■Racing. レーシング・ランティス
mazdaランティスが売り出された頃、日本のツーリングカー
レースは変貌を遂げようとしていた。
BNR32GT−Rの圧勝となっていた2ドアのレースを止め、
イギリスやドイツで評判を取りつつあった4ドアでのレースに
しようという話が持ち上がってきていたのである。
2l、6気筒までのエンジンを持つ量産4ドアという
レギュレーションは、ランティスにとって好都合であった。
イギリスでは既にeunos500(英名xedos)が
そのV6エンジンを300馬力以上にチューンし、ここ一発の
速さを見せていたのでエンジンの見通しは明るかったし、
ランティスの高剛性ボディはロールケージでの補強をする
だけでCカーに近い剛性感を出せるとのことだったからだ。
実際、寺田陽次郎によるシェイクダウンではかなりの好感触を
得ている。
2輪のマイケル・ドゥーハンのヘルメットを思わせるカッコイイ
カラーリングであらわれたレーシング・ランティスは
我々の期待以上の活躍をするかに見えた。
ただ、クロニクルのページで説明したように
当時のmazdaは販売を伸ばすべく必死でありレース活動を
全面的に支援する余裕は無かったのであろう。
実際に、WRCでかなりの好成績を収めていた
323GTX(ファミリアGT−X)の
エボリューションモデルである
323GTR(ファミリアGT−R)
を発売し本気でタイトルを取ろうという所だったのにも関わらず、mazdaは
その年よりWRCから撤退している。
WRCといえばランチア/ファミリア/セリカだった頃に、ファミリアの
ブランドイメージを損ねてまでの撤退は(IMSAでRX−7を撤退するのとは
販売に与えるレベルが違う)「レースをしている場合ではない」という
mazdaの姿勢を印象づけている。
撤退はしたものの、mazdaはこの323GTX/GTRにて
コンベンショナルなマクファーソン/ストラット式の
サスペンションをFFベースのグッドハンドリングに仕立て上げる
コツというかポイントを完璧に押さえることができた。
まさに長いラリー参戦から得た究極のグッドハンドリングなのだが
これがそのままランティスに活かされているのは言うまでもない。
TOYOTAのスーパーストラット、NISSANのマルチリンク
(先代プリメーラ)と並び、世界最高のFFシャーシと言われていたのは
有名な話である。
とは言うものの、V6のマウント位置の問題など有ったようだが、
レーシング・ランティスは資金不足より華々しい活躍はできないまま
数シーズンを戦い、96年8月現在、既にmazdaspeedは
ランティスでのレース参戦を取りやめてしまったように見える。
終盤においてはメインがファミリアセダンということもありエンジンを直4に
喚装したとともにカラーリングも微妙に変化した。
(キャメルイエローのような色の車両も存在した)
(マイケルドゥーハン色、またはイエローカラーのレーシング・ランティスの写真
どなたかご提供願えませんか?)
ただ、レーシングランティスのドライバーであった寺田陽次郎氏は
ファミリアセダンでいまだ参戦しています。
(787Bの成功の立役者ですし、1度でいいからランティスをトップで
チェッカーさせて欲しかったのですが)
なかなかポイント圏内に入れないようですが皆で応援しましょう。
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