れ返っていた。すぐ目の前に、顎を突き出してしまえば鼻や唇が触れてしまいそうなメッシュがあり、桃花の熱い吐息を跳ね返す。陽光下の銀のメッシュのカーテンはテントの内側を簡単には透かす素材ではない筈だが、遮光カーテンか緞帳の様に絶対に向こう側からテント内を隠すものではない。
「は……ぁ…っ、ぁ……ぅ…っあ……ぅぅ……っ」
四つん這いの桃花の下腹部で青年の傘がぬろぬろと動いていた。既に潤滑液に塗れている下腹部の粘膜に傘の先端が滑り微かな粘液質な水音がくちゃくちゃくちゃくちゃと小刻みに鳴り続ける。四つん這い。獣の体位。まさかこのまま処女喪失はありえないと虚ろに思いながら、だが心の奥底で判っている気がした。――このまま、後ろから犯される。すぐ目の前はプールで大勢の人達が犇いている場所で、見知らぬ青年に。愛情も何もない理不尽な仕打ち…いやそうなのだろうか?自分のビキニを奪ったのは確かにこの青年達で、そして自分を救い出したのもこの青年達で……。判らなくなる。くちゃくちゃと鳴り響く生の性器同士の摩擦の音の恥ずかしさと、クリトリスや膣内のもどかしさに全身が蕩けて思考力が失われていく。
「声を抑えないとももかちゃんがビーチサイドで真っ裸でバックから犯されてるの見つかっちゃうよ?」青年の声にびくっと全身が震え、これからの行為を確信した少女は四つん這いのまま身を強張らせ、そして、本能的なものなのか、僅かに、ほんの僅かに、青年へと尻肉が突き出される。「ももかちゃんは本当にどスケベな子だなぁ」
四つん這いになっている膝は青年の脚に割り込まれる為に大きく割られ、更に手で左右に広げられている尻肉の奥底で鴇色の粘膜とその上の窄まりがひくひくと蠢いて揺れる様に、青年の指が軽く窄まりに添えられ、揺さぶられる。
「ひ……っ」
膣でない場所を弄ばれる違和感に全身が強張り、桃花の頬を涙が伝う。まだ男女の行為に詳しくはない少女にとっては不浄の場所を弄ばれるのも異常であり、ましてやそこで二人の男を悦ばせるなどまだ想像も出来ない。親指の腹で窄まりを揉まれる生理的嫌悪感に思わず腰を左右に振る桃花に青年の身体が覆い被さる。
「ももかちゃんは、初体験はセックスとアナルセックスとどっちがいい?」
「アナル……?」
「尻の穴でのセックスだよ」
青年の言葉に桃花の背筋がぞくりとざわめき、全身が驚いた猫の様に僅かに鳥肌立ちしなる。そんな異常な行為はきっと拷問か何かに違いないと思いながら、それと同時に青年が何を言わせたいのかを感じ取り少女の濡れた唇と小さな顎が小刻みに震えた。これを言えば自分から求めたと思われてしまうだろう、だが冗談か本気か判らない拷問や虐待よりはいいのだろうか…いや言わなければその悍ましい行為をされてしまうのだろう。それだけは免れなければならない…気がした。
「セックス……が…いいです……」
「何?もう少しはっきり言ってみて」
目の前で大勢が楽しげにプールで遊んでいる。陽光が眩しい。睫毛が触れそうな距離に、健全な空気がメッシュのカーテン一枚隔てた場所で広がっている。ぶるぶるっと小刻みに身を震わせる桃花は、膣口に既に切っ先を当てている青年の性器の存在を強く感じながら何度も喘ぐ様に呼吸を繰り返す。自分の息の熱い湿り気がまるでマスクをしているかの様にカーテンで跳ね返されて鼻と口元に触れる。堪え切れず俯く少女の瞳に、テントと同じ素材の床のシートの上に落ちている水溜りが映る。唾液と、汗と涙。唾液。気付けば、唾液が垂れている。まるで飢えた獣の様に。小刻みな震えに揺れる剥き出しの乳房とその先端で硬くしこった鴇色の乳首、そして、脚の間に割り込んでいる青年の足腰。もう交わるしかない光景に、少女の全身がぶるっと震える。
どうせ言うしかない。これは自分の本意ではない。
にちゃっにちゃっと膣口を突き上げる傘の大きな感触に桃花は何故か顔を上げてしまう。目の前に広がる健全な空間に、どくりと全身がざわめく。
「セックス…してくださ……い……」
「もう一度」
「セックス、してください……ここでセックスしてください……っ」
どくどくと全身が脈打ち今にも破裂しそうな感覚に不安になりながら、少女の牝肉は指を待ち侘びている時の様にぐびぐびと淫らに蠢いて愛液を垂らし続けていた。助けを求められる…恐らく助けを求めれば一時の恥を掻いても処女のままでいられる筈だった。それなのに何故かその一歩を踏み出せない桃花の膣口を、ぐいと青年の傘がこじ開ける。
「OK、お願い叶えてあげるよ」
ずぶっと捩じ込まれる傘に桃花の全身が強張り、青年へ捧げる形で突き出している白い腰に両手が添えられ、引き寄せられた。シャワースペースで異性の指を迎え入れた後、たった十数分足らず何も挿入されていなかっただけの膣の物足りなさとは別次元の剛直に処女を奪われる圧倒的な苦痛に桃花の唇が大きく開かれ、酸欠の魚の様にぱくぱくと揺れる。熱い浅い呼吸が微かにメッシュのカーテンを揺らし、唾液に濡れた唇が布に触れる。口内に溜まっていた唾液がカーテンを濡らし、少女の小さな舌がメッシュ素材を飴の様に舐める…いや舐めようとはしていない、だが舌の無意識の震えが止まらない。
