衝撃!テンテン、キョンシー掲示板に現る!


衝撃を呼んだテンテンの初カキコ。

 8月下旬のある日、テンテンは何の前触れもなく我々の前に姿を現した。一体ネット上で何が起こったというのか?まずは事実だけを順を追って説明していこう。

・8月27日付けで当方の元へ“shadow ”なる人物からメールが届いていた。内容は日本語だが、すべてローマ字で書かれていた(日本語入力が出来ないため)。自分がテンテンであるという事、所定のHPに最近の写真が掲載されている事、友達の紹介で当HPへアクセスした事、現在ドラマの撮影中であるという事、そしてこのメールがいたずらではない事などが書かれていた。当方はちょうど家を留守にしていたため、このメールを確認したのは31日だった。

・8月30日にChrisさん主宰の『キョンシー掲示板』に「TEN TEN」というハンドルで書き込みがあった。内容は当方が受け取ったメールと概ね同じだった。この書き込みと同じタイミングでHKSARさんの元へもメールが送られていた。中国語(BIG5)によるメールで、内容を完訳したものがHKSARさんのHP(すでに閉鎖)に素早くアップされた。そのメールでは撮影中のドラマのタイトル『仙鯉奇縁』についても言及されており、数日前に台湾のAaronさんから提供された情報と合致する。

・8月31日のうちに『キョンシー掲示板』にはファンから怒涛のレスがついた。驚くべき事に、「TEN TEN」はひとつひとつの書き込みに丁寧にレスをつけていた。「TEN TEN」はメアドを公開していたため(現在は非公開)、ファンからのメールも多数送られているものと想像される。また一連のキョンシー系HPもチェックし、今も多くのファンがいる事に感激したという。

・その後も「TEN TEN」は連日『キョンシー掲示板』への書き込みを繰り返している。ドラマ撮影が忙しいようだが、時間がある時にはファンの書き込みにもレスをつけている。日本語入力システムも導入し、9月6日以降はJISによる日本語の書き込みとなった。やはりその注目度は半端ではなく、『キョンシー掲示板』へのアクセス数は増え続ける一方で、例えば9月12日だけでも600ヒットオーバー。その勢いは現在もなお継続中。

 以上が“テンテン、衝撃のネット登場”の全貌である。インターネット上では他人の名前を語る悪質ないたずらが多い。それでなくても「ネットの情報はまず疑ってかかる」というのは鉄則であり、当方も出来る限り頭を冷静にして色々と考えてみた。しかし今回に関しては間違いなくテンテン本人である。台湾のサイトなどで使用されている“shadow ”という名前は、テンテンの洋名との事だ(台湾人や香港人は中国語の名前とは別に英語名を持っている事が多い。“ビビアン”スー、“ジャッキー”チェンなどなど。つまりテンテンの名前は「シャドウ・リュウ」となる)。言うまでもなくChrisさんのサイトは数あるキョンシー系HPの中でも元祖であり、『キョンシー掲示板』は古くからテンテンファン・キョンシーファンの憩いの場として愛用されて来た。そこへテンテンが登場したと言うのも運命的である。最近は急増する新鋭キョンシー系HPにファンが分散されてしまい、アクセス数も掲示板への書き込みも減少気味だったが、テンテンの出現により一気に活気が戻って来た。あの掲示板に思い入れのある人間としては嬉しい限りである。

ネット上での再会、ロマン、そして…

 
 テンテンは中学生時代に日本で活動した。
 今回の事が日本再登場の足がかりになるか?
 テンテンは90年から94年まで日本の芸能界で活動していた。その記録は当HPでも紹介しているが、結果的にあれらの活動は成功しなかったと言われている(もっとも、これは一般的な見解で、僕自身は必ずしもそうとは思っていないが)。これは時代が彼女(ら)に味方しなかったというだけで、本当に仕方のない事なのである。90年代前半と言えば“アイドル冬の時代”の真っ直中で、「アイドル的なモノ」はそれだけで蔑視されていた時代。そのためプロモーションをはじめとした活動の幅も限られてしまい、テンテンが日本で活動していたという事実すら知らなかった人も多いのだ。ましてや当時はネットも発達していない時代だったから、たとえテンテンの動向が気になったとしても情報の入手やファン同士の交流も難しく、テンテンと日本のファンはスレ違いに終わってしまったというのが事実だろう。だからこそ時代が変わり、クリック一つで世界中の人々とコミュニケーションが出来るようになった現在、なおも多くのファンが自分を応援しているという事実に触れたテンテンは感激し、そして涙したという。
 あまりにも恐れ多くて公言した事はなかったが、僕は『テンテンメモリアル』を起ち上げた際に「テンテン本人にこのHPを見てもらいたい」という夢を持っていた。今回、その念願が叶ったばかりか、「素晴らしいHPを作ってくれてありがとう」とまで言われてしまった。『幽幻道士』を見てテンテンに憧れ、以後の出演作品に熱狂し、ただただテンテンの事を夢想するしかなかった少年時代から、多くの方々の応援と協力に支えられてHPを開設、発展させて来れた今日までの事が走馬燈のように甦って来て、涙が出るほど嬉しかった。僕だけではない。HKSARさんが中国語が堪能なのは、テンテンと同じ言葉をしゃべりたい、テンテンと同じ言語で会話したいと願って十年以上前に中国語の学習を始めたのがきっかけ。メールでではあるがついにその本来の目的を達成したのだ。掲示板やメールでテンテンからレスをもらった人達もみんな同じである。すべての男子がほのかな恋心を抱いた、すべての女子が彼女のようになりたいと願った、そのテンテンがネットを通して自分に語りかけて来るという事実がどれだけ大きいか、それを知っているからみんなが感激に打ち震えた。キョンシーシリーズの終了から数えて実に12年。一度はスレ違いに終わったテンテンと日本のファンは、現代の象徴とも言えるインターネット、そのウェブ上でついに再会を果たしたのだ。テンテンもファンも、すべての人が感動した。これをロマンと言わずに何と言えようか!
 時代はいよいよ新世紀へ。テンテンは台湾の芸能界に本格復帰し、ネット上ではにわかにキョンシー熱が再燃しはじめている。時は来た!21世紀という真っ白なキャンバスに、これから新たなテンテンワールドが描かれて行く。テンテンとそのファンによって!

(00.9.13)