『筋力トレーニングの基本的方法とトレーニング種目の検討』
は じ め に
私は早稲田大学人間科学部に入学して以来、スポーツホールのトレーニングルームのトレーニング指導員を3年半行い、各体育局各部の部員の筋力トレーニング指導だけでなく、普通の学部生にもいろいろ指導してきた。
ここで私が感じたことは時々レポート課題をするためにトレーニングルームに訪れる学部生はともかく、体育局各部員の中の一部の部員にも筋力トレーニングについてあやふやな知識しか持ち合わせていない学生がいることがわかった。
例えばシット・アップをおこなうと腹まわりの脂肪をとることができると信じているという人も少なくない。実際には腹筋の強化と引き締めがきっかけになっているだけ実際には脂肪の燃焼につながっていない。
脂肪の燃焼を目的に運動をするなら有酸素運動をしなければならない。ちなみに脂肪を燃焼するためには参考までに一般的に言われているのは、最大心拍数(およそ220−年齢)の約60%位まで心拍数をあげた状態で最低12分間運動をしなければいけない。したがってシット・アップを心拍数が上がった状態で12分間以上も普通の人間は行うことが不可能なので無理だと言うことがわかる。
このような知識しか持っていないのでは体育局の各部員の知識がこの程度では困ると思い、頻繁に行われるトレーニングをまとめ、どのトレーニングがどの部位に効果があるかということと、トレーニング方法と注意点とを区別し、また同じ種目でもたくさんの名称があるのでそれらをまとめてみた。
ウエイトトレーニングにはトレーニング方法だけでなく様々な要素がありますが私のこの卒業論文では
1.トレーニングの原則
2.トレーニング用具について
3.フリーウエイト種目の検討
の3つを取り上げてみた。
これらはウエイトトレーニングの基礎ともいえることなのでこれからトレーニングを始めるという人たちにもわかりやすく理解できるようにまとめてみた。これをきっかけに多くの人に正しいウエイトトレーニングについての知識を付けてほしいと考えている。
第1章
ト レ ー ニ ン グ の 原 則
筋力を養うためにはトレーニングが当然必要であるが、一定の原則にしたがって実施しなければ大きな効果が望めないばかりか事故の危険性もともなってくる。次にあげる一般的なウエイトトレーニングの7つの原則を十分理解したうえでトレーニングを行っていきたいと思う。
トレーニングの7原則
1.オーバーロードの原則(過重負荷の原則)
筋力は普段使っている以上に強いものを発揮するように努めると向上することが知られている。このような運動負荷をオーバーロード(過負荷)と専門的には呼んでいる。例えばバーベルやダンベルのような重りを用いたりエキスパンダーのようなバネやゴムの収縮力などを応用したり自分の力や相手の力などを使っても行うことができる。ただしこの負荷は目的に応じ適切な負荷でなければならなく低い負荷では効果はほとんど期待できない。日常生活程度の運動ではトレーニングの効果は難しいということである。
例を挙げるとトレーニング開始時に、ベンチ・プレスでいうならば重量60キログラムで10レップ行うのがやっとだったのがトレーニングを繰り返す事により10レップを楽に繰り返すようになったら次はその重量を少しづつ増やしてまたトレーニングに励むという事をつづけるという事である。
ただし、負荷の設定を間違えると靭帯断絶やその他大きな事故につながることはいうまでもない。
2.漸進性の原則
トレーニングの負荷・強度・複雑さは徐々に高めていかなければいけないということである。
例を挙げるとその昔古代オリンピアの祭典でレスリング競技で6回優勝を成し遂げたミロ(Milon)は子牛が育つのを利用して肩にかついで歩くことや差し挙げることで毎日の練習としていたという。小牛の成長は早いというのは周知の事実である。ミロは毎日のように増えていく子牛の体重を利用して体を重さにならしていったということである。
前出の1.過負荷の原則と併せて漸進性過負荷の原則(Progressive O-verload)と称されることもあります。ここではただ単に負荷や強度を増すだけでなくより質を高くすることも大切である事も忘れずに心がけたいと考えている。
またこの原則は週間計画・年間計画などの長期計画なども含まれる。
3.意識性の原則
どんなトレーニングを行うのか?
そのためにはどんな方法を採用すべきなのか?
またそのトレーニング方法をいかに利用するか?
などについて十分理解しておかなければならないという原則である。各種のトレーニング理論を熟知してこそ大きな成果も期待できる。
選手自体はコーチや監督らにやらされているトレーニングではその効果は薄く、時には危険なこともさえありえる。選手自身はもちろんの事コーチや監督も『トレーニングの目的』というものを明確にして行わなければならない。疑心暗鬼のうえでトレーニングを行っても成果は上がらないということである。
また、監督、コーチは選手が『トレーニングの目的』を理解させることができるようにさせることも非常に重要なことである。
4.個別性の原則
トレーニングは個人的な『身体的・精神的特性』に応じて行わなければならないという原則である。
人間の体格がよく似ていても筋肉や骨格が一人一人違うのと一緒でトレーニングも10人いれば10通りのメニューがつくられることになる。というのも人間が5人いた場合、一つのメニューが全員ぴったりする事はあり得ないからだ。後の第3章でも70種目もの運動種目を挙げているが、それがどの練習者にも当てはまるとは限らないのです。その意味ではもっとも自分にあったメニューを見出していく以外には手はありえない。これを見出す手がかりとしては体力測定の結果やトレーニング日誌などが挙げられる。これらを十分に活かして自分にあった条件を早く探してほしい。
しかし、全くの初心者の場合はたとえどのようなトレーニング方法に従ったとしてもオーバーワークにならなければある程度のレベルまでは達成することができる。
5.反復性の原則
トレーニングは規則的、継続的に繰り返し行わないと効果が上がらないという原則である。
フォームなどをスムーズにできるまで繰り返しトレーニングを行うことが大事であるという原則である。前出のミロも子牛を使ったトレーニングを継続的に行ったようなことを思い出してほしい。
ただし、過度の疲労を蓄積させるまでトレーニングを行うのは禁物である。筋肉が発達する現象の一つに『超回復』というものがある。これは疲労したからだに休養をとらせることによって次第に体力等が回復していくが、その回復時に練習前より若干高いところまで回復する現象が現れることがある。これが『超回復』である。次回のトレーニングもこの超回復が起きた時期を見計らって行っていけばトレーニング効果は着実にあがることになるが、毎日毎日同じ部位や動作ばかり行うとオーバートレーニングを起こしたり、体調不良の時に行ってもやる気の低下につながるだけである。ちなみに私の経験としては1週間のうちに2〜3日ほど休息日をいれてトレーニングを行っていた。
