1995年2月、改版カタログより。
Feb.1995. Delivery catalogue.(C)MAZDA
1.porscheによるスタイリング
ランティスのエクステリアデザインはMRE(ドイツ、
オーバーウァゼル市のmazda車デザインセンタ)
によって発案されている。
当時のMREのチーフデザイナーは、porscheにて
924、928、944のエクステリアデザインを手がけてきた
人物であることが判っている。
当時のランティスのデザインコンペにてMREはいくつか案を
出しており、その一番良いものがランティスクーペに、
次点がファミリアNEOに採用されている。
ここで注目すべきはMREの提案の質の高さであり
チーフデザイナーがporscheにいた頃からアイデアは
あったのではないかと推測できる。
そういう意味からするとランティスはまさにporsche
によるスタイリングとも言えるのだ。
2.porscheチューンのエンジン
ランティスに搭載しているKF−ZE型エンジンはクロノス用に
開発されたものと型番は同じだが、実際はランティス用にかなりの
手が入っている。
出力としては160psが170psになり、レブレンジが
500rpm上がっただけに見えるが、このランティス用V6の
チューニングをporscheが行ったという噂は広く
知られている。
porscheはこのような同業他社への技術支援は積極的に
行っており、噂だけでない可能性は高い。
当時、mazdaは2リットルと1.8リットル(プレッソ用)の
2つのV6エンジンについてporscheからの技術支援を受けて
いたようだ。
もう一つは1.8リットルの直4ユニット(BP−ZE)だが、
これについては旧ファミリアのものを改造する際のporscheの
協力はない模様である。
とはいうもののレースに使っているのは今やこちらのユニット
であり、V6オーナーは複雑なところだ。
3.ニュル育ちのシャシ
このころの高性能日本車はなぜかニュルブルクリンク・サーキット
でのシャシチューンに傾倒していた。
まずはニッサンの「BNR32スカイラインがやった」というのが
流行の始めだろう。なぜBNR32がニュルを使ったかというと
BNR32の目標がporsche944を超える究極のFRを
作ることだったからである。
porscheの社外テストコースとしてはニュルがよく知られており
ニッサンの開発陣はそこに狙いをつけたのだろう。
実際、porscheのテストチームと同じ日にやったこともあった
らしく、最初は無視されていたもののスーパーラップを出すごとに
porsche側も意識しはじめたとのことである。
NSX、インプレッサなどと同様、ランティスもmazdaシャシの
新基準を作るということでニュルでの走り込みによってチューンされた。
走りの方向はporscheと同じなのである。
1995年7月、改版カタログより。
Jly.1995. Delivery catalogue.(C)MAZDA
1996年8月、改版カタログより。
Aug.1996. Delivery catalogue.(C)MAZDA