ラ ン テ ィ シ ェ L a n t i s c h e ラ ン テ ィ シ ェ L a n t i s c h e ラ ン テ ィ シ ェ L a n t i s c h e

■ネクストワン(Next One)

・・・1997年1月時点での予測・・・


mazdaランティスは、’97年1月現在、現行モデルが基本的には ブランニューであり第一世代のクルマである。
1993年8月の発売開始から、あと半年もすれば4か年が経過する。
昔と違って、日本車のフルチェンジのサイクルも4年が絶対ではなくなって おり、次期ランティスがあるとしても、4か年でのフルチェンジではないと 予想される。
おそらくは、現行ファミリアまたはカペラのフルチェンジの時期がXデー であろう。(97年8月頃)
ランティスの販売実績は、海外で抜きんでており(逆に言えば国内は お手上げだ)輸出323のモデルチェンジ時に、ランティス/アスティナ・ クーペ含めて車種整理されるのだろう。
2月半ばでの国内版の噂としては、1997年3月にラストオーダーとなり 梅雨を迎える前に生産中止という話もある。
(編注:97年5月にそれは現実となった)
そんな話が信憑性を帯びるほど国内販売は不調である。
そんな国内を尻目に好調な海外では323Fの継続販売とのことであり、 夏以降に新車を買いたい場合は、輸入に頼るしかないかもしれない。



ただし、MREが手がけたような「Mazda」の「私たち好みの323F」 がいつまで続くのかは分からない。
FORDエスコートをベースとしたバッジモデル→323Fになってしまう という噂も有り、予断は許さない状況である。


'93〜'97モデル (1993-1997 Mazda Compact cars)

国内(Domestic)海外(Overseas)
ファミリア neo (Familia NEO)/3HB323 coupe
ファミリア セダン (Familia sedan)323 sedan
ランティス クーペ (Lantis coupe)323F/lantis/astina5doorHatch
ランティス セダン (Lantis sedan)lantis/astina4doorHardtop(一部地域)

次期モデル予想 (Aug.1997-)

国内(Domestic)海外(Overseas)
×ファミリア neo (Out! Familia NEO)323 coupe
ファミリア 3HB (Familia 3HB)323 3HB
ファミリア セダン (Familia sedan)323 sedan
ファミリア クーペ? (Familia coupe?)323 sport/Rally?
×ランティス クーペ (Out! Lantis coupe)323F (Keep) →フルチェンジ&国内投入無し。海外は継売。
×ランティス セダン (Out! Lantis sedan)Out! 生産/販売中止
カペラ セダン (Capella sedan)626(Based New323 chassis?)
カペラ 5HB (Capella 5HB)626(Based New323 chassis?)

次期ランティスが有るのであれば、もうデザインワーク等すでに終わってしまって いるので、ここで色々言ってもあまり意味はないのだが、 本物のデザインワーク自体がお蔵入りの可能性も あるので色々推測&希望を含め考察してみる。

スタイリング/エクステリアデザインは モダンポルシェの流れを汲んでいる、という話はなぜ ランティスを選ぶかで説明した。
ランティスの進化を考える上でキーとなるクルマは、
porcshe911(996)
であることは間違いない。
ビッグバンパーの911をベースに924や928がデザインされた ように、996でのデザイントレンドはランティスへ反映されるだろう。
または、

GT−1の要素を取り込んでという手もあるかも知れない。
ただし、ランティスはロー&ワイドというよりは、少し腰高で ボディの塊感を押し出した中で流麗にまとめるというスタイリング を継承していった方が良いのではないだろうか。
そうすると、やはり996の方向と思える。


編者が個人的に気になるのは、Audiが1991年に発表した

AVUS Quattoroである。
Audiといえばporscheの息がかかっているのは ほとんど当然ということから考えても興味深いスタイリングである。
この個性の固まりのようなモデルから、ランティスの今後のデザインを 考えてみる。
to be continued..