6.特異性の原則
スポーツ種目にはそれぞれそのスポーツ独自の運動スキルがある。トレーニング効果をそのスポーツと結びつけるためにはそのスポーツで直接使われる筋群を鍛えたり実際の運動スキルにできるだけ近い形でトレーニングを行わなければならないという原則である。
またこれはトレーニングを行った関節角度と筋肉収縮の方法によっても明らかな特異性がみられる。
7.全面性の原則
体力(行動体力)は様々な要素(筋力、持久力、スピード、柔軟性、調整力など)から構成されている。これらは全面的に調和を保って高めなければならないという原則である。ただ一つの技術だけを伸ばしただけではアンバランスになってしまうということである。また技術だけでなく知識、道徳、教養なども同時に高めなければその特定の能力も十分に発揮されないというもので特に初心者には重要なものである。
また参考までに、ドイツのヘッティンガー氏の理論では
1.筋力トレーニングは最大筋力の40パーセント以上の筋力で行えば必ず筋力は増加するものであるということがわかっている。というのは日常生活では最大筋力の20〜30パーセント程度しか使われていなく、最大に近い筋力を発揮してもごくごく短時間のためトレーニング効果は現れないがそれ以上だとトレーニング効果が認められ筋力は増加するというものである。ただし、20パーセント以下の筋力発揮ではそれまで鍛えられた筋力は急激に減少してしまう。
2.静的筋収縮を持続させたときの持続の限界を測定した結果、最大筋力の40%以上で120秒であったという。いろいろ持続時間を変化させてトレーニング効果を調べてみると最大継続時間の20%以上でトレーニング効果が現れるというものである。ただしこれはそれぞれ発揮する筋力の水準によって異なる。
3.毎日トレーニングを行ったときのトレーニング効果を最大としてトレーニング頻度によってそれらの効果はどのように変化したのかを比較したデータによると1日おきの頻度によるトレーニング効果は毎日のものと同様に現れたという。
また5日に1回の頻度では最大の50%を示し、14日の頻度では効果はなかったという事だ。このことから週3日でトレーニングは一応十分であることがわかる。
これらのことをいろいろ参考にして自分にあったトレーニングメニューを作るデータとして活用できればと考えている。ただしここに挙げた原則はすべての人に必ず当てはまるということではない。人によって必ずといってよいほど個人差はある。いろいろ試行錯誤をして失敗などを繰り返してしまうかもしれないが自分にあったトレーニング計画を見つけられるようにしっかりトレーニングメモなどを作りそれを参考にしながら早く自分だけのオリジナルメニューを作れるよう地道に取り組んでいきたい
。
第2章
トレーニング用具について
トレーニングを実施する場合、正しい用・器具の取り扱いかたをしなければ効果が上がらないだけでなく危険を伴うことも多々ありえる。ひどいときは生命の危険まで危ういという事故にもつながることも少なくない。したがってこの章では安全で正しい用・器具の取り扱いかたを説明していく。
だだし、これらのものが絶対に必要という訳ではないがあるにこしたことはない。トレーニングするを本人が使いやすいように改良したものもあると思う。要するに安全にそして効果が確実に現れるような器具を選べばよい。そのことを頭に入れておいてほしい。
1.場所について
まずできるだけ平坦なところを選ぶことが大事である。バーベルやダンベルなど重い重量を落として行うトレーニングなどは床にマットなどをしいておいた方がよいと思われる。またできるだけ固い地面で行った方が望ましい。
靴には衝撃吸収剤等(ゲル状のものが入った靴の中敷きなど)が入った靴を用いた方が、かかとへの衝撃を大きく和らげることができる。また重いバーベルをかついだときにふらついて動き回ることも少なくないので床にプレートなどを散乱させないように片づけておくことで広い練習スペースを確保することも重要である。
もちろんストレッチ等が行えるマットなどが引けるだけのスペースが確保できた方がよい。
2.バーベル
バーベルといってもここ数年のフィットネスブームのおかげで数多く見ることができるが、できればボディービル用の安いベアリングが入っていないジム・バーベルではなく、オリンピック公認のバーベルが望ましいと思う。
メーカーとしては日本の上坂鉄工所とスウェーデンのELEIKO社の二つしかない。私自身の経験ではあるがシャフト自体は上坂鉄工所のシャフトの方がどちらかというと柔らかくしなりを使った運動が使えるのではないかと感じている。プレートの丈夫さではELEIKOの方が壊れにくいかもしれない。だだし、最近は上坂鉄工所の方が10キログラム盤をのぞいては品質がよいと思われます。流通の面からも日本の製品である上坂鉄工所の方が入手しやすいのではないだろうか。もっとも値段の方はELEIKO社の方がはるかに低い設定になっている。どちらにしろ、この二つのどちらかを使えば良いと思われる。
次にプレート。プレートの種類は1.25キロ、2.5キロ、5キロ、10キロ、15キロ、20キロ、25キロ、40キロ、50キログラムというのが一般的である。当然最低2枚は必要である。(一枚では片方にか付けることができないので・・・)。カラーと呼ばれる留め金は2.5キログラムというのが通常である。
バーも何種類かが存在するがふつうのトレーニング用バー、オリンピックバー、カール運動などを行うEZバー(Wのような形をしている曲線がついている。プリチャー・ベンチの写真を参照)、シャフトがオリンピックバーより少し(1ミリメートル)太いパワーリフティングバーなどがある。スクワット専用バーというのも最近登場した。これは300キログラムくらいの重量がふつうのオリンピックバーに加わると曲がってしまうので直径も太く、曲がらない材質を使ったバーである。
またプレートが固定式になっているセット・バーベルというのもある。ただしこれはあまり奨められない。なぜならばプレートを付け替える手間は省けるがダンベルのように小さくないので置場所に困ってしまうからである。
3.ダンベル
大きく分けて固定式のセットダンベルとプレートが増減できる調節式ダンベルと2種類がある。どちらも落とした時のためを考えるとできればプレートに当たる部分がゴムのような皮膜で覆われているものが望ましい。
鉄のまま手足に落してしまうと切ったりひどいときには骨折する事も十分に考えられるし、床へたくさん傷が付いてしまうからだ。
床の傷はあまり気にならないようだがバランスが重要になっている種目を行うときには足を取られたりすることも十分考えられるので是非気を使ってほしいことの一つである。
