オールスタープロレスリングII


 

 機種 PS2
 発売元 スクウェア
 発売日 2001.10.24.
    


 衝撃(いや笑劇か)の問題作といわれた前作から1年、個人的には続編を別に期待もしていなかったのに本作品は発売された。
 実際に遊んでみると前作同様、確実に苦々しい思いが湧きあがってくるのは果たして僕だけだろうか。


オープロ製作班の皆様、目を覚ましてください!
  

 前作で不評だった操作体系を改善、システム的には一歩進んだといったところ。しかしながらオープロ恒例となったあさっての方向をむいてののそのそ歩きなどはしっかりと継承されている(泣)。現場のトップは何やってたんだか…。
 また収録選手は前回の新日に加え、ノアやZero-oneにまで手をひろげ、ようやくオールスターの名に恥じない人選になっているのだが、入場シーンがないことでそのありがたみも半減。前作で唯一キラリと光った部分といえば入場シーンである。オープロはよりリアルなプロレスゲームを目指して作られたはず。入場シーンはプロレスファンが感情移入を込める最初の場である。それは5・2東京ドームの三沢コールを見れば明らかだろう。データの関係もあるだろうからすべて入れろとは言わないがやっぱ「スパルタンX」ぐらいは入れてもいいんじゃないか?。(個人的にはカシンの「Skywalk」も欲しいが)          

今回もやっぱり…


 新日、Zero-oneときたら小川直也と村上一成のUFOコンビは入れるだろ、普通。前作ではしっかりと入っていた藤田もなぜか姿を消しているのは納得いかない。仮にも藤田は当時IWGPのチャンピオンである。健介がIWGPチャンピオンとして初期設定されているのも昨年の低迷ぶりから考えると理解に苦しむ。
 猪木は出ているのになぜこの3人は入っていないのか。製作サイドと我々プロレスゲーマの間ではまだ深い認識のずれがあるようだ。
 以下は昨秋 発売のプロレスゲーム列伝からの引用を少し
「新日公認のゲームになぜ鶴田が出る必要があったのか。鶴田は『口にし続けたが自分から行動したことは一度もなかった』と語っている。その思いを持つ彼を新日の情景に放り込むのはいかがなものか。スクウェアだったら何をやっても許されるのか、である」うむ、全く同感。


オイオイ冗談じゃねえよ!

 操作方法を良くなった、タッグマッチも出来るようになったなど前作からの不満部分は最低限しか改善されていないわけで。
 スクウェアがリアル志向にこだわる気持ちも分からんでもないわけでもない、がスパイクがファイプロ2D宣言したように何でもかんでも3D化すればいいというものでもない。
  相変わらずレスラーエディットはなし、最強のプロレスゲーム を目指すのなら開発陣はファイプロ、バープロを一から遊び直してほしい。そうすればオープロには大切な何かが欠けているのがわかるはずだ。最近の日本のプロレスはWWEに比べるとゲームに落とし込める要素は少ないだろう。そういった意味で目の肥えたユーザを相手に勝負するのは厳しいと思う。ただこれまでの「オープロ」2作品が我々プロレスゲーマに与えた印象は「映像がリアルで相手と10分ぐらい戦う対戦ゲーム」でしかない。さらにいってしまえばなぜか野毛の道場でのスパーリングを見ているような感じのもったり感はテンポ悪すぎ。
 例えば勝ち抜き戦のモード一つにしても試合後にインタビュー画面で選手がコメントを述べるようにすればまた違った感じになるのでは。
 そもそもプロレスとは興行であり、相手、観客、レフリーなど会場の状態を一瞬、一瞬で判断し、最良のムーブを選択しつむぎあえる格闘芸術(プロレスゲーム列伝より)である。こうなったらとことんリアルさを追求して技の重みを表現するしかオープロが生き残る道はない?。

今となってはメモリアルソフトですが

 今年に入り新日から武藤、小島、カシンが電撃移籍しワールドプロレスリングで3選手が見れなくなったことを(GAORAでは見れますが)思えば新日勢との絡みは見ていて懐かしい。特に平成の名タッグチーム 天コジの天コジカッターは涙を誘う。武藤のSW(シャイニングウイザード)もエキプロ3が出た今となっては比較する気分にもならない。スクウェアがイチオシのオープニングムービーでは武藤×三沢の夢の対決も流れる。(時間短いですが。面白かったですか、これ?)    
おそらくゲーム業界よりもプロレス業界の団体交流にこのソフトが果たした役割は大きいのではないか。昨年の新日とノアの急接近に一役買っていることはだれの目にも
明らかである。(プロレスファンとしてはありがとうなんだけど)
 最後に断言してしまえば PRIDE出場時の菊田ではないが「負けたものは去れ!」(ちょっと分かりにくかったかな)ということになってしまう。ファンからしてみれば名前だけのオールスターはもういらない。個人的にはオープロの位置付けはプロレスゲーム界における大日本プロレスだと思っている。オープロ3がでるのならせめて全日本プロレスクラスなって帰ってきてもらいたい。今度は正直スマンではすまされないぜ!


(2002.5.10.カシンだ石沢だ)


カシンだ石沢ださんが投稿してくださいました。ありがとうございました!