「今日は先生のところにおべんきょうに行くね」
「あらあら御迷惑かけないようにね」
「はぁーい」
トースターの前においすをおいて、じっとすわっているのが好きです。ほかほかするトースターも好きだけど、中が赤くなっててなんだかしあわせなかんじがします。
まずさいしょに、パンにバターをかるくぬって(これがけっこうたいへんです、バターがかたいしパンもあったかくないからじょうずにぬらないとパンがばさばさけばだっちゃいます)、トースターでほんのり黄色くなるまでやきます。バターがじわじわあわを出したら、またとりだしてバターをぬります(こんどはラク)。それでまたやきます。3かいくらいくりかえしてキツネ色になったら、こんどはハチミツをぬります。プーさんになったきぶん。このままでもおいしいけどちょっぴりやいたらおいしいハチミツトーストのできあがり。
「パパはハチミツトーストする?」
「パパは普通のでいいよ」
「はぁーい」
パパはバターぬらないのが好き。だからパパのトーストをやきはじめたら、おいすをテーブルにもどして、朝ごはんです。
「萌は休みなのに勉強か、頑張りやさんだな」
「えへへ」
ハチミツトーストのときはホットミルクとおんやさい。カリカリベーコンはあぶらがぬけてるのです。あぶらのとりすぎはだめなんです。
「お弁当はサンドイッチでいいかしら?」
「今日はね、先生とおこのみやき作るの、だからいらないの、ありがとう」
「萌は先生と本当に仲良しだなぁ、いい先生じゃないか」
「うん、すっごくいい先生なのよ、あたまがよくってやさしいの」
「いつもお世話になっているから今度何か送らないとなぁ」
「でも父兄からの贈り物はご遠慮下さいって決まりがあるんですよ」
ぷはぁ、ホットミルクをたくさんのんでおっぱい大きくなってほしいのに、ちっとも大きくなりません…先生はもうちょっとわたしがおおきくなったらふくらんでくるからへいきっていってくれるけど、ちょっとしんぱいだからがんばります。
「こんど先生のおたんじょうびだから、こっそりネクタイをプレゼントするの。おたんじょうびだからおちゅうげんとかおせいぼじゃないでしょ?」
「そうかネクタイを送るのかぁ……ね、ね、ね、ネクタイー!? 先生は女の先生じゃなかったのかー!?」
パパがコーヒーをふきました。んもぉパパはおやすみだとうっかりさんなんだから。
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第十夜
FAF200901162023