ダンベルの種類としては、大鼓型鉄アレイや星形鉄アレイ、ケトルベルなどがある。最近は砂や水を入れて重さを調節するものがあるがキャップ等をなくすと使いものにならないのであまり奨められない。また耐久度もこの製品はプラスチック製なので低いのが欠点である。
4.ベルト
ベルトは腰の保護、また腹圧を高めるために利用するものである。形としてはボクシングのチャンピオンベルトを前後逆さまにした形に近い形をしている。
バックルのピンの形は1本のものから3本くらいのものまであるが私自身の経験としては2本のものを奨めたい。1本だとピンに対する負荷がかかりすぎて曲がってしまうことが多く、3本のものは取り外しに時間がかかるという点があげられる。最近はマジックテープのものやプラスチックのはめ込み式のバックルも登場している。両方とも穴がない分調節が細かくできるが耐久度は余りよくないという欠点がある。
これも個人の好みに合わせて選んでみるとよいと思われる。
5.ストラップ
革製・ナイロン製または布製の2〜3センチメートル、長さは40〜50センチメートル程度の丈夫な帯状のひもをストラップという。
手の中央部にかけ、ストラップの両端をそろえて、バーの下からストラップを回してしっかり引き、その上からオーバーグリップないしサムレスグリップで握る。スポーツ用品店でも用意に手に入れることができるが古くなった柔道の帯やショルダーバックのひもでも代用できる。
使用目的としてはデット・リフトやハイ・プルアップ、チンニング等で握力の低下によるレップ数の低下を防ぐものがあげられる。また手が痛くまめなどができたときにも使うことができる。
6.ベンチ
ベンチの種類もたくさんあるが代表的なものをいくつかあげておきたいと思う。
まずはフラット・ベンチ。高さ30〜40センチメートルほどの水平なベンチでフリーウエイトには欠かせないものである。ちょっと目にはただの長椅子に見える。通常は頭をつけたり寝転がったりするのでボードの部分には薄目のクッションがついているもの。
次にスパイン・ベンチ。通常ベンチといったらたいがいこれを指す事が多い。これはベンチ・プレスに使用するベンチでフラット・ベンチに高さを調節できるラックがついているものである。
初心者は必要以上にシャフトが降りないような安全装置(セイフティー・ガード)がついているものがよい。
またラックの幅も手を挟む可能性もあるので私としては幅の広いものを奨めたい。
続いてインクライン・ベンチである。バックシート(背もたれシート)がついていて、傾斜角度が自由に調節できるベンチである。インクライン・ベンチは背中が高い位置にきている。背中が低い位置にきているのは別な名称でデクライン・ベンチという。最後にプリチャー・ベンチ。別名カーリング・ベンチともいう。プリチャー・カール運動などを行うために肘が固定できる平たい台のようなものがついていて肘をおいて動作を行うことができる。
7.ラック
ラックとはスクワットなどをするための台であるが形としては大きく分けて2種類ある。 まずはスクワット・ラック。コの字型をしているラックで安定性がかなりある。重い重量にも耐えられる、セイフティー・ガードがだいたいのものについているという利点もあるが、高さは設定された高さにしか変えられないのが欠点である。また大きいので収納場所のスペースもかなりとってしまう。
もう一つはスタンド・ラック。二組のY字型のスタンドで形成されている。長所としては幅が自由に変えられることと高さを自由に変えれる、置場所に困らないということ、短所は倒れる可能性があるということがあげられる。
8.その他
このほかにもアブドミナル・ボード(腹筋台)、ディッピング・バー、チンニング・バー、リスト・ローラー・バー、手首保護の為のバンテージやボックス(高さが積み重ね式になっていて変えられるもの)などがあると便利である。
第3章
フリーウエイト種目の検討
この章ではトレーニングの種目の行い方を示していく。バーベルやダンベルを使用する種目とか徒手等で行われる種目を、私自身の早稲田大学人間科学部にあるトレーニングルームでのトレーニング指導員としての経験や文献の中から約70種目を選択して検討した。
5.ではこの卒業論文の中でもっとも重要なものの一つでこの卒業論文を書くきっかけになったものである。トレーニングの種目には同意異称語がたくさん存在する。例えば上体反らしを腹筋といったりシットアップといったりする事が多い。このようにたくさんの言葉が使われると初心者には混乱の原因となる。これを解消するためにも日本国内だけに限らず加藤清忠教授の研究室の蔵書数多い洋書の中からもトレーニング種目の図や写真、説明文から内容を割り出して整理してじっくり検討してみた。
また6.の負荷の種類とはどんな器具を用いて行う運動の種類かを記してみた。
番号別の説明
1.種 目 名
2.効 果 部 位
3.基 本 動 作
4.注 意 点
5.同 意 異 称 語
6.負 荷 の 種 類
1.アップライト・ローイング(Upright Rowing)
2.三角筋 僧帽筋 上腕屈筋群
3.オーバーハンドグリップで手幅を狭くしてバーを握り直立姿勢をとる。
両肘を外上方にあげながらバーを鎖骨の高さまで引き上げる。引き上
げるときに息を吸い、下ろすときにはくようにする。
4.上体や膝で反動をとらない。
5.スタンディング・ロー
6.バーベル ダンベル
1.アーム・カール(Arm Curl)
2.上腕屈筋群
3.アンダーハンドグリップでバーを握り直立姿勢をとる。状態をあまり
動かすことはなく、肘を曲げバーを胸の前までまき上げてから再びス
タートの大腿部の位置まで下ろす。
4.手幅は肩幅程度にし、運動中は肘を前方に突き出したり後方へ引いた
りしない。
5.バイセップス・カール バーベル・カール ツーハンズ・カール
6.バーベル ダンベル
1.インクライン・カール(Incline Curl)
2.上腕二頭筋 前腕屈筋群 上腕屈筋群
3.両手にダンベルをそれぞれ持って体側に下垂させる。そのまま肘を曲
げ肩までダンベルを巻き上げたら元の姿勢に戻る。
4.ダンベルをやや外側に向けてカールをすると効果的。
6.ダンベル
1.インクライン・フレンチ・プレス(Incline French Press)
2.上腕三頭筋
3.インクラインベンチに座りフレンチ・プレス動作をする。肘が動きに
くい姿勢なので腕をできるだけ大きく動かすのがポイント。
4.肘が前後左右に極端に動くと肘関節がねじられて故障の原因になりや
すいので注意が必要。
6.バーベル
1.インクライン・ベンチ・プレス(Incline Bench Press)
2.大胸筋上部 三角筋 上腕三頭筋
3.インクラインベンチに仰臥して、深く肘を曲げた両手でバーベルを持
