精神年齢が7歳の父ともうすぐ同い年になろうとしている娘のお話。それぐらいの前情報しか知らずに見に行ったのでなかなか楽しめました。設定から考えるに最初の方はギャグっぽく、終盤シリアスになるのかと思っていましたが、ほぼ全編シリアスでした。
出だしのスターバックスコーヒーのシーンとか主人公のキャラが喋ることなく表現されていてかなり良かったです。全体的に見ても自然なキャラクター表現(演出)が実に巧み。俳優たちの演技も、感情を剥き出しにする様が真に迫っていました。
中でもリタが胸中をぶちまけるシーンはすさまじく、久しぶりに泣きそうになりましたよ。弱さをリアルに描く作品にはどうしようもなく惹きつけられます。
娘であるルーシー役の演技も実に秀逸。喜怒哀楽が完璧に近いほどうまく表現されていて、父性あるいは母性本能を刺激されずにはいられないでしょう。
親子が抱える問題と障害はいかにもアメリカ的なのだけれども、感情移入をたやすく誘うせいもあって色々と考えさせられます。ラストのルーシーが描いた絵の変化に何かが満たされたような気がしました。
シリアスな家族ドラマが好きな方はぜひ。ちょっと重いですけれども。
DVDも欲しいですけれど、あまりに痛みを伴った作品なので二の足を踏んでしまいそう。
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