2.筆の運び方(運筆法)

 

まず、筆の持ち方なんですが、これは学校の御習字の時間にならったように「筆をまっすぐ立てて・・・」っていうのは忘れちゃってください。持ち方は親指と人差し指中指で軽く持って、鉛筆を使うのとほぼ同じでも構わないとわたしは思います。テクニックによって、筆の一番上の方をつまむように持って書く時もあります。中国の作家の先生などは筆の一番上をつまむように持って描かれる方も多いようです。細かく精密な描写のときは鉛筆を持つように持つ時もあります。臨機応変に持ち方は変えなくてはいけないので、はじめのうちは持ちやすい持ち方でリラックスして筆をもってみてください。

 

それから筆に墨をつける時の注意ですが、まず筆はすべてほぐしてしまってください。そして御習字の時のようにいきなり墨をつけてしまうのではなく、まず筆をどっぷり水に浸しちゃいます。

このままだと水がぽたぽた垂れるほどですから、新品のふきんを一枚用意していただいて、まず余分な水はこのふきんでぬぐいます。

そうしてから、墨を筆の先・・・・そうですねぇ筆の穂の1/3くらいまでつけてみてください。

こうすることで筆の穂の中で墨が濃い部分と薄い部分が出来て以下のように描いた時、墨で描かれた画面に墨の濃淡のグラデーションが生まれます。

ではいよいよ筆の運び方です。

筆の運び方(筆法)には大別して2つあることを覚えてくださいね。それは・・・

1.没骨法

といいます。「ぼつこつほう」って読まないでくださいね。(^^;)「もっこつほう」と読みます。

輪郭線を描かないで筆をう〜んと斜めに寝かして筆の腹(側面)で描きます。「側筆(そくひつ)」なんていい方をする場合もあります。

 

筆を倒して同じ幅を保つように注意して引いてみてください。

 

実例)植物の葉に使用したりします。

もうひとつは

2.鈎勒法(こうろくほう)

といいます。これは線描で描く方法です。線で輪郭を描いていく時に使います。こちらは筆を立てて筆の切っ先でもって一気に引いていきます。といってもさっと描くわけでもないんです。

 

ぼやぼやしているとじわわわ〜んと墨がにじんでしまって線が太くなったり細くなったりしてしまいますが、一定の速度でじっくり引きます。

 

こんなかんじです。

線の太さが途中で変わらないように注意しながら20センチくらいまっすぐに引いてみてください。なんか手が震えちゃってダメだなぁ〜なんて最始のうちは思うかもしれませんがガンバッテ練習してみてくださいね。

 

実例)花びらの部分に使用したりします。

 

この二つの運筆法が水墨画の一番の柱になります。根気よく練習してみましょう。(^^)