ちバーの中央部を胸の上に休める。そのまま肘を伸ばしバーベルを床
と垂直な位置に持ち上げたら元の姿勢に戻る。
4.動作は常に肘がバーの真下に来るようにして行えば無理がない。
6.バーベル ダンベル
1.オールタニット・カール(Alternate Curl)
2.上腕屈筋群
3.アンダーハンドグリップで両手にダンベルを握り、直立
姿勢をとり体側にぶら下げ左右交互に肘の曲げのばしを行う。
4.肘を後方に引かれない。一方をおろしながら一方を持ち上げるとバラ
ンスをとりやすい。
6.ダンベル
1.オールタニット・タッチトーズ(Alternate Touch Toes)
2.脊柱起立筋 大殿筋 大腿二頭筋
3.足をほぼ肩幅に広げダンベルを両手に持ち、体側にぶら下げる。膝を
曲げずに片側の足の方向に上体をできるだけ前傾させる。その後元に
戻す。
4.左右交互に行う。背中を丸めながらやらない。
6.ダンベル
1.オールタニット・プレス(Alternate Press)
2.上腕三頭筋 三角筋 前鋸筋
3.両手にダンベルを持ち、やや足を左右に開き直立してこの姿勢を保ち
ながら左右交互に頭上へのプレスを繰り返す。
4.状態を後方に反らすような姿勢をとってはならない。両肘を側方にあ
まり開かないように行う。
5.ダンベル・プレス
6.ダンベル
1.カーフ・レイズ(Calf Raise)
2.下腿三頭筋
3.バーを背中にかついだ直立姿勢をとり、両膝を伸ばしたままで両方の
かかとの上げ下げを行う。
4.厚くて丈夫な板やプレートをつま先において行うと可動域が拡大され
て効果的である。また、膝を絶対使わない。
5.スタンディング・トゥ・レイズ ヒール・レイズ スタンディン
グ・ヒール・レイズ
6.バーベル ダンベル 徒手
1.クウォーター・スクワット(Quarter Squat)
2.大腿四頭筋 大殿筋
3.足幅を肩幅程度、足を左右に開き直立位ををとり、バーベルを肩にか
つぐ。ゆっくりと四分の一くらい沈んでから立ち上がる。両つま先を
やや外側に向けるとともに両膝も開きながらしゃがむ。
4.クウォーターなので四分の一程度に曲げる。勢い動作をすると腰を痛
めやすいので注意
6.バーベル ダンベル
1.グットモーニング・エクササイズ(Good Morning Exercise)
2.脊柱起立筋 大殿筋
3.バーを首の後ろで肩の上にかつぎ両手でバーを上から押さえて立つ。
背を伸ばしたまま上体を前に深く傾けたら元の姿勢に戻る。感じとし
ては『おはよう』とお辞儀をしているような格好になる。
4.背筋が伸びるように顎を上げて実施する。
5.ベンド・オーバー
6.バーベル
1.コンセントレーション・カール(Concentration Curl)
2.上腕屈筋群 前腕屈筋群
3.フラットベンチに腰を下ろし両足を肩幅よりやや広めにして片手に適
当な重さのダンベルを持って前傾する。この状態で手首を必ず下向け
にしてスタートし、カールしながら手首を回外させる。次にダンベル
を降ろしながら回内して元の位置に戻る。
4.同じレップ・セットを左右の腕に行う。ダンベルを持ったとき内股に
上腕部がくっつく位に間で腰を曲げる。トレーニングを行っている時
反対側の手足の上に支えて行ってもかまわない。
6.ダンベル
1.サイド・ベンド(Side Bend)
2.外腹斜筋 内腹斜筋
3.片手にダンベルを持ち直立姿勢をとる。両足を左右にやや開き、反対
側の腕は肘を水平にあげて曲げ、その手を後頭部におく。ダンベルを
下げるとともに反対側の体側をややのばした姿勢からダンベルを引き
上げながら反対側に上体を側屈させる。
4.ダンベルを持った腕は常に伸ばしたままにして左右とも実施する。
6.ダンベル
1.サイド・ラタラル・レイズ(Side Lateral Raise)
2.三角筋 僧帽筋 棘上筋
3.両手にダンベルを握って直立姿勢をとる。手のひらを内側に向けダン
ベルをゆっくり外側に肩の高さまで上げたら再び元の位置まで戻す。
4.左右同時に行い肩の高さで一瞬静止させる。
5.サイド・レイズ ラタラル・サイド・レイズ
6.ダンベル
1.サイド・ランジ(Side Lunge)
2.大殿筋 大腿四頭筋
3.僧帽筋の上部にシャフトをかつぎ、足を肩幅より広めに開いて立つ。
片足をサイドにバランスを崩さない程度に踏み込み、踏み込んだ方の
膝を約90度まで曲げ元に戻す。
4.左右交互に行う。慣れるまでは踏み込み幅を小さくして行うとフォー
ムが安定する。
6.バーベル
1.シーティッド・トウ・レイズ(Seated Toe Raise)
2.下腿三頭筋
3.ベンチに座り膝の少し上あたりにバーをおく。つま先を丈夫な台の上
に置き、必要回数踵を上げ下げする。
4.足を置く台の高さを自分にあったものにする。
5.シーティッド・カーフ・レイズ
6.バーベル ダンベル
1.シーティッド・プレス(Seated Press)
2.上腕三頭筋 三角筋 前鋸筋
3.フラットベンチの一端に座った姿勢をとる。両足をベンチの端にかけ
この姿勢で頭上までのプレスを繰り返す。
4.両肘を後方に引かないように注意する。できれば補助者がついた方が
よい。
6.バーベル ダンベル
1.シット・アップ(Sit-Up)
2.腹直筋 外腹斜筋 内腹斜筋
3.台に腰をかけて動作中に両足首が浮かないように固定したまま上体を
深く後ろに倒したら元の姿勢に戻る。
4.ひざを曲げて行うと腰に負担がかかりづらくなる。
5.ベントニー・シットアップ 上体起こし
6.徒手 ダンベル プレート
1.ジャーク(Jerk)
2.下腿三頭筋 大腿四頭筋 三角筋 上腕三頭筋
3.直立姿勢をとり、鎖骨の上に手首を返してバーをのせ、わずかにひざ
を曲げて反動をとり、その瞬間に頭上まで一気に差し挙げる。その際
に足をわずかに左右に開くスタイルか、足を前後に開くスタイル(ス
プリット・ジャーク)か下に沈みこんで受けるスタイル(スクワット
・ジャーク)がある。
4.差し挙げるときに反動をとりすぎないように注意。重い重量を差し挙
げる時にはバーのしなりをつかうと効果的である。
5.スプリット・ジャーク スクワット・ジャーク
6.バーベル
1.ジャンピング・スクワット(Jumping Squat)
2.脊柱起立筋 大腿四頭筋 大殿筋 下腿三頭筋
3.スクワットをした直後に素早く飛び上がる運動。この運動は筋肉の太
さや瞬発力を増す効果がある。
4.動作が急激に変化するので、着地したときに膝を柔軟にして衝撃を吸
収するとよい。
5.スクワット・ジャンプ
6.徒手 ダンベル バーベル
1.ショルダー・シュラッグ(Shoulder Shrug)
2.僧帽筋
3.オーバーハンドグリップでバーを持ち、足をやや左右に開き直立姿勢
をとる。肘は曲げず、肩の運動『肩すくめ』を行う。肩を上下に動か
