『真夏日とセーラー服(仮)』九駅目前編

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 冷房の効いた車内で、香澄の柔肌は上気し汗にまみれきっていた。
 はだけきったセーラー服は両手の自由を取り戻して操られている間に徐々に肩へと戻り、中途半端に纏うその姿は制服は違えど香澄が高校生である事を再び強調し、強制的な奉仕に引きずられ我を失っている白い柔肌をより無残に引きたたせ陵辱者達を興奮させていく。細い腰ががくんと激しく痙攣するたびに膣内の指は処女らしからぬ淫らな反応で締めつけられ、群がり乳首をしゃぶる男の唇を愛撫するかの様に乳房がぶるんと重く弾み、そしてしなやかな指は無意識に男性器を強く握り締めつつ潤滑液に滑りぬるぬると幹を上下に扱きあげる。
 恐怖と絶望と快楽に白濁した思考の中、香澄の意識にも届かない表層で様々な感覚が泡の様に弾け、消えては溜まっていく。生臭いとも青臭いとも言えない男性器の有機的な臭いへの抵抗感、手で握る幹の硬さとごつごつとした凹凸と射精を伴わない脈動への処女特有の怯え、膣内を弄ぶ指の逆らい難い動きに従ってしまう膣の蠢きへの恥じらいとその執拗さに屈してしまう事の危うい甘さ、その後ろの窄まりを時折撫でていた他の指が徐々に大胆なものに変わっていく事に気付きながら抵抗よりも恍惚と溺れてしまう身体…抗ってもどうにも出来ない無力な存在ならばひたすら我慢してやり過ごすしか出来る事がないと諦めてしまった方が楽なのだ、そう考える少女の口を初めて犯す男の性器が容赦なく前後に擦りたてる。
 涙に濡れた大きな瞳の目尻がほんのりと朱に染まり形よい小鼻で喘ぐ清楚な少女の牝の顔は、これがただの暴力だけではなくなってしまっている残酷な事実を複数のレンズと男達の視覚に伝えてしまっていた。
「嫌がりながら上手にしゃぶるじゃないか」
「こりゃあ相当すけべなお嬢ちゃんだ。中がぐびぐびうねって指擦って吸いついてくる」
 陵辱を続ける男達の手に頬や尻肉を撫で回される香澄の耳に容赦ない卑猥な言葉が届く。口内を犯されているから舌や唇が男性器に触れてしまうのも、三本指で膣内を弄ばれているから熱い粘膜が波打ち絡みついてしまうのも、まるで自分が淫蕩な色情狂であるが故の様に言われ続け、虚ろな思考で否定したくとも自由を奪われたままの少女は徐々にその言葉を否定する余裕を失い、言葉を擦り込まれていく。
『わたし…いやらしいおんななの……?』
 否定しなくてはいけない言葉がじわりじわりと思考を侵していきながら身体中の快楽と結びつき、処女肉が男達のリズムに巻き込まれ溺れていく。乳房を荒々しく揉まれる痛みは犯され貪られる暗い精神的悦びと刻み込まれていく残酷な愛撫のもどかしさの方が勝り、全身が強引で執拗な愛撫の虜となり怯え続ける少女の精神の核を容赦なく淫欲のうねりに飲み込もうと繰り返し襲いかかり、それが更に怯えるかすかな意識に歪んだ倒錯的な影を落としていた。――内向的な少女を、肉体的だけでなく精神的な被虐的な快感の種を植えつけ、そして水の様に注がれる無理強いの陵辱が急速に犯される女へと芽吹かせはじめる。
 考えてはいけない。かすかにそう思いながら、香澄の口と膣は男性器と指を交互に意識していく。膣内を犯しているのが男性器でなく指なのが男達の配慮に思え、快楽の捌け口としての陵辱とは違う優しさなのだと最悪の事態でない理由を…自分が逃れられない言い訳を無意識に探し、そして縋りついてしまう。それは決して思いやりなどではない非道な行為の中、潰されない為の逃避なのかもしれなかった。
 唾液にまみれた幹が唇を擦り立てて外へ引き戻されそして捩じ込まれ、ぐちゅぐちゅと音が沸き立つのを感じた香澄は本能的に唾液とそれに混ざる男の先走りも嚥下する。飲み込む動作は男の性器に口内粘膜を密着させる事に他ならず、頭を揺さぶられる少女の舌と口内は男の幹と鰓と傘に自ら吸いつき絡み捏ね回すかたちになった。んっと詰まった声を小鼻から漏らす香澄は、男達の一人が携帯電話を操った後周囲の男達に何かを伝え微妙に空気が変わっていくのに気付かなかった。