・・・1998年4月時点の状況・・・


1997年5月の国内撤退を期に、次期「ランティス」は無くなった。
ファミリアが1998年5月にフルチェンジを控えており、その ラインナップに5ドアはあるようだが、スポーツ色の強い「ランティス」的な モデルではないらしい。
「アスティナ」名の復活についても不明である。
ただ、海外向け323F/Astina(ハッチ)を棄てるわけにはいかず 何らかの形で「スポーティなファミリア5ドア」は出てくるかもしれない。
ただしそれはファミリア5ドアであってランティス開発陣のフィロソフィを 受け継ぐものではないだろう。

2輪の話ではあるがYamaha開発陣が「TZR250(初代)に込めたものは OW71(YZR500)のフィロソフィだ」という発言をして以来、 編者は「フィロソフィ」という言葉が好きだ。
現在のランティスオーナーは、ランティス開発陣のフィロソフィに触発され、 または共感して「お気に入り」になっているのであって、 「マツダのファミリアグレードの5ドア」または「ランティス」という名前に こだわるわけではないはずだ。

フィロソフィを引き継ぐクルマを見つけるのは思うより困難で、 スカイラインBNR31、プリメーラ(二代目)というように(いつも引き合いに出して 申し訳ありませんが)メーカーや名前や車格が同じということには何の意味も無い。
例えば伊藤主査がBNR32に走りとしてのスカイラインのフィロソフィを 吹き込んだように、理想を具現化する突出した才能と熱意(あとお金?)が必要なのだと 考える。

編者としては、どうしようもないコンディションになるまではランティスに乗り続けたいとは考えているが、 現実問題として、がんばっているオーナーとしても、あと5、6年すれば 買い替えはしかたがない状況に追い込まれる。
このコーナーでは、再び、強い思い入れができるようなクルマとつきあっていけるよう、 買い替え候補となりそうなクルマがあれば取り上げていこうと思う。
★「このクルマは良さそうだ」、「これに買い換えて正解だった」といったお話があれば Lantischeまでメールお寄せください。


・・・2002年6月時点の状況・・・


1998年型ファミリアは、国内ではランティスの後継とはならずワゴンへ推移したが、 ついに、マツダは、ランティスタイプの新車を発売した。
アテンザという車名は、どうにもトヨタ風でマツダらしくない感じではあるが、

− 5doorクーペ
− 4doorセダン

をラインナップしたミドルクラス、ということで、ランティスが出たときのイメージが 喚起されること十分である。(最終的にはワゴンタイプも追加される)
海外ではMazda6というネーミングになるとのことで、323F後継ではなく Xedos6の後継かも知れない。
ヘッドライトはディスチャージが選べるが、そうすると樹脂カバーが熱に耐えられない ということで、横に並ぶライトの中のフォグはダミーとなる。 マルチリフレクタータイプではなく、プロジェクタータイプなのは好感が持てる。

・・・なんにしろ詳細は、マツダのHPや雑誌類にまかせるとして、ここでは、

「アテンザはランティスへのニーズを満たすのか?」

という点につき、編者のアテンザ試乗の感想を踏まえて考えて(私感)いこうと思う。

■試乗記

流山のココスでご飯を食べていると窓越しにマツダディーラが見えるが、その日、編者の目は ディーラのウィンドウ前雛壇にドーンと置いてある黄色のクルマに注目することとなった。
アテンザである。
チラシやらなんやら事前から情報は入っていたが、実際のところ編者はあまり興味が無かった。
紙面で見る分には、ホンダとトヨタがいわゆる若向けに作るつまらんクルマにそっくりで おもしろくもなんともなかったからである。
ただ、遠めにでも、その実車はなんとなくオーラを発していた。なんだか目についてうるさいのだ。
「黄色は好きな色だからかな、、LP400も黄色が一番だもんな。。」なんて思いながら ココスを出てディーラに向かう。