すか後方から上方へ、前方から上方へと交互に回すように動かす。
4.肩関節の可動範囲いっぱいに動かすことが肝心である。
5.シュラッグ
6.バーベル ダンベル
1.シングルアーム・ローイング(Single Arm Rowing)
2.広背筋 大円筋 上腕屈筋群
3.ベンチを横の位置にして、片手をベンチにつき水平に倒した上体を支
え、外側の反対の手でダンベルを握ってみぞおち付近まで引き上げる。
反対側も実施。
4.上体を起こしたり動かしたりしない。必ずしもベンチでなく動かない
台のようなものを使用してもよい。
6.ダンベル
1.スクワット(Squat)
2.大腿四頭筋 大殿筋 脊柱起立筋
3.足幅を肩幅程度、足を左右に開き直立位ををとり、バーベルを肩にか
つぐ。ゆっくりと大腿が水平以上になるくらい深くしゃがんでから立
ち上がる。両つま先をやや外側に向けるとともに両膝も開きながらし
ゃがむ。
4.途中で背中を丸めない。しゃがんだときにかかとを浮かさない。また
補助者が必要。
5.バック・スクワット フル・スクワット ディープ・ニー・ベント
6.バーベル
1.スティフ・レッグド・デットリフト(Stiff Legged Dead Lift)
2.脊柱起立筋 大殿筋 大腿屈筋群
3.肩幅よりやや広めの幅でバーを握り、膝をやや軽く曲げ脚に触れない
ように上体だけを使って脚を使わずバーを高く引き上げる。下降時に
も同じ軌道を通る。
4.顔を下げないこと。十分に背中を反らす。ただし背中を後傾させるの
ではなく胸を張って前方に付き出し腹部に力を入れる。デットリフト
との違いは脚を使わないこと。
6.バーベル ダンベル
1.スティフ・レッグド・デットリフト・オフベンチ
(Stiff Legged De-ad Lift off Bench)
2.脊柱起立筋 大殿筋 大腿屈筋群
3.丈夫な台の上に乗り、肩幅よりやや広めの幅でバーを握り、膝をやや
軽く曲げ脚に触れないように上体だけを使って脚を使わずバーを高く
引き上げる。下降時にも同じ軌道を通る。台の上という特性を活かし
つま先付近まで下降させる。
4.つま先の上にバーを落とさないように注意。十分に背中を反らす。た
だし背中を後傾させるのではなく胸を張って前方に付き出し腹部に力
を入れる。デットリフトとの違いは脚を使わないこと。
6.バーベル ダンベル
1.ストラドル・リフト(Straddle Lift)
2.大腿四頭筋 大殿筋
3.バーにまたがるようにして、片手を前、もう一方を後ろにしてバーを
握り腰を落とす。そのまま直立する。
初心者が重い負荷をかけると腰痛を引き起こすので注意。
5.ジェファーソン・スクワット
6.バーベル
1.ストレイトアーム・プルオーバー(Straight Arm Pullover)
2.広背筋 大円筋 大胸筋
3.上に仰臥姿勢をとり手のひらを上向けにして縦にしたダンベルの上部
をしっかり両手で握り両肘をのばして胸の上で保持しゆっくりと息を
吸いながら両肘を伸ばしたまま頭の後ろまでおろしたら元の位置に息
を吐きながら元に戻す。
4.仰臥に際しては、ベンチの端に肩を置き、頭を下げ胸を伸ばすように
する。ダンベルは水平かそれよりやや低いところまで下げる。
6.ダンベル プレート
1.ゾットマン・エクササイズ(Zottman Exercise)
2.上腕二頭筋 前腕屈筋群
3.両手にダンベルをもち大腿部の横にぶら下げて立つ。そして肘を曲げ
ながら左(右)横上を通って肩の高さまで持ち上げたら右(左)横下
を通って元の姿勢に戻る。次はこのコースの逆を通って持ち上げる。
これを交互に繰り返す。
4.両手はアンダーグリップでもオーバーグリップでもよい。
6.ダンベル
1.ダンベル・スウィング(Dumbell Swing)
2.脊柱起立筋 三角筋
3.両手にダンベルを持ちやや左右に広く足を開き直立する。上体を前傾
させて両足の間までダンベルを下げてから素早く頭上まで振り上げる。
4.両膝を少し曲げるが両肘は伸ばしたまま反動をつけるようにして行う
とよい。しっかりダンベルを持って行わないと飛んでいく危険性があ
るので注意
6.ダンベル
1.ダンベル・フロント・レイズ(Dumbell Front Raise)
2.三角筋 僧帽筋
3.ダンベルをオーバーグリップで持ち、大腿部の前にぶら下げる。両腕
を伸ばしたまま前方から肩より高い位置までダンベルを振り上げ元に
戻す。
4.上げ下ろしの際、反動を使わない。バーベルをあげながら上体を少し
前傾させる。手の甲を上にしてダンベルを持つ。
6.ダンベル
1.ダンベル・ランジ(Dumbell Lunge)
2.大腿四頭筋 大殿筋
3.両手にダンベルを持ち、両足幅を30Cmくらいに開く。まず左足を
70〜90Cmほど踏み出し、右足を伸ばしたまま左足を膝頭が左足
首より前に出るくらいにまで深く曲げる。次に左足を伸ばしスタート
位置に戻り今度は右足を踏み出す。以後交互に繰り返す。
4.足を踏み出したときに後ろ足の大腿前面に刺激を十分与える。別に左
足からにこだわる必要はない。
6.ダンベル
1.ダンベル・デッドリフト(Dumbell Dead Lift)
2.大腿四頭筋 大殿筋 脊柱起立筋
3.膝を曲げ上体を前傾させながら姿勢を低くして、両手でしっかりとダ
ンベルを握りスタート姿勢をとる。そして直立の姿勢まで引き上げる。
足幅は左右に30Cm〜40Cmほどとり背筋を伸ばして行う。
4.絶対に背筋を曲げない。また目線を設定して行う。
6.ダンベル
1.チンニング(Chinning)
2.広背筋 上腕屈筋群
3.高鉄棒にぶら下がるときにプレートやダンベルを体にひもなどで付け
ストラップなどを使い俗にいう懸垂運動を行う。肘を曲げ顎がバーに
付くくらいまで曲げたら元の位置にゆっくりおろす。
4.力が付いたら手幅を変えてみると効果のでる箇所も変わってくる。
5.懸垂 チン・アップス プル・アップ(Pull-up)
6.徒手 プレート ダンベル
1.デイップ(Dip)
2.上腕三頭筋 大胸筋 三角筋
3.ディッピング・バーあるいは平行棒の上に両腕立ちして両足を床から
浮かす。そのまま両肘を深く曲げて体を沈めたら肘を伸ばして元の姿
勢に戻る
4.慣れてきたら運動強度を高めるために腰に巻いたベルトにプレートを
丈夫なひも等でぶら下げて行うこと。勢いよく下がると怪我をするこ
とが多いので注意。
5.パラレル・ディップ バー・ディップ
6.徒手 プレート ダンベル
1.ディクライン・ベンチ・プレス(Decline Bench Press)
2.大胸筋下部 上腕三頭筋 三角筋前部
3.ディクライン・ベンチに仰臥して胸から真上に床と垂直になるように
バーベルを両手で押し上げる動作をする。
4.ダンベルを使うと可動域が広がるので効果があがる。
6.バーベル ダンベル
