ファイナルファイヤープロレスリング


機 種 ゲームボーイアドバンス
発売元 スパイク
発売日 2002.7.18.


 新世紀ファイプロ第3弾。前作「ファイプロA」から1年半ぶりの新作である。ファンとしてはタイトルにある「ファイナル…」が妙に気になってGBAごと購入したファイプロファンも多いのではないでしょうか?


ここまで来たか、携帯ゲーム
 ゲームをスタートさせるとまず、GBAの性能に驚かされる人が多いのではないか。SS版「ファイプロS」、PS版「ファイプロG」並の画面を携帯ゲームで見せられた日にゃぁ、ゲーム大国日本万歳!とおもわず手をたたいてしまうわけでして。


ファン待望 団体運営モード

 ゲームのモードはワンナイトマッチ、一徹道場、エディットとファイプロお馴染みのモードが並び、本作で新たに加わったものとしてマネジメントオブリング(団体運営モード)が目をひくでしょう。プレイヤーは団体のオーナーとなり、運営や経営をし、期間内にトップ団体を目指す。
 早い話、「プロレス団体をつくろう」(略してプロつく)的なSLG。プロレスのSLGというと’次世代ユーザーに伝えたいクソゲー’「プロレス戦国伝」を思い浮かべる人も多いのでは。でも安心して下さい。プロレスゲーファンにとってはかゆいところに手の届く内容になっています。感覚的にはSFC時代に出た「レッスルエンジェルズ」に近いものがあるのかも。資金の概念があることにより、非常にシビアで小・中学生には少しとっつきにくく 大学・社会人には妙にリアルで笑えない面もある。
 団体は自分の団体を新たに興してもいいし、VJP,OJPなど既存の団体どちらからでも可能、エディット選手も参加可能(もちろんルチャやVTなどのファイトスタイルも選択できる)。とりあえず序盤は毎月の興行を成功させるのが経営を軌道にのせるために重要になってくる。そのために他団体に選手を借りたり、興行の宣伝方法も重要だ。TV中継もローカルから衛星放送まであり、NO-TVの団体はいつまでたっても人気が上がらないのはなんともイヤな感じである。他団体に参戦依頼をしてみるとライガーなんかはギャラが妙に高いしアメプロ勢(WWE)のトップは始めは依頼さえ出来ないのも笑える。マッチメークで他団体選手に不利なルールを選択すると「試合をボイコットしました」なんてイベントが発生してまた大爆笑。選手の貸し借りで団体間の友好関係が高まり、所属選手を引き抜いたりすると一気に絶縁関係になるところや団体対抗戦では興行収入が勝利側に7割、敗北側に3割の分配という少しひいてしまうようなところにまで本作は踏み込んでいる。(しかも対抗戦に限って自分で操作できないというキビシさ)
 マッチメイク概念もきちんとあり、イベントで選手同士の対立があり、遺恨試合をメインで組む、な〜んてことも出来るのはきちんと評価したいところだ。私自身はいままでのプロレスSLGに不満だった点はほとんど解消された。欠点をあげろといわれれば運営期間の短さと難易度の高さが上げられるが、運営期間が10年ぐらいに長くなるとこの手のゲームは飽きてくるし、あんまやさしすぎてもねぇ。
       

プロレスゲームとしてみた場合はどうよ
 SLGを前面に押し出している本作だが、プロレスゲームとしてもこれまでのファイプロらしさをちゃんと継承している。DC版「ファイプロD」のようなグランドの攻防はさすがにできないが、寝技の返し技は強化されている。操作性は大技がA,Bボタン同時押しになっているので慣れるまでは時間がかかるかもしれない。
 収録選手もまぁ納得できる範囲だろう、個人的にはヤシン(K・カシンね)のコスチュームで素顔の石澤(小さすぎてよく分からんが)がちゃんとあるのは嬉しい。武藤もちゃんとシャイニング・ウイザードをするし、総合系、WWE勢もきちんと入っているのは毎回のことながらファイプロ開発陣のプロレスLOVE(ちょっと古いか)をひしひしと感じます。隠しレスラーは「マネジメントオブリング」モードでスカウトが発見することにより遊べるようになっているようだ。
 エディットもリネーム機能がついていて、ファイプロ発売日にはプロレスラー名鑑を手元に名前変更というシリーズ恒例のお約束をしたファイプロファンは多いはずだ。


結 論

 いままでファイプロを買ってきた人には間違いなくオススメの一品である。団体運営モードはファイプロの新たな可能性を示したと思うし、シンプルでも奥が深い、長く遊べるゲームの典型ではないだろうか。ビジュアル面に走りすぎ、見事失敗した「オープロ」開発陣にもぜひ遊んでほしいゲームである。
 私は今冬発売の「キングオブコロシアム」「エキプロ」シリーズ最新作までのつなぎのつもりで購入したのだが、それまでには到底終わりそうもない。会場決め、カード編成に頭を悩ませ、試合結果で一喜一憂し、観客動員を見て反省する。ここまでくると完璧にファイプロジャンキーである。
 また実際のプロレス会場でも 今年は特に試合の合間にGBAやっている人間が目立ったのだがこのソフトをきっかけに増殖しているのではないだろうか?今年のG1会場や8月の全日武道館大会では見かけましたゾ。(私もその一人だし)


ホントにファイナル?

 本作タイトルの「ファイナルファイヤープロレスリング」これをそのまま鵜呑みにするのはどうだろうか。SFC時代にも実は「ファイナルバウト」と銘うって発売されたファイプロがあった。しかしなぜか翌年には「ファイプロスペシャル」として続編が発売され(恒例の年末に)ご存知のように本作まできちんと続いているわけで、最終作だからと感慨にふけるのは しばしお待ちを。本作に同封のアンケートはがきには「次回作 『ファイプロZ』(PS2版)に期待することはありますか? 」という質問がちゃっかりあるのでファイプロには引退はないんでしょうね(爆)。(タイトルもう決まってるし)


(2002.9.25. カシンだ石沢だ)


カシンだ石沢ださんが投稿してくださいました。ありがとうございました!