テヒリーム(詩篇)
Tehillim (1981)
□ 編成:ヴォーカル、パーカッション、管・弦楽器
□ 演奏時間 :30分
ズレや反復というそれまで作曲者が追及してきた語法から、より古典的な、ポ
リフォニーやカノンと呼びたい旋律の組み合わせの妙というものを追及する方
向へシフトしたことを示す作品。旋律線は長ければそれだけ音の重なり合いは
複雑になり、パート1でのビートとメロディの交錯の素晴しい結果となってい
る。一方でパート2前半での、静的でどこかアルカイックな雰囲気を持った、
曲調もまた、「歌」というものの姿なのだ。
そのパート2は、ライヒ作品初めての緩徐楽章である。これは「歌」が初めて
取り込まれたことと切り離せない関係がある。つまり、テクスト(旧約聖書の
詩篇)を歌うメロディが自然に要求するテンポである。純粋な器楽作品(それ
まで作品で現われた言葉や声は「楽音」以上のものではなかった)を書いてき
たライヒにとっての新しい要素である「テクストとその意味内容」が、ここで
付け加えられることとなった。
□ 収録ディスク
Player(s): Steve Reich and Musicians/George Manahan
Disk Title: "Tehillim"
Label・Year: ECM,1982
Other Contents: none
Notes:
Player(s): Schoenberg Ensemble
Disk Title: "Tehillim,Three Movements"
Label・Year: Elektra Nonesuch,199?
Other Contents: "Three Movements"
Notes:
→"Works 1965-1995"にも上記ノンサッチ盤の同音源を収録。
Player(s): Schola Cantorum Stuttgart
Disk Title: "Atelier Schola Cantorum 5"
Label・Year: Cadenza,993
Other Contents: none
Notes:
世界初演のライヴ録音と思われる音源。この初演時はパート1のみ演奏された。
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