1.デッド・リフト(Dead Lift)
2.脊柱起立筋 大腿四頭筋 大殿筋
3.膝を曲げ上体を前傾させながら姿勢を低くして、両手でしっかりとバ
ーを握りスタート姿勢をとる。手幅は肩幅ほどにし膝は肘の内側に入
れる。この姿勢から両肘を曲げずに直立姿勢まで膝からのばし最後に
上体を起こす。
4.常に背筋を伸ばす。特に最終姿勢からバーベルを戻すときに背中を丸
めない。また、グリップはオーバーハンド、アンダーハンド、左右逆
のオールタニットがある。
6.バーベル
1.トライセップス・キックバック(Triceps Kick Back)
2.上腕三頭筋
3.片手にダンベルを持ちもう一方の手と膝をフラットベンチについて体
を安定させダンベルを持った方の肘を体側に固定。肘を伸ばしダンベ
ルを後方に持ち上げて元に戻す。
4.必ず肘を固定して動かさないようにする。上腕三頭筋でダンベルをコ
ントロールする。肘の位置にも注意。
5.ワンハンド・プッシュアウェイ
6.ダンベル
1.トライセップス・イクステンション(Triceps Extension)
2.上腕三頭筋
3.床またはベンチに仰臥して両手でバーベルを握り、胸の上に押し上げ
て肘を伸ばす。そのまま肘を深く曲げバーを額の近くまでおろし再び
肘を伸ばす。
4.上腕部はできるだけ動かさないようにする。背中を絶対に浮かさない
ようにする。
5.トライセップス・イクステンション・ライイング
6.バーベル ダンベル
1.トランク・ツイスト(Trunk Twist)
2.外腹斜筋 腹直筋 脊柱起立筋
3.バーベルを首の後ろで肩にかつぎ、両足を左右に開いて立ち、上体を
前方に傾ける。そのまま上体を大きく右(左)にひねったら反対側に
もひねる。
4.背中をしっかりと伸ばすこと。上体を曲げると腰痛になってしまう可
能性が高いので注意。
6.バーベル
1.ハーフ・スクワット(Half Squat)
2.大腿四頭筋 大殿筋 脊柱起立筋
3.足幅を肩幅程度、足を左右に開き直立位ををとり、バーベルを肩にか
つぐ。ゆっくりと大腿が水平になるくらいまでしゃがんでから立ち上
がる。両つま先をやや外側に向けるとともに両膝も開きながらしゃが
む。
4.ハーフの名の通り、沈みの深さは半分程度にする。
6.バーベル
1.ハイ・クリーン(High Clean)
2.脊柱起立筋 広背筋 僧帽筋 大腿四頭筋 下腿三頭筋
上腕屈筋群
3.デットリフトのスタート位置から脚、腰を伸ばしながら体に沿わせて
バーベルを上方に胸の高さまで引き上げ、手首を上方へ返しそれと同
時に両肘を前上にすくい上げるようにしてすばやく出し膝と腰を曲げ
ることによって柔らかくバーを鎖骨・両肩で受けとめる。足を軽く左
右に開くスタイルか前後に開くスタイル(スプリット・クリーン)の
どちらかのスタイルで行ってもよい。
4.バーベルの下に腰幅より狭目に両足を置き膝と腰を曲げバーをオーバ
ーグリップで握る。手幅はクリーン幅かスナッチ幅か。肩の位置はバ
ーの垂線よりやや前。脚で上にジャンプする。
5.パワー・クリーン スプリット・クリーン
6.バーベル
1.ハイ・スナッチ(High Snatch)
2.脊柱起立筋 広背筋 僧帽筋 大腿四頭筋 下腿三頭筋 上腕屈筋群
3.スタート姿勢はデットリフトと同じだが手幅はワイドで。構えたら背
を伸ばしバーを胸まで引き上げたらジャンプして手首を上に返す。こ
の瞬間軽く膝を曲げ肘を伸ばして頭上でバーを支える。最後に膝を伸
ばす。足を軽く左右に開くスタイルか前後に開くスタイル(スプリッ
ト・スナッチ)のどちらかのスタイルで行ってもよい。
4.背中を伸ばす。一連の動作をなめらかに。また視点を定めて行う。一
般的な筋力トレーニングではスプリット・スナッチを採用する方がよ
い。
5.パワー・スナッチ スプリット・スナッチ
6.バーベル
1.ハイ・プル・アップ(High Pull-Up)
2.僧帽筋 広背筋 上腕屈筋群 固有背筋
3.ハイクリーンの構えから膝を伸ばしてバーを膝の高さまで持ち上げ腰
を前上に出しながら引き続き上体を起こし、バーが鼠蹊部の下辺りに
きたら肩をすくめると同時に鋭く床を蹴り上体を完全に起こし足先立
ちになる。
4.数回にわたり繰り返す場合ハングの状態からやると良い。両肘を真横
に曲げるとみぞおち付近までも引きつけることが可能。スピードが要
求されるのでフォームをしっかり確認しながらやること。
5.パワー・プル ハイ・プル
6.バーベル
1.ハック・スクワット(Hack Squat)
2.大腿四頭筋 大殿筋
3.踵を床につけ足先は45度くらいに開き、膝を曲げ後ろ手でバーを握
る。バーは殿部につけたままにし、膝だけを外へゆっくり開くように
曲げて、元の位置に伸ばして戻す。
4.足幅を変えて曲げる角度を変化させて行うと効果的。スクワットと名
の付くので、背筋はしっかり伸ばす。
5.ハック・リフト
6.バーベル
1.バックハイパー・イクステンション(Back Hyper Extension)
2.脊柱起立筋 大殿筋
3.背筋台にのり上体をリラックスさせ腰を軸にして床と垂直になるよう
にする。頭の後ろにバーを持ち上体と床が平行になるまでゆっくりと
持ち上げ次にゆっくりと下ろす。
4.あまり上げすぎると脊柱起立筋を痛めるので注意。腰痛防止に腰背筋
膜を強化するのに効果的。
5.上体そらし バック・イクステンション ハイパー・イクス
テンション
6.徒手 プレート ダンベル
1.バック・プレス(Back Press)
2.三角筋 上腕三頭筋 僧帽筋 前鋸筋
3.バーベルを肩に担いで直立した姿勢から、頭上まで押し挙げる。
4.立位または座位のどちらの姿勢から行ってもよい。
5.プレス・ビハインド・ネック
6.バーベル
1.ヒンズー・スクワット(Hindu Squat)
2.大腿四頭筋 大殿筋
3.両手にダンベルなどを持ち背筋を伸ばし、リズミカルに膝を深く曲げ、
伸ばす。
4.器具がなくても一人でも気軽に行える。ジャンプをすると効果的であ
る。ただし多回数を行うと膝にかなりの負担がかかるので控えめに。
6.徒手
1.フレンチ・プレス(French Press)
2.上腕三頭筋
3.まず順手でバーベルを握り、後頭部のできるだけ低い位置に構える。
この状態から前腕だけを使ってまっすぐ頭上に押し上げます。グリッ
プが肘を中心にして円を描くようにして押し上げる。
4.肘が前後左右に極端に動くと肘関節がねじられて故障の原因になりや
すいので注意が必要。
5.トライセップス・バーベルイクステンション
6.バーベル
1.フロント・スクワット(Front Squat)
2.大腿四頭筋 大殿筋 脊柱起立筋
3.動きはスクワットとほぼ同じであるが肩の強さと大腿部の強さも要求
される。バーは鎖骨または三角筋の上にのせるようにして背筋を伸ば
しておこなう。