妖しい動きで揺れる口元と異なり、ずぶずぶと沈みこんでいく剛直を受け止めさせられる下半身は完全に青年に操られるままであり、軽く日焼けしているが水着の形に白さの残る牡の腰と全身が生白いままの少女の腰が赤黒い幹を挟んで徐々に距離を詰めていく。異性の指程度は受け入れられていてもまだ性器で貫かれるのには慣れていない膣がぎちぎちと張り詰めてはいるものの、夥しい潤滑液を活かして青年のモノは避妊具も着けないまま容赦なく処女地をこじ開けていき、そして膣奥に突き当たる。結合部が重なると同時に膣奥が当たるタイミングに青年の顔がにやりと嗤う。
「ももかちゃんのおまんこ、俺のチンポと相性いいみたい」
声を出そうとしても浅い呼吸を繰り返すしか出来ない少女の全身から汗が滲む。逃げ出したい。汗が気持ち悪い。痛い。怖い。様々な感情と感覚が押し寄せてくるまま桃花の瞳にメッシュのカーテンの向こう側が映る。何故カーテン一枚隔てただけでこんなに世界が違うのだろうか。自分と外の人々と何が違うのだろうか。肌の露出も大差ない…そう大差ない筈なのに。
「――あ……!」
不意に貫かれたままクリトリスと乳房を捏ねられ少女の身体がびくりと震える。水から上がったばかりの様に濡れた肌を弄る青年の手に、指に、処女を奪われたばかりの激痛に耐える身体に別の火花が散った。身体の全てを支配する様な激痛に何もかもが飲み込まれそうなのに、そこまた別だと言わんばかりに微かに、いや確かに疼きが紛れ込んで自己主張をする。触らないで欲しい。放っておいて欲しい。それなのに。
びくんと身体が揺れる。
青年の手が乳房を揉む度に、クリトリスを捏ねる度に、激痛と別のものが交互に身体中を流れていく。
犯されてる。多分、今、自分は犯されている筈だった。望んでいないのだから…でもお願いをして、恥ずかしい普通でない体位で貫かれている。熱く浅い呼吸を繰り返しながら外を見る桃花の瞳に大勢の姿が映っていた。恥ずかしい…恥ずかしい?どれだけこの人達と自分が違うのだろう?ほんの少しだけなのに、水着の面積など小さいのに。四つん這いになれば大差ない。それなのに、何故自分だけ。
光が弾ける。カーテンの向こうと、少女の敏感な場所で、灼く様な強い光が瞬く。痛い。四つん這いの体勢の桃花の乳房がふるふると揺れる。まだ青年が腰を使い始めていないのが救いかもしれない。今でさえ痛いのに動かれてしまえば激痛がどれ程酷くなるのか……。
びくっと、桃花の身体が揺れる。
痛みばかりに意識が向いていたものが、不意に気付いてはならない事に思い当たってしまう。今、自分を苦しめているものは異性の猛々しい性器であり、それに貫かれているのは自分の性器だと言う簡単な現実。自分が今されているのは拷問でも何でもない生殖行為なのだと言う事実。不思議な程なかった現実感は気付けば急速に膨らみ全身に広がっていく。
生の男性器が自分の中にある。ぞくりと全身がざわめいた瞬間、穿たれたばかりの桃花の牝肉がほんの僅かに揺れ動く。それは既に指でかき混ぜられて解れ反応を刻み込まれていた為でもあったが、意識したとほぼ同時に示してしまった牝の蠢きは徐々に、確かに、まだ痛む傷を無視してうねりを増していく。
「あ……!」
牝肉を穿つ剛直の激痛が波打つ。ぐびりと桃花自身の膣が牡に絡み付き扱き立てる淫らな蠢きはまだ拙いが、それを受ける側には十分に伝わるものだった。
「もうチンポを絞りはじめるとか、思った以上にいやらしい子だなぁ」
「ちが……」
大きな声が出てしまうのを恐れ首を振ろうとした桃花は自分の乳房が揺れる感覚にびくりと仰け反る。性を要素の全ての感覚が過敏になっているのだろうか、何もかもが自分を辱めて責めている気がした。四つん這いの体勢の少女の乳首が痛々しい程にしこり、汗と唾液と涙で濡れたシートの僅かな光を浴びて初々しく愛らしい鴇色の果実の様に弾む。僅かに滲み出ている破瓜の血の混ざった愛液を絡み付かせクリトリスを転がす指にくちょくちょと卑猥な水音テント内に籠もり、そして赤黒い幹を根元まで沈み込ませている薄鴇色の粘膜の底の孔は広げられたまま微かに蠢いていた。
中に、ある。
妊娠への恐怖よりも先に少女を圧倒する異性の剛直の存在に、破滅と同時に暗い陶酔感と本能的な隷従と羞恥心が爪先まで広がり桃花は全身をひくひくと震わせる。身体がおかしくなったのではないかと思える程鼓動が速まり、はあっはあっと熱い呼吸が零れた。プールサイドの音楽が相変わらず五月蝿い。それなのに、桃花が今一番感じているのは、自分を貫く異性の猛々しい性器の存在だった。
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51『キモチイイ遊び』
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