* * *芝浦と場&お肉の情報館見学・・・* * *

 11月17日(火) 地球市民アカデミアの企画する「いのちを食べる」を考える〜芝浦と場見学会に参加した。
 午前9時品川駅東口に集合。15、6名の人が参加した。みんな顔見知りのようで、私だけ初顔のようだった。どうしてそんなところに参加したかというと、小川町マップというメーリングリストで紹介していたから。こんな見学会は滅多にないから参加してみては?と書いてあったので申し込んだ。そういえば、今までこんな見学会は聞いた事が無かった。
 スライスしたお肉が食卓に上がるまでどんな風に処理されているのか見てみようと思った。
     牛を乗せた着いたばかりのトラック

 9時15分ころ全員がそろい、と場へ。駅からすぐという立地にまず、驚いた。敷地の周りを一周して、その広さを体感。そしてお肉の情報館のある建物に入った。
 まず、9階で見学工程の説明を受け、白衣と帽子、マスクを身に着ける。
 3階に降り、長靴を履いて、エアシャワーやての消毒を経て、まず、豚のセリ場の見学。豚は背骨の真ん中で二つに割られ、足を金具で吊って巡っていく。10ヶ月〜18ヶ月のものが搬入される。
 そして一階へ降り、隣の棟の牛のセリ場へ。また、エアシャワーと消毒をする。中へ入ると、豚のそれとは比べ物にならない大きさの肉の固まりがぶら下がっている。そしてセリ人の早い口調のセリが止め処なくつづく。電光掲示板でセリ結果がすぐに出る。肉質・産地・脂のり・重量などでA・Bランク分け、1・2・3・4・5の等級分けがある。競り落とした肉はすぐに中卸の部屋へ送られる。そしてそこで解体し、骨と肉に分け、部位ごとに分けて、卸業者や小売業者の下へ。この日の上場は芝浦で処理したものは和牛307頭、交配123頭の合計430頭。外部からの解体搬入772頭の合計1102頭がセリにかけられた。

 11時頃9階に戻り、白衣を脱ぎ、6回のお肉の史料館へ。そこで生きた牛や豚が二つに切り裂かれるまでをビデオで観る。一瞬のうちに気絶させたり、麻酔をかけて、痛みを感じないようにしているのが分かって安心した。そして作業は迅速に進んでいく。まず、頭を切り取る。そして体内の血を抜くために一気に血管を切る。その血の量に驚いた。人の何倍もある体だからそうだな・・・そのくらい出るんだろうな・・・。これもおいしい肉として出すため。
 そして内蔵を取り出し、それは別のルートで処理される。次に皮を剥いでいく。この熟練技はもの凄い。この技術の習得は全て現場で覚えるのだそうだ。作業は班に分かれていて、その班の中で学んでいくのだそうだ。厳しい世界だろうと思った。刃物を扱うので怪我もあるとか。その後真っ二つに分割され、洗浄して、BSEなど緒検査の結果を待つ。夕方5時頃には結果が出て、翌日のセリに間に合う。解体の工程は全部で50分で行うそうだ。豚の場合は25分で完了するとのこと。

 情報館は6階の1室でそんなに広くない。実際に使った刃物や器具の展示や、内蔵の事実物大の重量のもの、皮の展示、その他資料がたくさんある。その中に差別問題の資料のコーナーがある。未だにこの職業の人たちを差別し、区や都に酷い抗議文を送りつける人たちがいるそうだ。パンフレットにもそのことが書かれ、理解を求めている。
 何事もそうだが、自分だけでなんでも出来る世の中ではない。いろんな人がいろんな場所で働いてくれるお陰で当たり前のようにご飯が食べられているのだ。当たり前に生活できる事に感謝しなくてはいけないという事に気づかない人たちはそれこそ最低に値すると思う。

 最初に思ったことと違った展開になってしまったが、差別というものが未だにあることを知って人の醜さの部分を感じて悲しかった。
  セリ場では撮影禁止のため模型が展

  内蔵の模型・ナイフは半年持たない

パンフレットには、英訳もついてる。韓国・中国・アメリカなどから業者の見学が多いという。

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