第7章
 ここからようやく本格的な治療に入りました。まず私に出されたのはポリラクトンという整腸剤と、ペンタサという潰瘍性大腸炎やクローン病の患者さんに使われる、いわゆる5−ASA製剤でした。それからステロネマという注腸ステロイド剤が処方されました。
私にはこの注腸剤が辛くて仕方ありませんでした。注腸剤というのはよくいう浣腸のことです。浣腸といっても、普通よくあるような小さな物ではなく、全長30cmにもなる物です。100mlの注腸液を自分で浣腸するのです。なんなくこなしている患者さんもいるようですが、私にはイマイチでした。経過としては1ヶ月半ほどで症状が改善され始めたので、量を減らしたところ、リバウンドで悪化してしまいました。そこで処方されたのがプレドニゾロンという経口ステロイド薬です。1日40mgという高単位の投与でした。
一般的にはこの量を自宅療法では使わないようです。入院治療になるらしいです。
これが抜群に効きました。怖いくらいでした。そこで徐々にステロイドを減量していきました。途中ちょっとしたリバウンドはあったものの、99年5月ステロイド完全離脱に成功しました。ここまで約半年かかりました。


第8章

 こうして不安は抱えながらも、体力も回復し始め、学校生活も順調に過ごしていたのですが、大学4年生の私にはやはりあの悩みが・・。そう就職です。就職活動が盛んな3〜4月頃私の身体はまだそれほど回復しておらず、活動する気はありませんでした。ところが7月頃になって、少しずつ良くなりはじめたこともあり、その事で母と少しもめてしまいました。自分としてもとても気になっていたことであり、それを指摘された私はとても落ち込みました。ヤバイかも・・とは思っていましたが、やはり。見事に再燃してしまいました。下痢と出血が始まってしまったので、予約外ですぐに病院に行きました。早く行ったかいがあり、まだ炎症反応は少なくとりあえずプレドニン(経口ステロイド)30mg/dayから始めることになりました。その後大体1週間おきにプレドニンを減量し、10月7日めでたくプレドニンから離脱しました。


第9章
 しかしここでまたも再燃を迎えてしまいました。今回はいろいろと理由が重なったようです。思い当たる節としては、(1)7月から10月にかけてかなりのスピードでプレドニンを減量したこと。(2)旅行が控えていてプレッシャーがあったこと。(3)風邪をひいたこと。(しかもその最中に禁忌食品とも言われるカレーを食べてしまった...。)があります。
プレドニンをきって10日後。10月18日から下痢が始まり、それと同時にトイレの回数は1日10回あまりに増加しました。腹痛がひどく外出がままならくなりましたが、バイトなどもあり1週間病院には行かずお粥などで様子を見ていました。ところがその間に症状は進み10月22日からは出血が認められるようになりました。そこで10月25日またも予約外で病院に行きました。その頃にはトイレの回数は1日20回あまりに増え、体力を消耗しきっている状態でした。微熱もあり完全に再燃です。しかもお粥など食事に気をつけているにもかかわらず、回復の兆しが見られないため病院からは入院を指示されてしまいました。


第10章
 入院の手続はしたものの、内科病棟は混んでいるらしく空き待ちの状態。とりあえず家でプレドニン20mgを内服することになりました。つい2週間前にきったばかりという事もあり、先生はプレドニンをあまり増量したくないということでした。これで多少は効いたものの、爆発的に良くなるというほどではなく結局家で安静にしているといった状態でした。トイレの回数は10回程度まで落ち着きましたが、相変わらず下痢・血便は続いており、薬を増やすかどうか迷って病院に電話したところ、婦人科病棟に空きが見つかり、ようやく入院となりました。この待っている間はかなり辛かったです。


第11章
 10月30日いよいよ入院です。生まれて初めての入院ということや、病棟が違うというもあり、いろいろと不安もありましたが、看護婦さんが初めに病気についてじっくり話を聞いてくれたので、かなり安心できました。いろいろな治療を重ね(詳しくは入院日記1へ)、20日後の11月18日無事退院となりました。