浅生義明(変更不可)はごくごく平凡な日々を過ごす学生。これからもそんな日が続くと思っていたある日、メイドアカデミーから研修生がやってきた。紆余曲折の末、4人のメイドたちの仮の主人になってしまう。そんな事態になっては義明に執着する幼なじみも黙っていられない。
三ヶ月の研修期間が終わった時、義明の隣に居るのは誰なのか。
ASa−Projectのデビュー作はメイドさんとの同居アドベンチャー。
購入動機は一部の原画買い。また、他にめぼしいタイトルがなかったという消極的な理由も。
初回特典はオリジナルサウンドトラック。予約特典は「めいくるッ!CompleteDisc〜happy days〜」。
ジャンルは特に変わったところのないいつも通りのアドベンチャー。
足回りは平均に届くかどうか、というライン。メッセージスキップは既読未読を判別してほどほどのスピード。選択肢後、シーン切り替え後、話数区切りの全てのケースでスキップが停止するので使い勝手はもう一歩です。
バックログは別画面にて行います。ホイールマウスに対応、ボイスのリピート再生も可能。戻れる量もそれなりに多いです。ロード直後にも使用可能。
シナリオは全体的に中途半端。シナリオ重視でもなく、萌え重視でもなく、エロ重視でもない。どこを向いているのかがわからないというのが正直な印象です。
あらすじを読むとエロ重視かとも思えるのですが実際にはそんなこともありません。あくまでもメイドとの同居であって同棲ではないのがポイント。一番、華やぐ4人のメイドとの同居は共通シナリオで個別に入ると当確ヒロイン以外は基本的にいなくなります。当たり前といえば当たり前かもしれませんが、一歩進んで二歩下がったようにも感じやすいです。
その理由はサブキャラにも絡んでいます。本作の日常はエロゲー全体をネタにしたようなドタバタコメディです。ヒロインたちよりもハイテンションなサブキャラたちがイベントの少ない日々を盛り上げてくれます。テキストは馬鹿そのもの。しかし、ノリの良い展開もシリアスになる個別シナリオに入ると失速、ほとんど別物です。
また、本質的なところで「メイドを雇っている」というより「彼女の職業がたまたまメイド」であるのが意外とキツイです。悪い意味でヒロインたちは普通の女の子になってしまっているかと。
共通シナリオは話数単位で進行します。これが終わると個別シナリオに。クリア順制御がかかっていて幼なじみだけは最後にタイトル画面の別項から進む構成です。
三ヶ月の研修期間が共通シナリオに当たる訳ですが話数単位でどんどん飛ばしていくので長すぎるほど長いということはありません。しかし、2周目以降にフラグ立てのために繰り返しプレイするのは上で触れたメッセージスキップの使い勝手もあってなかなか面倒。また、この期間が惹かれあう過程に当たるのですが、まぁ、ないと思っていた方が無難です。
個別シナリオは非常にコンパクトで1本あたり1時間半程度で終了します。よって2周目以降はあっという間に終わってしまうためCG回収している気分がとても強くなると思います。
複数ライター制の弊害もハッキリと。わかりやすく表現するとサブキャラを使えるか使えないか。シナリオの雰囲気が大きく違います。
Hシーンは各ヒロインほぼ2回ずつ。テキスト的には間違っても期待してはいけません。驚くほど尺が短いです。
CGは原画家ごとに大きな差ができています。CGスタッフにもよるのか、気合の入っているものとそうでないものの落差がちょっと見物なくらいあって驚き。中でも薬師寺水恋の2度目のHシーンのCGはかなり酷いです。定規で描いたかのように見えるラインはさすがにどうかと思います。
立ちCGはカット数は非常に多いのですが、イベントCG同様に気合が感じられないものが多いのが残念なところ。
音楽は展開に添った曲が用意されていますが、単独で聞くにはやや厳しいかもしれません。ゲーム用に特化されているように感じました。また、これが「めいくるッ!」の曲だ! みたいなものがなかったようにも。
ボイスは基本的に立ちCGを有するキャラはフルボイス、それ以外はほとんどなしという仕様です。演技は可もなく不可もなくで、特別に記憶に残るようなものはありませんでした。
まとめ。あんまりHappy Maid Lifeじゃない作品。この設定ならいっそのことエロ重視作品にしてしまった方が良かったように思います。どのみちご都合主義なら。属性があるとかないとかそんな問題ではないと思います。ボリューム的にも厳しいのが痛いです。
お気に入り:藤間陣、ブランシェ、浅生恵里栖、小村未居(全部サブキャラだ……)
評点:45
特に思い入れもないのでキャラ別感想はありません。
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