スーパーファイヤープロレスリングスペシャル

機種 スーパーファミコン
発売日 1994年12月22日
発売元 ヒューマン


 SFC(スーパーファミコン)時代の最高傑作との呼び声も高いこの一本。前作「スーパーファイヤープロレスリング3」からグラフィック、選手数ともに格段の進歩を遂げた。それ以上に豊富な技数、各モードの充実さから「この作品でSFCでのファイプロは最後では」との思いを抱いた方もおられるであろう。実際は本作品発売からちょうど1年後に発売された「スーパーファイヤープロレスリングX」でSFCでのファイプロシリーズは終わりを告げるのだが…。

ついに登場!!チャンピオンロード

 本作品ではシリーズ初のストーリーモード「チャンピオンロード」が加わった。ファイプロは連打、連打で額に汗する従来のプロレスゲームとは異なり、タイミングという要素を取り入れた。しかし2作品目、3作品目と発売されてゆくとファンの間にもしだいにマンネリ化が浸透していった。それをヒューマン側が察知したのか、どうかは知らないが「チャンピオンロード」の出現は間違いなく斬新で、マンネリ化を一掃させるには十分であった。

「チャンピオンロード」とその世界

 チャンピオンロードの監修は週刊プロレス「BOYSはBOYS」の連載でプロレスファンにはおなじみの斎藤文彦氏。彼の文章が好きな人なら間違いなくこのモードにハマルはずだ。
 プレイヤーは純須 杜夫(これはリネーム化 もちろんプレイヤーの本名でプレーするほうが楽しい)となりプロレス界に身を投じることとなる。スタート時の主人公の年齢が15歳ということと青森は八戸市出身ということからプロレスファンなら誰をモデルにしたのかは容易に想像できるだろう。彼はファイプロファンにはもうおなじみとなった若元 一徹に拾われプロレスラーとしてのスタートをきる。
 若元道場での同期生もザ・スパイク、ディック・ロード、ジ・アンダグラウンドとプロレスファンにとってはたまらないものとなっている。
 若元道場でのしごきが終わるとVJP、OJP、UWHの3団体から参戦する団体を選択する。
 VJPでは超帝カイザーに「がんばれ!、がんばれ!」と励まされ伊達 弘にはビンタをくらう。(笑)
 OJPでは四天王に挑戦する。
 UWHでは新たに分裂騒動が勃発しまたプレイヤーは選択を迫られる。
 そういうイベントは実際起こったことがモデルとなっているのでリアリティも高い。
 各団体で頂点を極めると(つまり勝ち進んでいくと)、現実には起こるはずのない日本選手権なるものに出場することとなる。
 決勝で冴刃 明と対戦することとなるのだが…。
 これだけで終わらないのがこのモードのすごい所。今度は世界を舞台にストーリーは進んでいく。スケールの大きさでは昨年発売の「ファイプロG」でさえ及ばない。
 イギリスでの「爆弾小僧」との出会い、フロリダでの「プロレスの神様」との出会い、そしてデンバーでのオクタゴンの中での死闘。発売当時のプロレス・格闘技界の流れが見事に反映されている。
 そしてやがて行われる「世界一決定トーナメント」、想像できなかったエンディング。やり終えたときにプロレスファンなら間違いなくこのシナリオに拍手を送りたくなるだろう。

そしてファイプロはPS2へ

 ファイプロはPS2で発売されることが発表されているが、システムや操作性などは従来どうりで問題無いだろう。
 ストーリモードは「ファイプロG」からの間隔を考えると、シナリオの面では多少苦しいかもしれないだろう。ただU系団体の試合ではKOやギブアップだけでなくロストポイントやラウンド制、時間切れの判定などを取り入れてほしい。(例えるとロープエスケープは3回まで可とかね。)せっかくいいハードで出すんだから、アイアンスラムの二の舞だけは避けてほしい。ファイプロはファイプロでいいのだから…。

最後に

 「ファイヤープロレスリングスペシャル」は数あるファイプロシリーズの中でも1,2を争う出来といえるでしょう。ただハードがSFCということを考えると中古屋で探すのは現時点では少し難しいかもしれません。
 このソフトを持っている方は押し入れの中から眠っているSFCを引っ張りだして久しぶりに遊んでみてはいかがでしょうか?。

(2000.6.29. カシンだ石沢だ)


カシンだ石沢ださんが投稿してくださいました。ありがとうございました!