4.背筋を伸ばさないとバーが前方に落下してしまうので注意。静かにス
クワット動作を行う。踵が浮いてバランスが崩れないように踵の下に
台などを置くと効果的。
6.バーベル
1.フロント・レイズ(Front Raise)
2.三角筋 僧帽筋
3.直立の姿勢でオーバーグリップでバーを握る。両腕を伸ばしたまま前
方へ肩の高さまで持ち上げ元に戻す。
4.上げ下ろしの際、反動を使わない。
5.フォワード・レイズ
6.バーベル ダンベル
1.プリーチャー・カール(Preacher Curl)
2.上腕屈筋群 前腕屈筋群
3.プリーチャーベンチに座りグリップは肘より若干外側に握りまっすぐ
に伸ばす。ここから肘を曲げながらゆっくりと顎に向かってバーベル
をカールする。
4.ダンベルを2個使う方法、フロア・プーリーとストレートバー・ハン
ドルを組み合わせて行う方法、またぐリップの幅を変えるのも挙げら
れる。
5.スコット・カール
6.バーベル ダンベル
1.プルアップ・ツーチェスト(Pull-up to Chest)
2.脊柱起立筋 広背筋 僧帽筋 大腿四頭筋 上腕筋
3.デッドリフトのスタート位置から脚、腰を伸ばしながら体に沿わせて
バーベルを上方に胸の高さまで引き上げ、手首を上方へ返さずそのま
まもとの姿勢に戻る。
4.バーベルの下に腰幅より狭目に両足を置き膝と腰を曲げバーをオーバ
ーグリップで握る。手幅は肩幅程で肩の位置はバーの垂線よりやや前。
最終動作時に膝を突っ張らない。
5.ハイ・プル
6.バーベル
1.プルオーバー(Pull Over)
2.広背筋 大胸筋 三角筋 上腕三頭筋
3.ベンチに上向きで寝て首を外に出して頚の力を抜き両手でバーベルを
持ち曲げ胸の上で支える。そして肘を伸ばしたままかあるいは曲げた
ままで半円を描いて頭の下まで降ろしたら元の位置に戻す。
4.バーベルのほかにダンベルのプレートの下に手をいれて行うことが一
般的。肘の角度は固定したまま肩の関節を動かす。
5.ストレートアーム・プルオーバー ベントアーム・プルオーバー
6.バーベル ダンベル
1.プローン・レッグ・レイズ(Prone Leg Raise)
2.大殿筋 脊柱起立筋 大腿屈筋群
3.高い台に伏臥して腰から下を台の下に出し、両手で台をしっかりと持
って動作中に上体が浮かないように固定する。両脚をそろえて伸ばし
たまま上方にエビぞりになるように持ち上げた後に元の姿勢に戻る。
4.運動強度を高めるためにプレートをつけると良い。
6.徒手 プレート
1.ベンチ・スクワット(Bench Squat)
2.大腿四頭筋 大殿筋 脊柱起立筋
3.スクワットの動作と同じであるが尻の下にベンチを置きそこにふれる
くらい膝を曲げる。
4.膝の反動を使わないように注意する事が大事。勢いよく座ってしまう
とベンチにふれるということだけでなく座ってしまう、また強く重量
がかかってしまうので怪我をする危険があるので注意。
6.バーベル ダンベル
1.ベンチ・プレス(Bench Press)
2.大胸筋 三角筋 上腕三頭筋
3.フラットベンチに仰臥姿勢をとり、両手でバーベルを握り肘を伸ばし
てしっかりと握る。手幅は肩幅よりやや広くする。ゆっくりとバーを
おろし、胸に触れてから再び元の位置にまで押し上げる。呼吸はバー
をおろしながら息を吸い、押しながら息を吐くようにする。
4.顔や腹などに向けて斜めにプレスしない。初心者はなるべく補助をし
てもらった方がよい。
6.バーベル ダンベル
1.ベンチ・ローイング(Bench Rowing)
2.広背筋 僧帽筋 上腕屈筋群
3.ベンチにうつ伏せになりベンチの下に置いてあるバーベルを握リバー
を胸に近づけるようにベンチの下側まで引き上げる。最後はゆっくり
したまで完全におろす。
4.引き上げるときに勢いをつけすぎるとベンチなどが痛むのでゆっくり
とした動作で。呼吸を注意しながら行う。
6.バーベル
1.ベント・アームフライ(Bent Arm Fly)
2.大胸筋
3.両手にダンベルを持ちベンチ上に仰臥姿勢をとり両手のひらを内側に
向けて両手のダンベルを胸上であわせ両肘をいくらか曲げてかまえ、
両方のダンベルを外下方に下げ水平くらいから元に戻す動作を繰り返
す。
4.両肘を常に最初の角度に保ったまま肩の関節の運動を行うようにする。
5.ダンベルフライ ベント・アーム ラタラル・レイズ・スパイン
6.ダンベル
1.ベントオーバー・ローイング(Bent Over Rowing)
2.僧帽筋 三角筋 上腕屈筋群
3.上体を深く前傾させ背をのばしたままバーベルを握る。脇を閉めるよ
うにして肘を曲げバーを胸腹部まで引き上げたら最初の姿勢に戻す。
4.動作中は上体を上下に浮動させないこと。膝は曲げても伸ばしてもか
まわないが必ず背は伸ばすこと。できれば額を高い台の上に置いて行
うと良い。
5.ベントオーバー・ローイング・モーション ベント・ロー
6.バーベル
1.ベントオーバー・サイドレイズ(Bent Over Side Raise)
2.三角筋
3.両手に軽いダンベルを持ち、肩幅立ちになり上体と床と平行になるま
で曲げる。後背部を痛めないように背中を曲げ両手のひらを向かい合
わせにして、肘を少し曲げてダンベルを降ろす。ゆっこりと肩の線よ
り上になるまでダンベルを横に広げる。これを繰り返す。
4.後背部を曲げるとき額を乗せるベンチがあると効果的である。
5.ベント・オーバー・ラテラル ベント・オーバー・フライ
リア・デルトイド・レイズ
6.ダンベル
1.ミリタリー・プレス(Military Press)
2.三角筋 上腕三頭筋 僧帽筋 前鋸筋
3.バーベルを鎖骨の上にのせ、直立の姿勢のまま頭上までバーを押し挙
げる。
4.上体を後方にそらさない。
5.オーバーヘッド・プレス フロント・プレス
6.バーベル
1.リスト・カール(Wrist Curl)
2.前腕屈筋群
3.アンダーハンドグリップでバーを保持し、ベンチに腰を下ろし、バー
を握った両腕の前腕部を膝の上にのせる。このような前腕部を固定し
た姿勢から手首の曲げ伸ばしをおこなう。
4.やや伸ばした位置から可動範囲いっぱいまで動かすようにする。前腕
部を直接ベンチに置き、バーを握った手をベンチの端から前方へ出し
て行ってもよい。
5.ツーハンズ・リスト・カール
6.バーベル ダンベル
1.リスト・ローラー・エクササイズ(Wrist Roller Exercise)
2.前腕屈筋・伸筋群
3.短い直径2〜3センチ位の丸棒の中央部に長さ約1メートルのひもを
付けその端にダンベルやプレートをつけて棒を握り重りを床から浮か
せ、手首を上に起こす、あるいは下に巻き込むようにして重りを棒ま
で巻き上げる。
4.なるべく肘を伸ばす。手首の力だけで行う。握力も付く。
6.プレート ダンベル
1.リバース・カール(Reverse Curl)
