再び駅に停車し、そして今度は何人かは乗車してきたのかもしれない。若者らしい話し声が聞こえる車内で、香澄は乳房を揉みしだかれクリトリスと膣内を同時に弄ばれ虚ろに啜り泣いていた。
全身が小刻みに震えるその下腹部で愛液がぴちゃぴちゃと音をたてるその上で、カップ部分が開けていたブラジャーの肩紐の留め具がカップ上部から片方だけ外された。背中のホックも外されたブラジャーは一方だけストラップを残され、はだけたセーラー服と共にだらしなく垂れ下がる。ブラジャーもパンティも片方だけで身体に留められ、セーラー服も乱された香澄の姿は無残に陵辱されている女そのもののより惨めなものにされていく。下着を両方とも奪われた方がまだマシだろう。
強制的な快楽に薄桜色に染まった柔肌がびくびくと震え、男達の手が穢す様に身体中をまさぐる。冷房の利いた車内で薄く汗ばむうなじを男の舌が舐め上げ、吸いつき、唾液を擦り込む。透明ガラスより格段に和らいでいる日差しの熱を内腿に感じ、自分のいる環境を肌で再確認してしまい香澄は喘ぐ。
『だれか……いる……』
映画か何かの話をしているらしい青年の声に香澄はぼんやりと思考する。身体はよがり続けていて少しも休息を得られないまま、思考の片隅は外界を感じつづけていた。話し声、電車の揺れ、車内放送、窓の外の日差しの熱、エアコンの風…何もなければ気付かずにいるであろう事が香澄の精神の一部を現実に繋ぎ止め羞恥と不安を際立たせ、淫らな反応を繰り返す乙女の柔肌をより敏感なものにさせる。
もし助けを求められたとしても、自分のこのあられもない姿を彼らに見られてしまう。指を根元まで挿入されてびくびくと蠢く膣肉から溢れて内腿を垂れ膝まで濡らす愛液を、噛まれるたびに全身が震えて疼いて仕方ない乳首を、舐め回され耳からうなじまで唾液まみれの肌を。――どれだけ淫らな姿になっているのか、哀れな被害者だと庇って貰えるのか、惨めな女だと同情されるのか…助けられている間もびくびくと膣は震えたままで乳首もクリトリスも疼き続けているであろうと香澄は嫌でも想像出来てしまう。
『いや…きづかないで……、きづかない……で……』
膣内に根元まで挿入された中指の先が前後に動き、たった三十分前には知らなかったもどかしい疼きと異物感に香澄は喘ぐ。膣内で粘膜と指が絡み合う中、水の様な愛液が互いの間を埋め、満たし、溢れ出てぴちゃぴちゃと音をたてた。
抵抗と呼ぶには虚ろでちいさな声が男の手の内側で消えていく。哀願が少なく虚ろになっていく中、か細い鳴き声は追い詰められ徐々に艶を帯び、快楽から逃れようとするかの様にくねる肢体に、男に掴まれ揉みしだかれる豊かな乳房が弾み、唾液と汗のぬめりで悩ましく光る。
不意に、膣内を責めたてていた男が指を抜いた。どうせまたすぐさま挿入されると虚ろに考えた香澄は、それでもまだ挿入されずにいる事態に困惑する。
形良い乳房が男の手で強く揉まれ、可憐に尖った乳首がカメラに映る様に意識されつつ執拗に舐め回される。その痛みとむず痒さに呻く少女の膣が一人淋しく締めつけ、液晶画面の中で膣口の辺りを指で左右で拡げられた大写しの状態で濡れた肉色の谷間の中心の穴がくぽくぽと締めては緩む蠢きを繰り返す。愛液が奥から溢れ、丘から内腿へ垂れていく。グロテスクと最初感じただけのものを何故か今は淫らと感じ、少女は視線を逸らそうとした。
「見ていないと駄目だよ」
わずかに視線を逃した途端に香澄の耳朶を男に噛まれ、香澄の全身が硬直する。
「香澄ちゃんの淫乱おまんこをちゃんと見ていないとお仕置きだよ?」
今でさえ傍若無人な振る舞いをしていると言うのに更に酷い事があるのだろうかと、香澄は何度も動かせるだけのわずかな範囲で首を振った。いくら性的知識が乏しくても淫乱という言葉は判り、更に泣きたい気持ちになり何度も少女は首を振り続ける。
生理的反応で女性器が防衛の為に濡れてしまう事を知らない香澄は自身の身体が本当は男の言う通りの特に恥知らずなものなのかもしれないと不安になるが、その不安を拭ってくれる存在はこの場に誰もいなかった。初めての相手が同い年程度でお互い不慣れな状態ならば少女の身体がこうも性的反応を引きずり出されなかっただろう、女体を弄ぶ事に慣れた集団によって無理矢理引きずり出される快楽に抵抗する手段を持たない香澄の怯えた心は、首を振る間にも刻みつけられる快楽に弱さと不安を増していく。
