第三節 基本単位系とその他の単位
他の人に数値を伝える場合、単位をそろえることは重要です。単位が統一されていないと、例えば自分の身長を伝えるとき、160cmと言うか、1.6mと言うか、はたまた5尺3寸というかで印象が異なり、いちいち単位計算をしなおさなければなりません。というわけで、国際的に以下の単位が基本単位系として提唱され、使われています。なんでgじゃなくてkgなのかは知りません。
長さ | メートル(m) |
質量 | キログラム(kg) |
時間 | 秒(s) |
電流 | アンペア(A) |
温度 | ケルビン(K) |
物質量 | モル(mol) |
角度 | ラジアン(rad) |
また、物理に出てくるほぼ全ての単位は、上に出てくる基本の単位を組み合わせて作られています。高校範囲で出てくるものは下に一覧として示しておきます。この表は覚える必要はないです。それぞれの用語の定義を知っていれば導けるはずです。
速度 | m/s |
加速度 | m/s2 |
力 | N=kg・m/s2 |
モーメント | N・m=kg・m2/s2 |
運動量 | kg・m/s |
仕事 | J=N・m=kg・m2/s2 |
仕事率 | W=J/s=kg・m2/s3 |
エネルギー | J=kg・m2/s2 |
熱量 | J=kg・m2/s2 |
比熱 | J/(kg・K)=m2/(s2・K) |
熱容量 | J/K=kg・m2/(s2・K) |
圧力 | Pa=N/m2=kg/(m・s2 |
角速度 | rad/s |
振動数 | Hz=1/s |
電荷 | C=A・s |
電位 | V=J/C=kg・m2/(s3・A) |
電界 | V/m=N/C=kg・m/(s3・A) |
電気容量 | F=C/V=s4・A2/(kg・m2) |
電気抵抗 | Ω=V/A=kg・m2/(s3・A2) |
磁束 | Wb=kg・m2/(s2・A) |
磁束密度 | T=Wb/m2=kg/(s2・A) |
インダクタンス | H=kg・m2/(s2・A2) |
このように基本の単位を組み合わせて作った単位については、単位を換算する必要がありません。つまり、これらの単位を使っている限り、公式に数値を代入して、そのまま計算してよく、あまり単位のことを考える必要がないということです。
逆にいうと、これらの単位以外では単位の換算が必要となるということです。そのような単位は下に挙げておきます。なぜこんな面倒な単位が存在するかというと、上に出てくる単位は人間が決めた人工の単位なのに対し、下に出てくる単位は自然現象を測定することによって出てくる自然の単位、もしくは歴史的に決められた単位だからです。しかし、このような単位は数が少ないので、これだけを覚えて、これが出てくるときにのみ単位換算をして、他の場合には換算の必要がないともいえます。
温度 | ℃ | 0℃=273.15K |
熱量 | cal | 1cal=4.2J |
圧力 | mmHg | 1mmHg=133.322Pa |
圧力 | atm(大気圧) | atm=760mmHg=101325Pa |
力 | kgw(kg重) | 1kgw=9.8N |
エネルギー | eV | 1eV=1.6×10-19J |
体積 | L(リットル) | 1L=10-3m3 |
時間 | min(分) | 1min=60s |
時間 | h(時間) | 1h=3600s |
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