8月7日は立秋、暦の上では秋になる。
天気図で見ると、まだまだ、夏の高気圧が勢力を保ち、暑さが続いているが、空を見上げると、秋の「巻雲」が天高く見え始める。
正岡子規に「夏雲は岩の如く、秋雲は砂の如く」がある。夏から秋への序曲を空の変化からみている。
空を見上げると、空が少しづつ高く感ずるようになり、もくもくと沸き上がる夏の雲の上には、砂をすっと、刷毛で掃いたような秋の雲が隠れるように見えること。普段、夏に見る雲は垂直に発達するのが特徴である。その代表的なくもは入道雲。
この雲は、熱い太陽に熱せられた地面から激しい上昇気流が起こり、大きな雷雲を作る。気象では「対流不安定」といい、鉛直方向に対流が起こること。
それに対して、秋の雲は水平方向の雲が特徴。水平に流れるような雲が多く、ほとんど低気圧が接近したときにできる雲である。
夏の間は、太平洋高気圧の勢力が強く、日本付近に近づく低気圧は高気圧にはじかれるように避けてとおる。
このため、夏は
晴天が多く、時折降る雨は対流不安定な雲から降る雨だけになる。 しかし、太平洋高気圧の勢力が弱まると、低気圧が日本列島に近づき、通過していくようになる。
この時に見られるのが、秋の雲である。この秋の雲が見られるようになると、夏の高気圧の力が弱くなった証拠である。
8月は、夏と秋との入れ替わりの時期で、雲の種類の変化も面白い時期である。
=1997/07=