2人目は柏木月音。
真星シナリオとは違った意味で問題があります。というかですね、本シナリオをプレイしながらふと思ったんですけど、この「Clover Point」というゲームは萌えゲーという括りに入るのか、と。マニュアルを読むとキャラクターの可愛らしさにこだわったとか書いてあるのでやはり萌えゲーなのでしょうか。もしそうであるなら、やはり問題と言わざるを得ません。
すでに書いたように舞台劇と期末テストが共通シナリオでこれが終わると個別シナリオへ移行します。つまり、この間にキャラクターの顔見せから世界観に馴染み、(感じられるなら)萌えを熟成していきます。その後、選択肢が現れて目当てのヒロインのシナリオに入ります。
柏木月音というキャラは女子の寮長で最上級生。成績優秀で素行も良く教師からの信頼も厚い。下級生からも慕われていて、舞台劇では監督として全員をまとめました。主人公にとっては幼い頃からの知り合いで2人の時には気軽に月姉、祐真と呼び合う仲。頼れる姉貴といったところ。
ところが、です。シナリオを逆から読むと月姉のこんな姿はてんで駄目だと言うのです。こんな姿は本当ではなく、それどころかちゃらんぽらん教師からも心配されるような姿であると。個別シナリオに入る前のヒロインの姿が不合格というのは萌えゲーとしてはどうなんでしょうか。プレイヤーとしてはそこで判断するのではないの?
個別シナリオに入ってからも問題は続きます。真星シナリオのような主人公のヘタレ恋愛モードかと思えばあっさり恋仲に。姉と弟のような立場による葛藤とか全くありません。ポジションによる意味はほぼないかと。
恋仲になって以降、ある理由もあって月姉の態度は一変。バカップルという言葉では片づけられないような所業に邁進していきます。寮内という閉鎖空間において配慮なんて言葉など初めから知らないとばかりに性行為三昧。寝食を忘れたように3日連続です。周囲からの視線も言葉も完全無視。ついでに寮長その他の生じる責任も完全放棄。主人公が控えようと提案してもそれでも聞く耳持たず。主人公も主人公で結局はどれだけこなしても快楽優先なので、他ヒロインたちは腫れ物にさわるように話しかけてくる始末。
個人的には恋愛観が合わないなんて問題ではなく。正直、不快な気分にしかなりませんでした。少なくとも萌えゲーですることなのでしょうか。肝心の理由も持てる者の傲慢としか私には見えませんでした。
ようやく次の展開に進んでも無闇矢鱈と負の感情を撒き散らすヒロインという構図は少しも変わりません。これがスタッフの言うヒロインを可愛く見せる努力なのかなぁ。
3人目は小鳥遊夜々。
こちらは大丈夫だろうと思って望んだらとても甘かったと思い知らされました。夜々シナリオも月音シナリオとある意味においてすごくよく似ています。もう書くまでもないでしょうがカップルになって以降の態度の変化です。
とにかく恥という感情を知らない。他者の視線を気にしすぎるのは問題ですけど、全く気にしないのはもっと問題です。夜々さんは発情期のネコのように起きている間はお兄ちゃんと密着し、Hすることしか考えていません。教室でいちゃつくなんてのは初歩中の初歩。意図してクラスメイトを挑発しているくらいです。
中盤になると実は2人が兄妹であることが発覚。主人公は距離をおこうとしますが夜々さんはお構いなし。あまりの攻勢に主人公が困り果ててHを断ると寝ている間に襲いかかってきます。意識があるかどうかはそれほど大きな問題ではないようです。萌えのわからぬ私には理解しかねますが、こういうのが最近の萌えなんでしょうか。
終盤になると急展開。それどころではなくなります。紆余曲折の末、障害は解決しますがそのまんまエンディングへ一直線。2人の間の平行線は事実上なかったことになっています。
ここまで3シナリオを終えて率直に感じるのはエピローグがあまりうまくないということ。尺は短いというのにダラダラ感が強く、何をやっているのかよく分からない時もあります。起承転結の「転」から一気に「結」になだれ込む手法のせいもありますがどうも余韻にひたるという雰囲気ではありません。印象にも残らないのはちょっと問題かと。
どうやら年内に「Clover Point」は終わりそうにありません。明日は恒例の個人的エロゲーランキングをやろうかと。
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