科学肥料・農薬の使いすぎを見直す動きが広がっている。
科学肥料や農薬は生産性を向上させるが、地力が低下して、より多くの肥料・農薬を使わざるを得なくなる悪循環を招いている。
有機農法は消費者の健康志向を反映した動きと見られがちだが、そればかりではない。農作物が自然の力で育つ土を作ることが根底にある。
農水省は「有機食品の検査・認証制度検討委員会」を設置認定制度をスタートさせる。92年に有機農産物の表示に関するガイドラインを作成したが、認定機関も虚偽表示を罰する規定もないため、生産者や消費者から実効性を疑問視する見方が多かったことに対応する。
有機栽培をうたった農産物が本物なのか。真偽を見分ける認証機関の役割は重要だ。
農水省のガイドラインがあいまいだったこともあり日本の認証団体は米国のOCIAなど、海外の認証団体の活動を参考に独自基準を策定したものが多い。
米国の認証団体も横浜市内に日本事務所を開設する。日本の有機農家や食品メーカー・流通業者などを対象に日本での認証業務を行う。日本の高温多湿な風土は、欧米と異なり、病害虫が発生しやすい。このため欧米基準を参考に日本独自の事情や気候も配慮して柔軟に審査するという。
=1999/01=