2.上腕屈筋群 腕橈骨筋
3.バーベルをオーバーグリップで体の前面にぶらさげ、肘を固定する。
その状態から上腕二頭筋でバーベルを巻き上げ元に戻す。
4.バーベル巻き上げながら上体を少し前傾させると効果的。バーベルを
おろしたとき完全に力を抜かないように注意する。また肘を伸ばした
ときにロックしないように注意。
5.バックハンド・カール
6.バーベル
1.リバース・リストカール(Reverse Wrist Curl)
2.前腕伸筋群
3.台の上に両腕の前腕部をぴったりと置いて手首から先を出しバーベル
かダンベルを持つ。手首だけを巻き上げたら元に戻す。
4.オーバーグリップで行う。
5.リバース・イクテンション
6.バーベル ダンベル
1.レッグ・ランジ(Leg Lunge)
2.大腿四頭筋 大殿筋
3.肩にバーをかつぎ両足幅を30センチくらいに開く。まず左足を70
〜90センチほど踏み出し、右足を伸ばしたまま左足を膝頭が左足首
より前に出るくらいにまで深く曲げる。次に左足を伸ばしスタート位
置に戻り今度は右足を踏み出す。以後交互に繰り返す。
4.足を踏み出したときに後ろ足の大腿前面に刺激を十分与える。別に左
足からにこだわる必要はない。前に出した足を戻すときに力を抜かな
いようにすること。
5.フロント・ランジ フォワード・ランジ
6.バーベル
1.レッグ・レイズ(Leg Raise)
2.腹筋 腰筋 大腿直筋
3.ベンチの上に仰臥して腰から下をベンチの外に出し、両手でしっかり
と台を持って動作中に上体が浮かないように固定する。両足をそろえ
て伸ばしたまま上方に持ち上げて足先を頭の後ろにとどかせたら、元
の姿勢に戻る。
5.腹筋の弱い練習者は床上に仰臥した形で、両脚を直角以上に持ち上げ
るようにしたらよい。また、運動強度を上げる場合は両脚首に重りを
つけるとよい。
6.徒手 ダンベル
1.レッグ・レイズ・オン・パラレル・バー(Leg Raise On Parallel
Ber)
2.腹筋 腰筋 大腿直筋
3.パラレル・バー(平行棒)やディッピング・バーの上に両腋の下を当
てて両腕で上からバーをしっかり押さえ両脚を床から浮かせる。両脚
をそろえて伸ばしたまま、反動をつけないで前上に高く持ち上げたら
元の姿勢に静かに戻る。
4.両脚を持ち上げていく時に両腕でパラレルバーを上からしっかりと押
さえつけるようにするのがコツ。
6.徒手 バーベル
1.ロー・クリーン(Low Clean)
2.脊柱起立筋 広背筋 僧帽筋 大腿四頭筋
下腿三頭筋 上腕屈筋群
3.デッド・リフトやハイ・クリーンと同じスタート姿勢をとり素早くバ
ーベルを引き上げ低い位置で受けとめる。
4.肘を十分に返し、バーを鎖骨の上にのせること。
5.ツーハンズ・クリーン
6.バーベル
1.ロー・スナッチ(Low Snatch)
2.脊柱起立筋 広背筋 僧帽筋 大腿四頭筋 下腿三頭筋 上腕屈筋群
3.ハイ・スナッチの動作と同じだが手を返したと同時に低い姿勢にしゃ
がんだ位置でバーを保持し静止したら立ち上がる。
4.前後に不安定なので軽い重量でフォームを確実に習得してから行う方
がよい。
5.ツーハンズ・スナッチ
6.バーベル
1.ローテーター・カフ・エクササイズ(Rotator-Cuff Exercises)
2.棘上筋 棘下筋 三角筋 肩甲下筋 小円筋
3.この種目は3つの運動からなる。
ダンベル・エクスターナル・ローテーション
横向きに寝て上方の手にダンベルを持ち、肘を90度に曲げて
胸につける。この姿勢でゆっくりとダンベルを前下方まで下ろ
し、その後スタートの垂直の位置まで戻す。
ダンベル・インターナル・ローテーション
上向きに寝て片方の手にダンベルを持ち、肘を90度に曲げて
脇をしめる。この姿勢からゆっくりとダンベルを外下方に下ろ
し、その後スタートの位置まで戻す。
これらの2つの種目は肘を曲げたまま上腕の回旋運動を行うことがポ
イントである。
エンプティーカン・エクササイズ
直立姿勢で両手にダンベルを持ち、肩の高さに保つ。両手を約
30度前方に動かし手のひらを下に向けるようにしながらでき
るだけ内側に回旋させる。弧を描くように45度下方に下ろし、
そして元の高さまで持ち上げる。ちょうど2つの缶から液体を
流す動作のように行う。
4.いずれもゆっくり動作すること。
6.ダンベル
1.ワンアーム・ローイング(One Arm Rowing)
2.広背筋 僧帽筋 三角筋 上腕屈筋群
3.上体を深く前傾させ背をのばしたまま片手にダンベルを握る。脇を
閉めるようにして肘を曲げバーを脇の下まで引き上げたら最初の姿勢
に戻す。
4.あいている片腕でしっかりと姿勢を安定させること。膝は曲げても伸
ばしてもかまわないが必ず背は伸ばすこと。できれば額を高い台の上
に置いて行うと良い。
5.ダンベル・ベントオーバー・ローイング
6.ダンベル
1.ワンハンド・フレンチ・プレス(One Hand French Press)
2.上腕三頭筋 三角筋
3.立った姿勢でダンベルを頭の後方にセットし半円を描きながら肘を伸
ばしダンベルを頭上に上げる。このとき手のひらが前方に向くように
して元に戻す。
4.動作中は肘は必ず頭の後ろで固定する。ダンベルをおろすときに力を
抜かないように。
5.ワンハンド・トライセプスイクステンション
6.ダンベル
謝 辞
この卒業論文を製作するに当たり、主査であられる加藤清忠教授には先生のたくさんの蔵書を貸していただき、また夜遅くまでのご指導指、大変感謝しています。
また副査の土屋 純先生にもつまらない卒業論文に最後までお付き合いいただき大変感謝しています。
プリーチャー・ベンチがトレーニングルームになく、自宅のそばのスポーツクラブ『NAS若葉台』のインストラクターのみなさんには急に写真を撮らせてほしいと無理なお願いを聞いていただいて、ありがとうございました。
改めて感謝をしたいと思います。どうもありがとうございました。
保 井 俊 一 郎
参 考 文 献
加藤清忠,『スポーツプログラムシリーズ2 マスル・トレーニング』, 西村書店,1993
窪田 登,『ウエイトトレーニング』,講談社,1979
窪田 登,『スポーツ入門双書 新版ウエイト・リフティング』,ベースボールマガジン社,1977
高橋雅朝他,『Do Sports Series 筋力トレーニング』,一橋出版,1994
Joe Weider原著,高橋 賢一・比佐 仁 監修『ウイダー・ボディビルディング・バイブルII』, 森永製菓株式会社健康事業部,1991
猪崎恒博,『スポーツ筋力トレーニング』,西東社,1992
小山裕史,『トレーニング革命』,ベースボールマガジン社,1985
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