〜マックスボルテージ〜 |
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「パワプロ」でお馴染みのスポーツゲーム界の雄、コナミが開発した最後(!!)のプロレスゲーム。コナミのスポーツゲームは皆さんご存知のように実況が売りなのであるが、この時期にはもうPSが発売され「闘魂列伝」が我々プロレスゲームファンを唸らせていたので、このソフトは話題にも上らなかったのでした(泣)。 |
SFC末期に出たこのソフト。同時期に発売された「ファイプロ」と比べても総勢50人の選手や189種類の技数は開発サイドの「SFCの性能フルに使っちゃうもんね。」という涙ぐましい努力は手にとるように分かります。肝心の操作性も相手をグラップルして技ボタンを押すという極めてシンプルなもの。今考えると「バープロ式ゲーム」の先駆けとなった作品かもしれません。試合形式もプロレスルール、UWFルール、デスマッチ(電流爆破や地雷マッチも)と当時考えられる試合形式を網羅。(特にUの試合は感涙もの)
コナミの実況シリーズと言えばサクセスモード。本作品では「マックスボルテージ」と名を変えていますが、パワプロなどのサクセスモードの感覚で遊べます。プレイヤーは超日本プロレスに入団し、5年間で4冠王を目指すことになる。プロテスト(かなり難しい)、「ヤングタイガー杯」新団体旗揚げ、などのイベントが目白押しで発売当時は僕はかなり燃えました。
このゲームの最大の売りは実況を「ワールドプロレスリング」でお馴染みの辻義就(現在はよしなり)アナが担当しているところ。プロレスファンにとってこれは嬉しいでしょう。「ジャイグラ」や「王者の魂」にも実況は入っているけどどれも辻さんにはかなわない。実況のキャスティングをした関係者にはプロレスファンとして感謝します。
ここまでかなり絶賛してきたこのソフトにも問題は山済み。それは相手を転がせない、ファイプロみたいにバック攻撃が簡単に出せない。相手に技を返されると致命傷になってしまうのでどうしても飛び技〜間接技という「しょっぱい試合」になりやすいと言う点だ。ただハードがSFCであるという点を考慮すれば及第点になるのではと考えるのだが皆さんはどうでしょう?また選手もオリジナル性が強く、実在するどの選手をモデルにしたのかが分かりにくいため、感情移入がしにくいことも問題だ。(でもERカンフーという選手は結構好きだ。)
タイトルが「実況パワープロレスリング96」となっていることからつい続編を期待してしまったのは僕だけではないはずだ。思い起こせばこの年は新日本×Uインターの対抗戦でプロレス界は異常な盛り上がりをみせ、メーカー側もそれに便乗した形となったのだろう。しかし現実は厳しかった。プロレスゲームで惨敗したコナミはいち早く撤退。それが「パワプロ」の成功に結びついたのかどうかは分からないが、ちょっと勿体ないよなぁ。サクセスモードはほんとに良い出来なのでSFC持ってる方はぜひお試しあれ。
最後にコナミの人へこれ読んでたらぜひ続編のご検討を。
(2001.4.10.カシンだ石沢だ)