あまりよろしくない、という感じの前評判を聞いていた反動かたいそう面白く感じました。確かに前作「少林サッカー」を期待すると肩すかしを食う感もあります。こんなのカンフーじゃないよ、という格ゲーライクのエフェクトはほとんどありませんし、あくまでカンフーの延長線上で凄い(それでも人間業じゃありませんけど)という演出方向ですので。
本作はひとことで言えば往年のジャンプ漫画的、というかもっとストレートに「ドラゴンボール」と言っていいかと。一つの戦いごとに敵がわかりやすくインフレしていく様はまさに「ドラゴンボール」。ただ友情、勝利はあっても努力はありませんけど。
またヒロイン描写は身も蓋もなく言えばエロゲーの韻をこれでもかというほど踏んでいます。幼い頃に出会ったヒロインは口が聞けずに苛められていて、主人公はそれを助け大きくなってから再会。思い出のアイテムがあったり、それを主人公に壊されて直してみたり、やり過ぎではないかというくらい疑うことを知らず健気に相手を信じていたり、と監督は何かしらプレイしたことがあるのですか? とか本気で疑いたくなるくらいでした。
アクションはかなり見応えあり。「男塾」が好きな人にはかなり楽しめるのではないでしょうか。ただ、血もよく出るのでそのへんが苦手な人は要注意かもしれません。
見終わった後は早いところこのスタッフで「ジョジョの奇妙な冒険」を作ってください、と思いました。いい感じになると思うんですけどねぇ。あと「ドラゴンボール」もここに作ってもらった方が良いのではないでしょうか。悟空が小太りのおっさんとかにならないように。
|