十代の乙女ならではの張りのある乳房が背後から回された手で寄せられ、乳房の間で何かを挟み擦りたてる様な動きの繰り返しを他のカメラに映され、まるでAV女優の身体自慢に似た構図で少女の肢体は撮影されていく。だが演技や愉しむ風情のない怯えきり不安に啜り泣く香澄の清楚な美貌はこれが実際の陵辱なのだと誰の目にも明らかなものだった。そして、今液晶画面で見せつける為に香澄を撮影しているのでなく、その画像がインターネットで時間差なく配信されてしまっている可能性など少女は知る由もない。それも、この事態を仕組んだ者によって知られたくない人々に公開されるなど。
男に命令されるままに液晶画面を怯えて見つめる少女の大きな瞳から大粒の涙がとめどなく流れ、液晶画面の中では左右に開かれた粘膜の中央の膣口で男の指が弧を描くたびにそれを招く様に牝肉が蠢いていた。
もう挿入されずに済むと楽観する事が出来ないまま、香澄は男の指の動きを視覚と粘膜で意識してしまい、意識すればする程膣口は男の指の動きに敏感になっていく。わずかに膣口から逸れるたびに安堵し、膣口に寄るたびに挿入されてしまう予感に全身がざわめく…その間も膣は刻み込まれた異物の抽挿をなぞる様に蠢き、膣内に何もない状態がおかしい錯覚に捕われていく。
その間にも乳首とクリトリスだけでなくうなじも背中も男達の手と舌の洗礼を浴び続け、香澄の怯えた美貌は被虐的な色香を漂わせていた。絶望と不安に震える肌は甘く火照りを帯び、冷房の利いた車内の一画にまだ薄い不慣れな牝のにおいが篭っていく。
「おまんこ、くぱくぱしてるの判るよね」
言葉責めの後、耳穴に舌を捩じ込まれ香澄は鼻にかかった甲高い啜り泣きを漏らす。耳を弄られるなど考えてもいなかった少女の背筋を、耳をしゃぶられ、舌を捩じ込まれ、耳朶を噛まれるたびに堪らないざわめきが上半身に広がる。上半身だけでももどかしいざわめきが膣口や全身の責めの疼きと繋がり、香澄の白い肢体が男達の中でびくびくと跳ねた。
「次の駅に着いたら、香澄ちゃんのおまんこに指を挿入してあげるからね」
男の宣言に香澄の全身が一瞬強張る。
次の瞬間には複数からもたらされる快楽に翻弄され全身でよがる香澄だったが、その虚ろな意識の中で、ぽつりと消えないものが残されていた。
また、指が挿入される。次の駅に着いたら、指が挿入されてしまう。
減速による電車の揺れの変化といつ流れるか判らないアナウンスに怯えているのか、待っているのか自分でも判らないまま、香澄は膣口を撫でる指を避けるとも招くともとれる動きで無意識に腰をよじらせていた。
《次は□□駅ー、次は□□駅ー。○○○線はお乗りかえになりますー》
癖のある車内アナウンスの流れた瞬間、香澄の身体がびくりと震えた。
まだ減速には早いのか車窓からの住宅街の流れは変わらないが、反射的に外を見てしまった香澄のクリトリスが強く押し潰され、続いて全身が強過ぎる刺激で甚振られる。
「駄目だよ香澄ちゃん、画面ちゃんと見て」
乳首とクリトリスを爪で潰され、呼吸が詰まってしまう激痛に硬直する香澄の耳朶がべちゃべちゃと舐め回された。
「……。『やさしくしてください』って言ったら今のは許してあげるよ?」
男の提案に同調し、香澄の哀願を促す様に爪の先に更に力が込められる。過敏な場所が裂けてしまいそうな恐怖に何度も小さく頷く香澄の口から、初めて手が外された。ずっと封じられていた口からの空気を吸い込んだ少女は、悲鳴をあげる事すら思い浮かばず残酷にもたらされる安堵感に弱く啜り泣く。
誰かの助けを呼ぼうとするだけの勇気も香澄にはないのを弄び続け悟った男達にとっても口から手を離すのは危険な賭けだった筈だが、それは成功してしまった様だった。
「ほら、『やさしくして』って言わないと香澄ちゃんの乳首とクリちゃん千切れちゃうよ」
力任せに口元を抑え込む手が離れ、助けを呼び首を振る自由を与えられても怯えきった香澄はちいさく首を振る事しか出来なかった。男の言葉は愛撫をせがむもので決して口にしてはいけないとかすかに残る理性で感じ、だが激痛が本当に千切れてしまうのではないかという不安を煽りたてる。
「駅で乗ってきた人に香澄ちゃんのお願い聞かれちゃうかもね、早く言わないと聞かれちゃうよ?ほらクリちゃんも乳首も痛そうだねー」