近くで見るとその黄色は圧倒的であった。その黄色はザガートSZの黄色と同じオーラで 編者を誘うのだ。
前傾クサビ型で、わらわらと小径ランプが横に並んだ切れ長の目、の黄色、ということでSZの イメージがあるのだろうと思った。
ディーラの人は私は始めて見た人だったが、こちらから言わなくてもちゃくちゃくと試乗の準備を 進めてくれている。わかっているのである。するどい人だなぁと感心する。
リアのフェンダーからリアサイドウィンドウ周辺に押し出しが集中したボディパネルは、後半部に関しては アルテッツアを思わせる。販売グラフがアルテッツア的に急上昇後の急降下とならないことを祈る。
長男を隣、ディーラの人を後ろに乗せて、流山側に走らせる。「勝手に走っちゃっていいんですかね。。 試乗コースとかあるんですよね」と聞くと「ホントはコースがありますが、好きに走ってくれて良いですよ」 とのお答え。わかっているのである。いい人だなぁと感心する。

流山街道側に走らせたところで、計器類のライトが燦然と光っているのに気づく。これが昼間の 状態なのである。ためしにスモールを点けると計器は減光する。ピンクがかったアンバーで派手だが 見難くはない。ドライバーズシートからの眺めはとにかくゴージャス。
シフター(現時点ではAT車しかない。10月にMTが出るとの事)を良く見ると・・びっくり。
ティプトロニック付きなのである。(正確にはティプトロという名称ではないかもしれないが)
AT嫌いな編者には当然初体験のもので、Dレンジなんかに入れている場合ではないのである。
7Km/h以下になると自動でLoに落としてくれるが、それ以外は人の言うことを聞く、という プログラムになっているようで(レブオーバーがどうなるかは不明)引くとUp、押すとDown なのでバイク乗り(サーキット仕様は除く)やMTの人にも違和感が少ない気がする。
個人的には、+−してから実際にシフトチェンジするまでの1秒程が惜しいと思った。
定速で走らせているときに+−してもシフトショックなしでビッチリ回転数を合わせて来るのが 憎らしい。私の右足より優秀である。

ステアリングのアシストはランティスの5倍ぐらい効いている感じ。これはディーラさんも ランティスに乗っていたそうで同じ感想だった。風邪ひいたりして弱っているときには大助かり である、が、少々軽薄である。(ファミリア・スポーツワゴンよりはいいかもしれない)
どうせCPU制御満載なら、アシスト量のHi/Lo切り替えできると良いのではと思った。
道は混んでいて、ハンドリングがどうの、、ということは判らなかったが、「ビターっ」と 張り付いた感じはランティスと違和感は無いし、路面からの突き上げがかなり抑えられて乗り心地は 上質である。
ランティスとの最大の違いは、乗車位置(感)の高さ、である。ユーノスロードスターからランティスに 乗り換えたときの「二階から運転している感じ」がしばらく続く。
ランティスとアテンザの違い・ランティスオーナがアテンザに乗り換える際の障壁、は、この1点に 尽きるのではないだろうか。
シートを替えれば同レベルにできるのかもしれないが、惜しい1点である。
正直言ってアテンザ自体の出来はとても良いと思う。実際、試乗後、自分のランティスに乗ると、

・まず、全体を見渡して「ランティスってこんなに地味なクルマだったかなぁ」
・次に、車内を見渡して「ランティスってこんなに貧相なクルマだったかなぁ」

と感じること請け合いである。

・次に、エンジンをかけ走らせると、、、

そこにはクルマと人との濃密な関係がクッキリと浮かび上がる。
フレームやサスペンションの進化は何かをつれてくるが、その上前として必ず何かを連れ去る。
それは、アスティナがランティスに進化した時にも形を変えて存在した。
乗り手が望む関係を選べば良いだけのことなのだ。



1998年型ファミリアは、こんなこと考えようともできないものだったので、そういう意味からすると 既にアテンザはランティスユーザの心を揺さぶっているのは事実としてあると思う。
新しい船乗りが新しい船に乗って新しい海に漕ぎ出す、という話はアテンザにふさわしいし、 ランティス乗りだってどんどん新しい海に漕ぎ出すべき時期が来ているんではないだろうか。
もし、路上に多数増殖して景観を乱している、バスみたいなクルマに乗って醜態をさらすのであれば、 アテンザに乗ってくれれば良いのに・・・と切に思う。





Editor's HOME HOME