砂漠の音楽
The Desert Music (1984)
□ 編成:オーケストラ(89人)、混声合唱(27人)
□ 演奏時間 :48分(全7楽章)
『テヒリーム』で初めて現われた緩徐楽章と、対比される速いテンポの楽章の
配列は『18人』以来のアーチ構造によってなされる。
第1楽章 速く
第2楽章 中庸に
第3楽章(パート1)ゆっくりと
第4楽章(パート2)中庸に
第5楽章(パート3)ゆっくりと
第6楽章 中庸に
第7楽章 速く
その『18人』でまさに音楽の基盤となっていた打楽器・鍵盤打楽器によるパ
ルスに導かれてオーケストラと合唱が演奏されるが、100人を超える演奏者
を必要とする作品としては音像の見通しがクリアなのは、まさに打楽器の持つ
音色の輝きと肥大しない短い音価とによって響きが縁どられていることによる
のだろう。ライヒのオーケストレイションは、マリンバやビブラフォンなどの
マレット楽器の使用によって、独自性を得ているように思える。
テクストを持つ音楽は、その扱われる長さと旋律との関係が不可分のものであ
り、短い断片は最初期のテープ作品(60年代後半)、そして後の『ディファレ
ント・トレインズ』(1988)や『シティ・ライフ』(1994)に再び現われる。
一方長いメロディ・ラインを書く動機となった『テヒリーム』(1981)に始
まり、この『砂漠の音楽』(1984)、そして最近の『プロヴァーブ』(1995)
がある。ライヒは言葉の扱いに応じて、作品の性格をはっきりと使い分ける。
創作年代をおおまかに見れば「短・長・短」とシンメトリカルな変遷がある。
対称的と言えば、アーチ型の「WCW」のイニシャルを持つ、詩人ウィリアム・
カロウズ・ウィリアムズのテクストがここでは用いられており、作曲者自身は
このイニシャルに少なからぬ意味を見い出しているようだ。
□ 収録ディスク
Player(s): Steve Reich and Musicians
with Cho. and Members of the Brooklyn Phil.
Michael Tilson Thomas (cond)
Disk Title: "The Desert Music"
Label・Year: Elektra Nonesuch,1985
Other Contents: none
Notes:
→"Works 1965-1995"にも上記ノンサッチ盤の同音源を収録。
Player(s): BBC Symphony Orchestra
Michael Tilson Thomas (cond)
Disk Title: "REICH/The Desert Music/ADAMS/Shaker Loops"
Label・Year: Carlton,1996
Other Contents: none
Notes:
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