男の言葉を裏付ける様に減速の振動が車内を揺らし、香澄の身体が男達の手の中で揺れた。香澄を言葉で責めたてる男の声は至近距離だから聞こえる大きなものではないが、激痛に香澄自身が悲鳴をあげてしまい誰かが助けようとしてくれればこの姿を見られてしまうのかもしれない。悲鳴を一生懸命堪えても、その結果無残に身体に傷をつけられてしまったら病院に行かなければ癒らないかもしれない…だが陵辱でついた傷をどの様な顔をして医者に見せて原因を話せるだろうか。ましてや親に相談など出来る筈もない。
「ぃ……、や……やさし…く……して…ください……」
初めての惨めな哀願は囁きよりも小さく、だが確かに高性能なマイクに拾われていても男達の耳に届くには小さ過ぎた。しかし香澄の唇が動いているのは誰もが判っているらしく、爪で上下に挟まれた乳首の更に先端を男の舌がゆっくりと舐め回し、泣きじゃくりながらも清楚さをまだ漂わせている少女の顔をカメラが映す。
更に減速され、がくんと身体が揺れ香澄は啜り泣く。
「やさし…く……っ、やさしく…してください……っ、おねが…い……します……、やさしくして……くださ……いっ」
食い込む爪が揺れで更に力を込められる激痛から逃れようと香澄は哀願を繰り返す。ほんのわずかに声量を増した哀願は酷く儚げで惨めで、そして鈴の美しい音色に似ていた。手で被われる事なくそのまま映される清楚な美貌は桜色に染まり涙に濡れ苦悶と快楽に歪んでもなお可憐で、哀願の声音と内容と相まって常の香澄を知っている人間ならば目を剥くであろう被虐的な色香を漂わせている。だが、余程の聖人君子でない限り、香澄を助けはしないだろう、清楚であるが故に尚更無残に踏みにじり泣かせたくなる姿だった。
減速の振動を感じる香澄の乳首とクリトリスに食い込んでいた爪が離され、華奢な身体が男達の腕の中でぐったりと力を失い倒れそうになる。
「ぁ……ぁぁ……」
緩い嗚咽がかすかに漏れ、崩れかける肢体を男達が仰向かせ、胸を張らせるがままに委ねていた香澄を減速する車体が揺らした。原因が取り除かれても爪を食い込まされた激痛は即座には霧散せず、だが脈打つたびの激痛と交互にじわりと沁みる様に徐々に広がる痺れはどこか甘く小刻みに震える肌をざわめかせ、次に襲いかかる痛みすら妖しいものにすり替えされそうで香澄を戸惑わせる。不慣れな少女の戸惑いを意味している事は本人は判らなくとも、弄ぶ男達の方には手に取る様に判っているかもしれない。
不意に、香澄の肢体が背後から抱え上げられた。
背中で固定される手はそのままに、二人がかりで両方の腿を掬い上げ左右に開かされる形は大人が幼児のトイレを手伝う時のものに近い。手で何かにしがみつく事も出来ない不安定な体勢にさせられた香澄の身体が恐怖に竦み、精いっぱい縮こまろうとするその脚がメインのカメラの前で大きく開かれ、粘度の足りない液体に濡れた初々しい粘膜の谷間が車内の男達へと晒される。片足を高く掲げただけでは直接見える人間は殆どいなかったが、高く掲げられた腰は日差しを直接浴び、まだ膣口の蠢きも収まらない鴇色の粘膜がひくひくとぬめり、淫猥なデザインのセーラー服と下着が更に乱れ薄桃色に染まった肢体を更に淫らなものにしていた。しかも、今は少女は口を塞がれていない。悲鳴をあげれば助けを呼べる状態であるにも関らず性器をカメラと大勢の男達に晒していた。
「ゃ……ぁ…っ、やめて……やめてください…っ、お願いします、おねがい……です…っ、――!」
列車の走行音に掻き消されてしまうかすかな哀願が、停車前の最後の振動で凍りつく。
ドアの開く音に、強張る少女の脚の間に男が割り込み、それを追う形でカメラが無防備な下腹部に寄せられる顔を映し込む。男の息に粘膜を撫でられてびくりと震える香澄の耳に駅のアナウンスが届き、男がしようとしている事を本能的に感じた白い顎が小刻みに震えた。
愛撫のいくつかは知識として判っていても性器を舐めるという行為は香澄にとって不潔としか考えられなかった…しかも入浴後でもないこの状態で舐められるなど正気の沙汰とは思えず、生理的抵抗感に全身が鳥肌立つ。だが制止しようにも今電車は駅に停車中で誰が近くのドアから乗り込んできたかを少女は確認出来ない。ここで制止すれば他の人間の耳に届いてしまうかもしれない、だが止めなければ舐められてしまうかもしれない、その迷いの間に男の顔は寄せられ、そして……、
ぺちゃりと小さな音がたった。
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六駅目