252   へんし〜ん!!!〜パンツになってクンクンペロペロ〜(May−Be SOFT)
 
 妄想を口にしたら義妹が家出した。天坂裕二(下の名前のみ変更可)の願望とは女の子のパンツになって思い切りクンカクンカすること。実に健全な変態である。ところが所詮、妄想に過ぎないはずのそれが謎の猫っぽい生物を拾ったことで現実になってしまう。となると裕二のすることは、もう書くまでもありません。
 
 May−Be SOFTの新作は実に6年ぶりの「へんし〜ん」シリーズ。ライターは変わりましたが原画家はあかざ氏のままです。
 購入動機はブランド買いというよりはシリーズ(企画)買いと言った方が近いです。
 初回特典は縞パンと過去作2本。ここのブランドで用意されているのは非常に珍しいです。
 
 ジャンルはアドベンチャーであることは変わらないものの、マップ移動要素が加わり、ある程度の戦略性が生まれました。Aというイベントを起こさなければ Bという移動場所が出現せず、必然的にBで起きるイベントも見られない、とこんな具合です。プレイヤーは場所と変身するモノを選択します。
 こうしたイベントの場合は変身コンボとなり、次から次へと変身するものを選択させられます。うまいこと変身しないと失敗となりやり直しです。
 AR−MeDというシステムがあり、ここではヒントや攻略状況が見られたりします。
 
 足回りは進歩が感じられません。メッセージスキップは既読未読を判別して高速です。ただコンフィグ項目「選択肢後のスキップ継続」にマップ移動が含まれないためまるで意味がありません。「既読文章を自動でスキップする」も碌に反応してくれず2周目以降にちっともプレイしやすくなりません。
 バックログは別画面にて行います。ホイールマウスに対応、ボイスのリピート再生も可能です。ただし、選択肢表示の際はホイールによる起動はできません。アイコンからは可能です。それなりに戻ることができます。ロード直後にも使用できます。
 メッセージ速度の変更には複数の手順が必要でノーウェイトにしようとしても最速にしただけでは地の文しか反映されず、初期状態でチェックの入っている「音声と文章を同期」を外す必要があります。
 クイックセーブ&ロードはプレイ中のみしか使うことができず、終了してしまうとデータが消えてしまいます。当然、タイトル画面からクイックロードはできません。
 ボイスの発声中にクリックしてもそのまま継続されてカットすることができません。コンフィグで調整することもできないのはどうかと思います。
 
 シナリオはライターが変わってもシリーズらしい持ち味にはそれほど変化はありません。変身能力を躊躇いなく使いこなす主人公は間違いなく変態です。ただ、これまでとは違って本作の主人公はサブタイトルも示すように匂いに対して強い関心を持っています。平たく言えばフェチです。イタズラ時にはSE(?)まで用意されているので明らかに変質者度が上がっていて賛否を分けそうです。
 変身は少し扱いというかルールが変わりました。これまでは変身することで本物と違わぬものがもうひとつ出現していましたが、本作では(恐らく)そうはなっていない様子で実質的にモノに乗り移っているような扱いになっています。
 日常の会話は残念ながらほとんどありません。なにせ、基本は正体を悟られずにイタズラするゲームですから必要最低限しかないです。よって惹かれあう過程などあるはずもありません。むしろ、ある方がおかしいと言ってもいいのかも。
 Hシーンは今回も実に多彩なシチュエーションが用意されています。まさにモノならではの奇想天外なプレイが満載。人間と人間のシーンはとても少ないので注意が必要です。全体的にねちっこさを感じる描写が多め。尺は状況を考えれば短めです。ハーレムルートはありません。
 
 CGは企画が企画だけにメインの構図の他に別視点のカットインが豊富です。原画家の苦労が感じられるくらいに数多く用意されています。もちろん、それはそのままエロ度の向上にしっかりと繋がっています。普通のCGなんて探さなければ見つからないくらいです。
 お馴染みのアニメーションはさらに綺麗に滑らかになりました。特に柔らかそうに見える度が高まったように思います。エロいですが、意外と数が少ないのが残念。
 変わりどころでモノ目線ムービーなんてものも。ヒロインに下着などを装着される時の様子を見せてくれます。
 
 音楽は馬鹿ゲーということを強く意識した曲が目立ちます。中には勇ましすぎてやり過ぎな感じがするものも。しかし、それさえも馬鹿っぽさにうまく繋がっているように思えてしまいます。
 ボイスは主人公のほか男キャラにはありません。出番はほとんどないので実質フルボイスといっても問題ないと思います。デフォルトネームでもボイスによるフォローはありません。演技は問題なく、ヒロインの個性を伸ばす方向のキャスティングがされていると感じられました。
 
 まとめ。正当進化のシリーズ作品。スパンが開いていただけのことはあります。多くのアイデアが感じられてプレイしているのが楽しいです。ただし、相性があるので確認が大事です。
 お気に入り:米良川ゆず、水越こなみ、中田姉妹
 評点:70
 
 以下はキャラ別感想。ネタバレ要注意。
 
 
 
 
 
 
 
1、天坂みこ
 パッケージ中央のメインキャラとしてはいかにも物足りない。妹の座に胡座をかいているように見えてしまいます。ゲーム開始前にすでに攻略済みというのではあまりに拍子抜け。主人公が何もしていないように感じてしまうのはいかがなものかと。
 
2、月城神楽
 本作は他に貧乳キャラがいないこともあって予想以上に存在感があります。加えて主人公が他のシナリオにはない人柄を見せるのでちょっと異色なシナリオとなっています。変身がバレた後のシーンも緊張感があって良かったです。ただ、神楽は勘が良すぎるでしょ、さすがに。
 
3、中田推那、紫月
 2人で一括りですが姉妹でまるで性格が違うのがいい感じ。下僕になって以降、最初は毛嫌いしている紫月が徐々にほだされていくのがわかりやすく効果的。二段構えであった演説のイベントはなかなか良い内容でした。他にも扇風機のイベントで推那が主人公にイタズラされても妹に知らせないようにするあたりなど姉妹を個別に扱うシーンもしっかりあって良かったです。
 
4、安藤ローザ
 よもやの真ヒロイン。確かにパッケージには出ていましたけどねぇ。予想外でした。というか、そんなシナリオが用意されているということ自体が。
 変身能力が一番、役に立ったシナリオかもしれません。
 
5、米良川ゆず
 大人気アイドルなのに1ヶ月もしない内にAVまがいの仕事しかなくなる。うーん。一体どういう層をターゲットにしているのでしょうか。どうにもわかりません。アイドル相手にイタズラHの意義が半減してしまいますよ。CGが半分になってしまうという意味でも他のヒロインに比べて不利な感じ。素直にもったいないです。分割の旨みも感じられませんし。
 
6、水越こなみ
 あまり先生っぽくない幼さが魅力。でも、エロさでは教え子たちに負けません。
 男っ気が皆無という切なさが泣かせます。イタズラしていいものか悩んでしまうくらいに。だって処女だと思っているのに産婦人科に行かせるなんてさすがに気の毒ですわ。よって主人公がエンディングであれくらいの目に遭うのは当然でしょう。


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