プロレス戦国伝2 格闘絵巻
販売元:(株)ケイエスエス
発売:1998年6月
使用ハード:プレイステーション
クソゲーとの呼び声が高い、団体育成シミュレーションゲームの続編。なるほど、10人中9人はクソゲーと言うだろう。とにかく問題点だらけで、何から挙げればいいか迷ってしまうほど。
まず最初に言っておくと、このゲームは団体「育成」シミュレーションであって、団体「経営」シミュレーションではない。選手にギャラを払ったりとか、興行が成功するか否かとかの概念はまったくない。従ってメチャクチャなマッチメイク(1興行に1試合しか組まなかったりとか)をしても何の問題もない。プレイヤーはひたすら自団体のレベルを上げる事に邁進するだけ。そんなゲームを誰がやりたがるのか疑問だが、とにかくファイプロでCPU同士の対戦を見てるほうがよっぽど楽しいという事は確かだ。肝心の試合画面もヒドイしね。グラフィックはヘボヘボ、モーションはガキガキ。あんなにぎこちなく動くポリゴンキャラは初めて見ました(苦笑)。何のためにポリゴンにしてるんだかさっぱり分かりません。しかもロジックがバカ過ぎ。ボディスラム→フォール→カウント3って、おいおい(^^;;。試合序盤で大技が出ないのは、ロジックではなくシステムらしいが。制作者いわく、「最近のプロゲーは試合が始まってすぐバックドロップを出したりする。そんな事はありえない」との事で、この持論を元に序盤では小技しか出せないシステムにしたらしいが、試合が始まってすぐ大技を出せるゲームなんてあったっけ?ちょっと記憶にないなぁ。大技が出せても、同時に返されやすいシステムになってたりするはずなんですけど。まあどっちにしても、序盤からハイスパートなんて今どき珍しくもなんともないのにね。それよりも、ボディスラム→フォール→カウント3ってのはおかしいと思わないのかな?とにかく、こんなしょっぱい試合とてもじゃないけど見てられないのに、タイトルマッチや格闘技戦では強制的に試合を見せるという太々しさ(^^;;(試合を見るのをキャンセルできない)。だったらもうちょっとまともな試合させろって。
あと、とにかく自由度が少ない。キャラのコスチュームのデザインなどが少ないのは仕方ないとしても、一つの技を覚えると、いらん技まで一緒に覚えてしまうというのは、なんとかならないのだろうか?そして何と言っても1年ごとにしかセーブ出来ないという不便さ!いくらなんでもこれはないでしょ。途中で止めたくても12月までやらないと終れない。嫌がらせとしか思えませんなぁ。
さて、上で試合画面は見てられんと書いたが、格闘技戦(≒U系の試合)は実はそこそこ見れるのである。腕ひしぎの攻防とか、タックルからマウントポジションを取っての攻防、グランドでの足の極め合いなどは、なかなか目を見張るものがある。それで分かるのは、要するにこれを作ってる人はU系が好きなわけ。で、そっちばっかり作り込んでて、普通の試合とかデスマッチ系の試合はおざなり。ドロップキックとかをヒットさせても、よほどダメージがない限りはダウンしないという理不尽さも、ロストポイント制を優先させての事。このゲームの最終目的が、グランシーとかいうヒクソンもどきを倒す事ってあたりからもその辺がよく分かる。こっちは楽しいルチャ団体を作りたいわけで、格闘技戦だとかプロレス最強なんてのには興味がないのに。まったく自分勝手なゲームとしか言いようがない。
悪いところばかり書くと血圧に良くないので、良い点なども挙げておこう(あまりないんだけどね(^^;;)。まず前述した通り、グランドでの攻防はよく出来ている。U系とか、そっち関係が好きな人には嬉しいかもね。あと、試合中は視点をある程度自由に操作出来る。レスラー視点で見るのは、なかなか楽しい。それから、コスチュームなどの色は、三色を混ぜて好きな色が作れる(ファイプロみたいに)。ポリゴン系でこれが出来るのはこのゲームだけで、その点に関しては他のポリゴン系ゲームも見習うべきところ。
まあ、そんなところでしょうか。では最後にこれを作った茶々丸氏にメッセージ。
このゲームで満足するプロゲーファンはあまりいないと思いますよぉ。
98.7.29(ダーク)