「――ぁ…っ」
 強く押さえ込まれていた頭を不意に戻され、香澄の唇と男の傘の間に濃密な糸が間に伸びる。息苦しさに喘ぐ少女の膣の収縮をしばし堪能していた男が指を引き抜き、そして乳房や両手を弄んでいた男達も一斉に手を止めて香澄の服装を整え始めた。
「おわり……?」
 安堵のあまり膝から崩れ落ちそうになる香澄はブラジャーをつけないまま直されるセーラー服やパンティを返す事なく履かされるローファーに戸惑う。ただでさえ頼りない服装なのだからせめて下着くらいは身につけておかなければ香澄としては人通りに戻るなど出来る筈がない。と、不意に香澄の手が引かれ、すぐ近くにある車内トイレに引きずり込まれた。
《次は××××駅ー、次は××××駅ー》
 車内アナウンスが放送される中、車内トイレのドアが閉ざされるが早いか香澄の両腕に残っていたガムテープが音を立てて剥ぎ取られていく。強粘着のテープを勢いよく剥がされる痛みに悲鳴をあげそうになった香澄の短過ぎるスカートが捲り上げられ、男の平手が少女の尻肉を勢いよく叩いた。
「ひ……ぁっ!」
「香澄ちゃん、まさか終わりとか思ってない?逃げたらお家やお父さんの職場や学校に香澄ちゃんの恥ずかしい写真や動画ばら撒くよ?」
「そんな……」
 自宅や学校ならばまだしも父親の職場にまで迷惑をかける可能性に香澄は絶句する。セーラー服のタイを整えられながら他の男に布の上から荒々しく乳房を揉みしだかれ、乳首を強く捏ね回される刺激に呻く少女の片脚が抱え上げられ、狭い車内でフラッシュが焚かれ大きなシャッター音が鳴り響く。剥き出しの女性器は直前まで男の指で荒らされていた為にぽっかりと口を開いたまま愛液を垂らしているのは性的知識や感覚の浅い少女にも違和感の形で伝わり、非力ながらに縮こまろうとするその膣口からは羞恥と抵抗を裏切る様に愛液が伝い落ちる。
「――さぁ行こうか香澄ちゃん」
 ぐいと手首を掴まれ、肩を押され転がる様に香澄はトイレの外へ、そして更に周囲を男達に囲まれる形で陵辱の舞台であった車両から駅のホームへと連れ出されていた。
 まだ都心と呼べない住宅地の駅らしく木が多いのか男達の中にいても耳を塞ぎたくなる程の蝉時雨と、ホームの隅で屋根のない場所の為に強烈に照らす夏の日差しの眩しさと熱さに一瞬我を忘れる香澄の足が男達に押されるまま進む。その後方で直前まで乗車していた電車のドアが閉じる音と発車メロディが、異常な世界の入口が閉ざされ更なる悪夢に引きずり込まれる合図の様に香澄の耳に届いていた。

 駅名を意識している余裕のなかった香澄は、更に周囲を何重にも囲まれた状態で自分がどの駅にいるのか、この辺りがどうなっているのかも判らず不安に周囲を見回そうとして凍りつく。
 背後から荒々しく乳房が揉みしだかれ、尻肉が撫で回される。まさか陽光下で行われる筈もない大胆な行為に香澄の全身が強張り足がもつれそうになるのも無視して無理矢理男達は歩を進めていく。車内に引きずり込まれた時は口を塞がれてしまっていたが、今は口を塞がれてもいなければガムテープの拘束もない…だが無数の画像を撮影された上での脅迫に香澄は竦みきってしまっていた。男達の機嫌を損ねれば先刻のインターネットサイトに更に画像を投稿されてしまうだけでなく、自分の周囲に画像を送られてしまう。顔が判らないならばまだ誤魔化しようがあるかもしれないが、学生証と顔を一緒に映したものであれば香澄の学校名も氏名も明記されており、近所の住人は当然だが父親の職場の人間も気付いてしまうかもしれない。女としての尊厳よりも先に両親へ迷惑が及ぶ事だけは避けたい香澄の瞳から涙が溢れた。
 はぁっと少女の呼吸が乱れる。
 下着を身につけていない状態のセーラー服の下で乳房と尻肉が無防備に弾み、愛液にまみれた下腹部から内腿はぬるぬると滑り、自分がどれだけ淫らな姿で屋外にいるのかを身体に伝えられた脳の片隅で弄ばれ続け焙られた牝の疼きが煽られていた。理性は懸命に終息を望んでいる中、少女の身体の奥で滾る妖しい刺激は電気信号の様に背筋を貫き、乳首やクリトリスを痺れさせ、指先までを甘い破滅に蕩かしてく。短過ぎるスカートもセーラー服の裾も時折男の指で悪戯に捲りあげられ、牝臭に蒸れた空気が男達に囲まれつつも外気と入れ代わり柔肌を撫でる。一つひとつの刺激が香澄を絶望させ、そして疼かせていた。
