2023余所自作124『亡国王族凌辱プレイ』

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 ゲヘナ。地獄の名を持つ縁起でもない仮想世界は世界の人口の三パーセントがプレイしていると言う説もある…そこまで浸透しながら一部には好意的に受け入れられず反対運動もあるのは『リアル過ぎる為』だった。視覚聴覚だけでなく五感の全てを欺く世界に若者だけでなく中高年までが溺れ、現実世界に戻りたがらない中毒者が大量発生し救急搬送をされた者、誰にも気づかれない間に死亡発見された者数知れずでは当然かもしれない。
 ひゅっと城壁を登ってきた風が肌を嬲る。城下町からの熱風は木造家屋や人馬を焼く臭いが濃く漂い脂のべたつきが肌に唇に纏わりつく。じりじりと熱い風に灰が舞い、空に昇る。
「ああ……っ…やめて、お願いします……やめて……っ」
 首と両手首を枷で固定されている王女ユーリアが喘ぐ。今城下で民が斬殺され焼き殺されている最中、捕らえられてしまった王女は煌びやかな宝冠だけしか身に着ける事を許されず…逆に言えば王族と判る宝冠だけは身に付けさせられたまま、城壁の見晴台でその白い身体を晒していた。まだ逃げまどう民の姿も眼下にはある。今この瞬間に切り殺されていく民に、滅びゆく国に圧倒され息を詰まらせる王女の下腹部は失禁と愛液でぐちょぐちょに濡れていた。
 ゲヘナの真骨頂。――現実世界では出来ない禁忌の領域に人は溺れていた。忙しない現実とは異なる中世世界でのびのびと領民として生きる者もいれば騎士を目指す者魔導士を目指す者、登録時にランダムで割り振られるポイントを基礎値と生い立ちなどの設定に継ぎ込んだキャラメイク。和樹の幼馴染の優里亜が敵国の王国王女になっていると聞いてから七か月…遂に王国が滅びる日が来た。和樹の部屋で二人ともゲヘナ専用のユニットを身に着けてログインしていた。
 自分が燃え尽きる王国に今生きているとしか思えない非現実の現実感。怯えるユーリアのドレスを力任せに引き千切り、面倒くさいコルセットの紐を剣で切り、アンダードレスを剥ぎ、和樹の分身の名もなき戦士の肉槍が王女の膣口をぐちょぐちょと捏ね回す。
「嫌です……、お願いします…民の前では……、それだけは……」
 涙を零しながら哀願する王女が枷を填められている首を振る。非現実世界でのTRPGでありながらまるでそこで生まれ育っているかの様に錯覚させる圧倒的な情報量と浸透してくる偽りの記憶が曖昧に溶けていく。本当に自分がゲヘナで生きてきた様な、野山で兎を狩り、旅をし、戦争に巻き込まれ、人を殺めた経験…初体験もゲヘナの中でありログアウトした時には大量の射精跡に困惑したものだった、あの褐色の肌の踊り子は現実にはどの様な感じなのか、思いを馳せもした。ゲヘナ内での怪我は現実には持ち越されはしないが、心臓発作で亡くなった者もいる。和樹として生活していても、長剣で人を刺殺した感覚は抜けない。所詮はゲームなのだと判っていても境界線が曖昧に溶けた感覚は夢よりも現実寄りだった。
 王女の乳房を背後から揉みしだく。貧相な村娘とは異なり手入れの行き届いた雪の様な柔肌を戦士の武骨な指が激しく掴み、指を食い込ませる。ああああああっと王女の唇から悲鳴が溢れ、眼下の民が見上げ、そして背後から敵兵に切り殺される。
「お前が悲鳴を上げたからだ」
「お願いします…民をもう殺めないで下さい」
「知らん。俺にその権利はない」
 覆い被さり王女の細い肩に戦士は歯を立てる。薄い肌を破り滲む血の味が、口の中に広がる。びくんと身を強張らせる白い身体が戦士の身体の下で弓形に撓り、腰が跳ねた。皇帝からの命は王族皆殺しであるが、戦場での略奪も凌辱も娯楽として許されている。ずぶ、と戦士の肉槍が王女の牝肉に埋もれていく。声にならない悲鳴をあげながら身体を強張らせる王女の乳房を掴み、腰を抑え込みながらゆっくりと膣を抉じ開けていく快感に戦士は軽く顎を突き出して呻く。ゲヘナでは何人もの女を抱いているが王女の設定の為なのかこの膣は未使用ならではの窮屈で固い感覚が強い。先刻噛んだ肩のものか、今処女を奪った破瓜のものか、城下の民のものか、血のにおいが漂う。膣奥まで肉槍を行きつかせ、そして引き戻す。ぐちょっぐちょっぐちょっぐちょっと至近距離の二人にしか聞こえない撹拌音が見晴台に籠り、炎で炙られた熱風が犬の様に背後から犯され脆弱に鳴き咽ぶ王女の柔肌を炙る。何処かで悲鳴が上がり、何処かで建物が焼け落ちる音が轟く。
 この王国の何が悪かったのか。平和な王国だった。平和過ぎた。外交も交易も問題がなかった。帝国の隣にあったのが運の尽きだった、ただそれだけなのかもしれない。現実に果てしなく近い地獄。人の欲望が剥き出しになる理想郷。ログアウトした人々は現実世界に戻り、そしてまたログインする。脳を騙す仮想空間の記憶を溶かし込まれながら行き来をする。異なる世界では王国が滅びる事もあれば原始人として大地を駆ける場合もあり現実と大差ない謀略もあれば乳児に戻る場合もある。望むままの人生のやり直し。ただ望むままに進むとは限らない。王女の肩越しの城下で死んでいく民もまた誰かのキャラクターである。
「いや……ぁ…っ、いや……っ、おねが……ぃ……やめ……ぁ…ぁ……っ」
「慣れてきたなユーリア」
 現実なのか非現実なのか、夢の中の実感に近いのだろうか、何処かで記憶が混ざる。幼馴染の少女の身体が王女の身体に重なる。ぱんっぱんっぱんっと激しく腰を打ち付けながら嬲る戦士の腕の中で王女の身体がぎこちなく揺れていた。民にも王侯貴族にも愛された末姫が、眼下に裸身を晒しながら犯されて、よがる。甲高い鳴き声をあげる王女の牝肉が僅かに解れ、激しく抉る戦士の肉槍に肉襞が絡み付く。ごう、と熱風が王女の金の髪を巻き上げ、靡かせる。豊かな乳房が一突き毎に激しく揺れ動き、仰け反る無力な王女の鳴き咽ぶ声がほんの僅かに悩ましい艶を帯びていく……。

