イッツ・ゴナ・レイン
It's Gonna Rain (1965)
カム・アウト
Come Out (1966)
□ 編成:テープ(両作品)
□ 演奏時間 :17分(It's Gonna Rain)13分(Come Out)
二つの同じテープループの同時再生時に起こるズレから生じるぶれた音像の微
妙な変化を聴く作品。「漸次的位相変異プロセス」として後にエッセイが発表
されることになる手法。
テープループによる素材の繰り返しのなかで特に耳につくようになる音が生成
される。このループによる強調効果は例えば、"It's Gonna Rain" での徐々に
引き伸ばされるうちに知覚される「C−A」の二つの音(それは女声コーラス
のような音色で、全曲を統一するテーマにさえ聞こえる)がある。
また、マイケル・ナイマンが指摘する子音の強調、一例として"Come Out"で
の言葉"come out to show them" の太字部分が際だって浮かび上がる現象と
して発見できる。一瞬で過ぎ去る音声が、反復されることによりどのような意
味を新たに持つに至るのか、ここで知ることができる。
(マイケル・ナイマン/椎名亮輔訳『実験音楽 ケージとその後』
水声社,1992 p291参照)
□ 収録ディスク
Player(s): Steve Reich, tapes
Disk Title: "Steve Reich Early Works"
Label・Year: Nonesuch,1987
Other Contents: "Piano Phase" "Clappin Music"
Notes:
*"Works 1965-1995"にも同音源を収録。作品一覧ページ参照。
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