「ぁ……」
 階段に一歩踏み出した瞬間、香澄はちいさな声を漏らす。
 段差に足を乗せた時に自然とくねる腰に、膣口がくにゅりと擦れ少女の全身を淫らな感覚が貫いた。今、男の指に貫かれていないと感じると同時に貫かれていない状態の奇妙な物足りなさとむず痒さに香澄の顎が跳ね上がる。尻肉が強張り歩を止めそうになる香澄を男達は押し一歩二歩と階段を進ませるたびに膣口の疼きは一定のリズムで全身を弾ませ、階段を一段進み身体が揺れるたびに摘ままれた乳首が強く引かれ、じんと沁みる痛みと痒みが広がる中、前へと歪む乳房が布の下で卑猥に弾む。
「ぁ…っ……ぁぁ……っ、っ…ぁ……ぅっ、は…ぁ……んっ」
 かすかに溢れる声は悩ましい艶を帯びていたが、香澄は自分が漏らしている声に気付く余裕もなく無意識に腰をくねらせ続けていた。常の歩き方とは異なり膣口の疼きと擦れに我を失っている少女の腰は愛液にまみれた丘が擦れる事を目的とした動きに変わり、弄ばれ続けてわずかに腫れた肉襞を自ら捏ね回す為の自慰の動きを繰り返すぎこちなさは周囲の男達には簡単に判るものになり、そしてくちゅくちゅと肉襞を滑らせる愛液の淫猥な音は蝉時雨の中、赤裸々に鳴り続けていた。
 移動したのは連絡階段らしく屋根のない通路へ出た途端、階段では控えられていた男達の手に再び弄び始められた香澄の瞳は知的な光を失いかけ唇から溢れる声は更に悦びの度合を増していく。歩く為には邪魔である筈の横合いからクリトリスを擦った指に、遂に香澄の膝がかくんと崩れた。
「おいおい駄目じゃないか」
「乗り換えまであと少しある…ここでも撮るか」
「早い奴、前に来いよ」
 左右と背後から支えられ膝を突く寸前で身体を支えられ、揶揄う様な男の声が上からかけられて虚ろに顔をあげた香澄の瞳に、陽光の下、自分達を見下ろす男達の顔が映る。本数が少ない上に既に乗降客は先に移動済みと見越したのか、囲んでいた男達が電車内と同じ様にその周囲に数名を残しただけの空間を作り、そしてカメラを取り出していく中、突然香澄の腰のホックが外され短過ぎるスカートが通路の床に落ち、そしてセーラー服の前がはだけられた。
「――ゃ……ぁっ!」
 夏の陽光の下、身体を剥き出しにされてかすかな悲鳴を漏らす香澄の身体が左右と背後から支えられ、子供の用を足す為の様な体勢にされて宙に抱え上げられる。狭い通路に詰まる状態での人垣で香澄の瞳には堂々とレンズを向ける男達と、そしてズボンのファスナーを下ろす数人の男達とその向こうの夏空が映る香澄の瞳が恐怖に揺れ、引き攣った呼吸を繰り返すたびに淫らに突き出す状態の白い乳房がぷるぷると小刻みに跳ねた。
 前の乗換駅の様な高層ビルやマンションなど自分達を上から覗けそうな建物は少なくとも香澄の位置からは確認出来ず、そして五月蝿い程の蝉時雨は香澄の悲鳴など掻き消してしまうだろう。容赦なく注ぐ夏の昼下がりの日差しが汗まみれの白い肌をこの状況に相応しくない健全な印象で光らせるが、水着姿ならば健康的と言える若い肌も汗も怯えと疼きに染まった香澄のまだ若い美貌と男達に取らされた淫猥な姿勢は到底健全と呼べるものではなく、嗜虐美に彩られていた。
「これ、欲しかったんだろう?」
 背後の男の指に尻肉の間から膣口を撫で回され、香澄の身体が跳ねあがる。堪らないむず痒さが膣口から全身に駆け巡り、嬲る様に膣口の周りを這い回り粘膜を左右に開く男の指に少女の唇が甘く切なく戦慄き、大きな瞳から涙が溢れる。次に行われるであろう責めを否定も肯定も出来ず視線を彷徨わせる瞳に、カメラを遮らない様に距離を詰めつつ猛るものを手で扱く男達が映っていた。

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20110518

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