 三度目の射精の後、和樹はログアウトした。
 凌辱の後は王女を殺すか他の兵士に渡さなければならない、その判断がどうしても出来ずに逃げ出したに近い。
 荒い呼吸を繰り返しながらヘッドセットを毟り取った和樹は、自分の目の前でぐったりとしている優里亜の白い裸体にぎょっとする。身体の各所に付けるユニットはそのままだがブラウスもスカートも剥ぎ取られたその剥き出しの腰は、夥しい精液と愛液と破瓜の鮮血の混ざった薄桃色の粘液塗れになっていた。和樹の部屋のフローリングの上で高く突き出したままの腰がびくびくと揺れ、そして膣口は、直前まで性交に耽っていた証としか思えない孔を広げている…そして和樹の牡肉も同じ潤滑液でねっとりと濡れ、射精後の心地よい脱力感の中半勃ちの状態である。幼馴染の少女の肩にある噛み跡と薄い血に、和樹はそっと少女の身体を揺らしてみる。
「あ……ぁ……ぁぁ……」
 ゲヘナで聞いた王女の喘ぎ声とは何処か異なる、だが同じ声に、ヘッドセットを思わず毟り取る。強制ログアウト。絶頂の余韻からまだ抜け出せず腰だけでなく全身をがくがくと震わせている少女の裸身にいつの間に脱いだのか判らない自分のシャツを掛け、熱くなっている頬を手で解す。
「かずき……?」
「ごめん」
 涙と唾液を垂れ流しにしている幼馴染の悩ましく蕩けた顔を一瞬だけ見そして顔を逸らした和樹に、少女がのろのろと抱き付いてきた。
「も…いっかな……おひめさまたのしかったけど……こっちで。――しよ?」


おまけ

 んはっんはあっと喘ぎ続けていた少女が漸くベッドに沈み込んだのを確認して和樹は細心の注意を払ってその隣に倒れ込む。ゲヘナでの射精が実際ならば三回の射精の後、更に三回…実にきつい。それでも彼女が悦んでくれていたのが救いだろうか。サッカー部で身体は鍛えている筈なのだが不慣れな運動に腰や膝ががくがくと笑いだしそうになっている。
「――ねーぇ……」
 甘えた子猫の様に少女が和樹を見つめている。金髪の王女はとても美しかったが、夕方のオレンジ色の光の中の彼女はとても可愛らしい…恋愛感情とまではいかなかった幼馴染と一線を越えてしまった途端に性別を強く意識してしまうのは現金としか言い様がないかもしれない。
「何、だ?」
「和樹、はじめて?」
 何を言われるか判らず硬い口調で問いかけた和樹に問い返す幼馴染のその口調はやや尖って疑った響きがあった。
「初めてだよ。リアルだと」
「むう」
 ころんと寝返りを打って和樹へと身体を寄せた彼女が首筋に噛みついてきた。

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