「いな☆こい!」体験版。TGVer。
ゲームには収録されない1.5章、セーブ機能なしというだけあってボリュームはすこぶる控えめ。1時間程度で終了します。
シナリオはなかなか変わっています。ヒロインがお稲荷様であったり、狛犬の神様であったりというのももちろんですが、呪いでモテモテ状態にあり、そのために主人公が生活に疲れてしまっている、というのは面白いです。せっかくヒロインと同居していても食事を作るのは自分だし、幼なじみは団子部と称する新手の嫌がらせで金銭を搾取するし、洒落にならないほどのバイオレンスを振るってくるし、甘やかせの先輩は不幸を呼び寄せるし、とさすがはサブタイトルが「お稲荷様とモテモテのタタリ」なだけあります。
そんな訳でモテモテ状態にあってもあんまり幸せそうに見えない主人公はヒロインたちにちっともなびきません。それが逆に新鮮でちょっといい感じ。そんな主人公の気を引くためにお稲荷様ヒロインは特殊な力を使います。生活に潤いの欲しい主人公は妹のような、けれど妹ではない食事も作れて暴力も振るわない娘さんを希望します。なんかデリヘルみたいですね。
そうして異界から連れてこられたのが狛犬の神見習いのヒロイン。2日間だけの出会いで、因果律があるから別れれば記憶はなくなってしまいます。まー、有体に言えばそうしないことには2章で会った時に初めまして、にならないからなんですが。いくら覚えていないからって刹那の別れすぎ。
ヒロインの反応も新鮮だったりします。主人公が自分に萌えないことを嘆くヒロインなんて初めて見ましたよ。しかも、口に出してますからねぇ。この開き直りっぷりは全く現実的でないけれどもひとつの売りになりますよね。
CGというか原画はまだまだこなれていない印象を受けます。それなり以上に可愛い絵を描く方ですが量産はまだ板についていないのかも。立ちCGもイベントCGも可愛いものとそうでないものの差が大きいような気がします。特に前者はちと気になるレベル。
意欲的な佳作って印象なんですが、悲しいかな個人的には発売日が悪すぎます。競合タイトルが1本ないし2本延期しない限り買えないでしょう。
「げんしけん」8巻。
てっきりこれが最終巻かと思っていたのですがさにあらず。ではどうなっているかというと掲載されているのは一段落する47話「set eyes on」まで。そこから2話を完全描き下ろし。笹原、荻上のその後が描かれています。最終9巻も雑誌掲載分は3話しかないので、2話もしくは3話分が描き下ろされるのではないかと。講談社にしては異例ではないでしょうか。原稿料は出ているんですかね、コレ。普通は描き下ろし分は出ないと聞きますが。
巻中描き下ろし:いかにも大野さんが帰国子女及び腐女子らしい発想でいい感じ。や、普通に考えれば最低でも修学旅行や林間学校などの類で一緒のお風呂に入るでしょ。こういう時に入らないのは別にオタが理由ではないだろうし。まぁ、妄想だからなんでもいいんでしょうけど。
第45話その後:旅行時の日曜朝のお子さま系番組ですが、ぶっちゃけた話として文科系であればあるほど今でいうなら仮面ライダーカブトが終わるくらいまで誰も起きてこないんじゃないですかね。それこそ朝練みたいなのでもない限りでは。スキーとか行った時でもむしろ起きなくて困るくらいですよ、個人的には。録画しているのに暇潰しに見ているくらいだし。そして、食事の時間が終わりそうになっても起きないからそれでようやく起こすと。女性陣がいる時はなお困ったりも。普段起きる人も酒が入っているとまず起きない。迂闊に部屋にも入れずとても困ると。旅先で寝起きのいい人なんてクラス単位でも1〜2割しかいないような。そこに酒が入るわけだから……。
第47話その後:「エロゲーは役に立ちますか?」の問いですがこれはなんか笹原と斑目の言っている意味が違うようにも見えて面白い。笹原は恋愛の展開そのもののことを言っているようですが、斑目が聞いているのはそういうことではないのでは。45話「夢酔い」のモノローグを見ても役に立っていると言えないこともないし。成就後も48話「放課後デート倶楽ブ」で活用してますしね。
「リアル」の方を見ると笹原のことはやはり意外と描かれていなかったのだな、と改めて思います。コーサカならわかりますが、笹原もそこまでエロゲーが好きだったんですかやっぱり、というような。つーか、同人誌の方じゃないの? と。会長になって以降ってオタク度が下がって見えていましたからねぇ。
第48話「放課後デート倶楽ブ」:これですよ、これ。47話「set eyes on」を読んだ人間が何を見たかったって2人の変化していく関係の変遷、平たく言えばイチャイチャするところが見たいんですよ。素晴らしい。
見事なまでにエロ親父化していく大野さんが香ばしくて素敵です。自分の時のことなんて冥王星(時事ネタ)の彼方まで投げ捨ててますよ。ところで大野さんのお召しになっている服はなんだかエロゲーみたいです。
デートする必要ない発言。推測ですけど、笹原のことですから最初はデートしようとしていたのではないかと思うんですよね。でも、荻上さんはあの通りのキャラですからいつものように真っ赤になってツンぶりを発揮してしまったのではないかと。なんか目に浮かぶような。
ゾウとの触れ合いも電車のやりとりもサービス満点なのですが、やはり最後には待っていました、こーゆー展開。致し方ないとはいえ、ちと荻上さんの反応は激し過ぎるような。ナチュラルにヒステリーを起こしているようで笹原にはついていけていません。最初は何を言っているのかすらわからなかったのでは。
第49話「メイド喫茶と三顧の礼」:漫研とのいさかいは情報が少なすぎてどうにも反応に困るというか、終始はぁそうですか、という感じでありました。だって新キャラだしねぇ。謝罪云々も詳細がわからないことには何も感じようがないし。
このエピソードだけでは12月の冬コミのエピソードに繋がらない(とてもこのすぐ後にスージーに言ったセリフが荻上さんから出るとは思えない)でしょうから9巻は描き下ろしから始めるのではないかと。
9巻は再び同人誌がつくようで楽しみでありますがドラマCDはいらんなぁ。せめて原案が木尾士目氏なら楽しみになるんですけどねぇ。
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