謎の仕事で世界を飛び回る両親を持つ吉野正太郎(変更不可)。彼はごく普通の少年でしたが、ひとつだけ特別なことがありました。それはなんと魔女っ娘と巫女さんの婚約者がいたのです。しかも、ふたりは姉妹なのでした。
タイトルから想像できる通り、モチーフは世にも有名な「奥さまは○女」です。
本当は「ぷりずむぼっくす」と書くべきなんでしょうが、私は「プリズムハート」を持ってもいなければ、プレイしたこともありません。このソフトを買ったのも、ひとえに「奥さまは巫女?」のためだけです。
そんな私に外伝シナリオが正しく理解できる訳もなく、カルトクイズに答えられるはずもありません。せっかくの豪華作家陣による壁紙もネタを知らなければ豚に真珠。システムボイスも誰が誰やらわかりません。スクリーンセーバーにプリハクロックも……以下略。
よってタイトル表記はこのようにさせていただきました。ご了承願います。なにか言い訳のように聞こえるかもしれませんが、全て気のせいです。
システムはオーソドックスなアドベンチャー。期間はゴールデンウィークの7日間。世にも珍しく発売時期とゲームの季節が合致しています。こういうのは大人の事情でズレやすいんですけどね。
使い勝手はそれほど問題ありませんが、メッセージの巻き戻しが出来ないのは不便でしたね。
シナリオはかなり笑わせてくれます。伏せ字をほとんど使わずにヤバいネタを連発しています。そのレベルはライアーソフト級、「ぶるまー2000」に匹敵します。まさに痛快無比。
ひとつ違うのは、さり気なくネタが使われていること。文字の色やフォントのサイズを変えて強調することがほとんどないので、注意していないと見逃してしまいがちです。
後半に入るとギャグだけではないとばかりに、シリアスな展開も見せてくれます。
ミニAVGのせいか、シナリオの構造的には非常に単純で、毎日姉妹のどちらかにつきあうかを選択するだけです。その結果によってエンディングが分岐するようになっています。
CGはこれで購入を決意したと言っても過言ではない、可愛らしい出来。少しタレ目がちなキャラがテキストにうまく合致しています。
イベントCGの出来も良いですが、個人的には立ちCGに深い愛情が注がれているように感じました。幾度もの鑑賞に耐える良いCGかと思います。
音楽はさすがに曲数が多くないですが、コメディ向きの曲が揃っています。なかでもボーカル付きのオープニングは破壊力高すぎです。第一級の洗脳ソングと勝手に認定させていただきます。初回特典にするだけのことはあります。
画像のほうも少ない映像素材を巧みに使っていて、秀逸の一語に尽きます。繰り返し見たくなるオープニングです。
ボイスはヒロインの二人にだけ用意されてます。ツボをついた配役なので安心して聞くことができます。他にはほとんどキャラが登場しないのでフルボイスと言っても問題ないでしょう。
まとめ。ミニAVGなのがもったいないほどの傑作。欠点らしい欠点がないのもポイント。ぜひ1本のソフトとしての姿を見たかったです。
お気に入り:甲乙つけがたいが白倉鈴音
評点:86
以下はキャラ別感想。ネタバレ要注意(サイズは小さくてもあるんですよ)。
1、白倉音代
「おとよ」と書いてメロディと読む。限りなく強引なところが、繰り返しのギャグにつながっています。さすがはギャグ担当(本人は不本意かもしれませんが)。
主人公もですが、ゲームの登場キャラの枠を超えた発言が目立ちますね。そこがいいのですけど。
ハンダ付けが得意というあたりがもっと強調されていると惨めさに磨きがかかって良かったかも。
裁縫も得意らしいのであの衣装はおそらく自分で縫製したのでしょう。あまりにもナイスな婚約者です。
姉妹そろって普段着に着替えることなく、そのままの姿で外出しますし。最初は主人公が試されているのかと思いましたよ。
普段の魔女スタイルよりもパジャマ姿のほうが圧倒的に可愛いです(アンダンテもそれに一役に買ってます)。けれどこれは果たしてどうなのでしょう。作り手の思惑通りなのでしょうか?
シナリオはシステム上、止むを得ないけれど、中途半端に鈴代が出てしまうのがちょっと。いっそのこと、こちらのシナリオにも関与させてしまったほうがまとまりは良かったかも。
2、白倉鈴音
音代さんがギャグ担当ならこちらはシリアス担当でしょうか。シナリオの焦点もこちらに集中しています。
触れただけで家電製品の息の根を止めるスキルが素敵すぎます。まるでARMS殺しのようです。
個人的には本物の巫女さんでないのが残念なところ。音代さんはまがりなりにも本物の魔女なんですから。力業を駆使してでもなって欲しかったところ。
鈴代の生まれた背景みたいな回想シーンでもあるともっと良かったかも。シナリオ的には文句ないです。相反するようで実は一致している感情がよく表現されています。すぐに寝てしまうのが伏線というのも高ポイント。
音代さんほどではないけれど、パジャマ姿がとってもラブリーです。
Hシーンは期待に応える半脱ぎ! 巫女さんモノならこうでなくてはいけません。世界のお約束にしたいです。ホントに。
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