Repair からのお知らせ
第一話 9月1日 |
雨の日が続いていますが皆さんの楽器は元気ですか? しばらくケースに入れっぱなしにしてはいませんか? 一見安全な様に思えるケースの中は意外なほど危険がいっぱいです。 特にラッカー塗装の楽器は知らないうちにダメージを受けている場合があります。 ラッカー塗装のギターをお持ちに方で経験された方もいると思いますが、ギターを弾いていて汗をかいた部分が白く曇る事があります。 これはラッカーが水分を吸って曇っているのです。もし白濁してもその後乾燥させてあげれば元に戻りますが、 湿度を吸いこんだ状態が続くとラッカーそのものが軟化し始め、元に戻らず曇ったままになってしまいます。 症状が軽いうちは涼しくなり湿度が下がれば、症状が改善することもあります。 しかし再び暑い季節がくると症状が再発するものも少なくありません。 塗装がベタベタした感じや、指紋が残る場合などはこの症状が出ています。 一度楽器屋さんに相談することをお勧めします。 予防策 ◎弾き終わったらすぐにケースにしまわず、水分や汚れをふき取ってください。 湿気を含んだままケースへ入れるとケースに湿気がこもるだけでなく、 緩衝材に湿気が溜まります。楽器についたホコリに湿気が溜まりのちに塗装を軟化させます。 ◎ケースの中に楽器を入れっぱなしにしないでください。楽器の塗装面が常に触れている部分にダメージを受けやすくなります。 できれば1ヶ月に1度はケースから出して確認してください。 ハードケースの場合、実は冬でも内部が湿る事も少なくありません。 これは結露と呼ばれる内部と外部の温度差で水分が発生するために起こります。 ◎ケースの中を乾燥させます。楽器を出したケースを開けて陰干しをして下さい。 ケースの中に乾燥材を入れることも有効ですが楽器に直接当たらないように注意して下さい。 ショルダーケースもチャックを開けて中を乾燥させてください。 ◎ケースにしまう際ストラップやシールドが本体に触れないようにしてください。 ストラップは湿気を吸いこんでいることが多く、特に革のストラップは湿気を含みやすく、 染料なども使われることがあるため、塗装を痛めることもあります。 シールドケーブルは被覆に柔軟性を保つため軟化剤を含むものがあり、長く接触していると塗装を侵すことがあります。 涼しくなっても元に戻らないように塗装が軟化してしまった場合の解決策です。 根本的に治す方法はリフィニッシュです。 しかしこれには費用と時間もかかりますし、今の塗装の色合いが気に入って塗装を治したくない人も多いと思います。 そこで最近お勧めしているのは現在の塗装の上からクリアコートをかけるオーバーラッカーです。 まだどの位の持続性が保たれるかは未確認ですが数年前にオーバーラッカーした楽器にはまだ症状は出ていません。 ただし同じくラッカーを使うので、扱い方によっては軟化することも考えられます。 費用は楽器の種類によっても違いますがおおよそ3万円〜5万円ぐらいです。 |
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