発売元:KSS |
書店に並ぶ、クソゲー批評本に必ずといっていいほど登場するゲーム。しかしながら発売から3年たった今になって自分の周りでは評価を上げている、まるで当時「世紀の凡戦」と叩かれたが、バーリ・トゥード全盛のこの時代に評価が高くなった猪木×アリ戦のように…。(笑)
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プレイヤーははじめに創生時代、異種格闘技時代、多団体時代の3つのシナリオからひとつを選択して団体を旗揚げする。各時代によってライバル団体やレスラーの強さが異なる。自分の団体所属の選手のみリネームやデフォルトが可能。(しかしグラフィックは…)
試合をこなしポイントをためることにより技の習得やレスラーのランクが上がっていくというパラメーター上げゲーム。試合は飛ばせるがタイトル戦や異種格闘技戦は見なければならない。
海外遠征や特訓のコマンドもあるがあまり意味は無い。
週プロ監修というだけあってイベントが週プロの表紙になるところはファンとしては感涙もの。
肝心の試合画面だが僕の彼女曰く「テレビのほうがまし!!」といったところ。これはあくまでプロレスにあまり興味の無い人の意見で、プロレスファン(特にU系)からみれば異種格闘技戦でフロントフェイスロックで対戦相手がタップするあたりは「ほう!!。」と思わせる部分も多い。
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クソゲー批評本のライターはゲームマニアであって、プロレスファンであらず。バーチャやスト2に代表される対戦格闘ゲームとプロレスゲームとの大きな違いは「受け」という要素があるというところ。それを分からないゲームライターにはプロレスゲームの批評はしてもらいたくないというのが自分の考えだ。
とはいえこのゲームはプロレスファンの立場から見ても悪い点が山済みである。この点は「戦国伝2」のレビューでダークさんが指摘されているのでそちらのほうを参照していただきたい。
良い点は各イベントが週プロの表紙になるところでこのゲームの続編となった「戦国伝2」にもしっかり継承されているかと思いきやTVのニュース速報という形になりプロレスファンを落胆させた。プロレスは野球やサッカーと違いよっぽどのことが無い限りはスポーツニュースなんかで取り上げられることは無い。週刊誌の表紙のほうがファンにとってはリアリティがあるのだ。ここらへんが戦国伝2の製作者サイドが犯した大きなミスである。
また引き抜きコマンドも戦国伝2と比べるとこちらの方が成功率が高い。例をあげると新日から長州、馳、武藤の引き抜きに成功した。この引き抜きコマンドの成功率の高さも評価できる点だ。
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ユーザーがゲームを選ぶのではなく、ゲームのほうがユーザーを選ぶのである。ではどんな人がこのゲームに向いているのか?。
まず、このゲームをするにあたって自分の作ろうとする団体の方向性をしっかり持っているユーザーが第一条件である。例えば「U系にするぞ。」とか「ルチャの団体にするぞ」とかが決めれるユーザー。(マスクマンの異種格闘技戦には違和感があるが…。)
それから団体所属レスラーすべてに愛情をそそげるユーザー。(説明書にあるように対戦記録をノートにつけるまでする必要もないがリーグ戦とトーナメントの優勝者にはタイトル挑戦をさせるぐらいの器量は必要)それがこのゲームをする上で重要なこととなるだろう。
反対に向かない人の条件は面倒くさがりな人、毎週木曜日には週プロではなく、必ず週刊ゴングを買う人(笑)、ターザンが編集長の週プロ以外は認めない人(爆)といったところ。
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2作目よりも1作目のほうが評価が高いゲームもめずらしい。戦国伝2では一年に一回、時間にして約30分に一回しかできなかったセーブも戦国伝では一ヶ月に一回出来る。だから、「野球中継が延長したから、ドラマの時間まで少しやろうかな?。」という軽い気持ちでサクっと遊べる。
また時代によって実況が変わるのもポイントが高い。はじめのほうは淡々と実況するが、やがて古館さんばりの実況に変化し、最後にはきちんとジャストミート調の実況に変わっていく。
グラフィックは戦国伝2のほうが格段に進化を遂げたのに対し、システム面(特にセーブ)と実況は本作品のほうが優れている。 ぜひ原点に戻り(グラフィックまで戻る必要は断じてない)「プロレス戦国伝3」 の発売を望む。戦国伝2のレビューはまた別の話。(森本レオ調)
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このゲームはおそらく各ゲームショップではワゴンセール扱いだと思う。新品を大枚はたいて買う代物ではないです。絶対に。
ただプロレスファンなら意外な面白さを発見できるでしょう。
(00.6.18 カシンだ石沢だ)