2003年11月 9日 |
HARIの私的考察 |
事実をつなぎ合わせても真実にならない事に関する私的考察 |
「事実を繋ぎ合わせても、真実にはならない。」 こう言われ、「そんな事はありえない」と否定する人は、インターネットの情報に惑わされ、真実を掴めないのかもしれない。 |
インターネットの普及により、様々な情報が容易に入手できる時代となった。 かつては専門的なグループ等に所属していなければ知り得ない(又は入手困難な)情報すら「その気」になって探せば(有償の場合も多々あるが)入手できるのだ。 だが、そうやって「あなた」入手した情報が必ずしも「事実」でない事がある。 そう、憶測・推測・想像・虚実・嘘・偽りの情報も、「正しい」情報同様に氾濫しているのだ。 (このサイトにも、事実と異なる情報は”意図的に”多数公開している。) 幸いにして、「あなた」が「事実」の情報を入手できたとしても、注意しなければならない事がある。 同じ事柄に対して複数の「事実」の情報を繋ぎ合わせても、真実に成りえない場合があるからである。 正確に言えば、「個々の事柄」は事実であっても、それを繋ぎ合わせ「あなた」が導き出した結果は「真実」とならないケースがあるのだ。 例をあげよう。 これは、実際にあった「旅客機のニアミス」についてHARIが「信頼のおけるニュースサイト」(いわゆる、報道機関系ニュースサイト)の情報を収集した結果である。 ・旅客機のパイロットは、管制塔に「軍用機と思われる航空機とのニアミスが発生した」と報告した。 ・ニアミスが発生したのは、太平洋上空である。 ・ニアミス発生当時、付近の海域では米軍の航空母艦が演習を行なっていた。 ・パイロットは、軍用機を「米軍のF16戦闘機」に似ている機影であった、と報告している。 ここまでの情報に偽りや誤りは無いとしよう。 この記事から、どんな事を「あなた」は結論付けるだろうか? 普通の人は、こう結論付けるだろう。 「旅客機は、付近で演習中の米軍航空母艦に搭載しているF16戦闘機とニアミスした。」 これは、誤りである。 HARIがこの記事から導き出した結論は、 「旅客機は、F16と思われる戦闘機とニアミスした。」 そう、これだけである。 米軍の航空母艦は関係ない。 HARIがこの結論に至った内容を解説しよう。 1.F16戦闘機は米空軍所属である。 2.米海軍にF16戦闘機を運用している航空母艦は存在しない。 3.F16戦闘機と似ている機影は、米海軍には存在しない。 「パイロットが機影を見間違えたのかもしれないじゃないか」との反論もあるだろう。 確かに、全ての旅客機パイロットが軍用機に詳しい訳ではない。 だが、ここでHARIは以下の「推論」を行なった。 1.パイロットは管制塔への報告で「F16」と具体的な機種を報告している。 したがって、パイロットは「F16」の機影を知っていた。 2.F16戦闘機は単発エンジン・垂直尾翼1枚であり、この時点で米海軍が航空母艦で運用している戦闘機(F14、F18)は全て双発エンジン・垂直尾翼2枚であるから、「F16と機影が似ている米海軍の戦闘機」は存在しない。 3.航空母艦搭載の航空機で、F16に似ている機影の航空機は存在しない。 「そんな情報どこにも書いていないし、そんな事しらないよ!」 その通り。 ニュースサイトに記載されている内容は全て事実であったと仮定しよう。 その事実を「そのまま」繋ぎ合わせても真実にはならない。 情報の上辺だけで判断すると誤った事になってしまうのだ。 ましてや、インターネットの情報(特に、個人サイトの情報)は「何処までが事実で、どこからが推測」であるか判断つかない。 最近は、インターネットの普及によって「大量の情報」が洪水のごとく渦巻いている。 その中から「自分が必要とする情報」を正確に得る事こそ、インターネット情報戦を制するスキルである事は間違いない。
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