花の世界で最近盛んになってきたのがイングリッシュガーデンである。
切り花の家庭消費が増えてくるにつれて、それに満足できなくなって、自分の庭でつくる。
あるいはマンションの出窓やベランダに小型温室を作り、きれいな花を眺めるのと合わせて、ほのかな香りを部屋に閉じこめ、自分の生活を楽しむ。
主役の一つが「バラ」である。バラの品種は色がきれいだとか、花数が多いこともあるが、芳香も関心の主役になる。
甘くて高貴な香りが部屋いっぱいに広がる。その満足感は従来になかった生活の豊かさをかもし出す。
ちょうど合う品種は、19世紀のヨ−ロッパで作り出された、オールドローズ。
バラの歴史は古く、紀元前にさかのぼる。ギリシャやローマ時代の彫刻に刻まれているのを見ても分かる。
しかし、改良が飛躍的に進んだのは19世紀でナポレオンの妻、ジョセフィーヌが熱狂的な愛好家だったことに由来する。
現在関係者間でオールドローズと言われているもののほとんどは、この時代にできたものである。そこで、香りを楽しむ「ハーブ」も人気を呼んできた。
世紀末には、暗い世相が支配的になるといわれている。ガーデニングとハーブがブームになってきており、香りと花の人気上昇中。
今、花をどんどん増やし明るく21世紀に移りたい。
=1998/02=