「どっかで見た顔なんだよなぁ」
麻子のしなやかな黒髪を掴みその頭を荒々しく上下させる男が上擦った声で漏らす。
「芸能人?そういやマネージャーみたいなのが歩いてたけどさ」
大量の精液が溢れかえる結合部から背後の男が引き戻し突き上げる度にぐぽっぐぽっといやらしい音が鳴り響く。薄汚い倉庫の一角を根城にしているらしい男達に捕らえられてから半日、麻子は執拗に犯され続けていた。粗暴としか思えない男達に一度頬を張り飛ばされた後は麻子は何の抵抗も出来なくなってしまっている…気性の激しい父と優しげだが厳格な母の両方から手を上げられた事のない深窓の令嬢は暴力への免疫は皆無だった。そして…、
「処女かと思ったのに残念賞ー」「あははははは新古品?まだまだ使い込んでないからいんじゃね?」
口内で先刻爆ぜた精液の濃さと生臭さに麻子は眉間に皺を寄せる。王子様の様な彼はこんな下品な情交はしなかった…姫君の様に恭しく自分を扱い贅沢なホテルで上品な、だが麻子に快楽を教えてくれた素敵な人は……。
んふうううううううううううっ!と肉棒を深々と口腔奥へと咥え込まされたまま麻子は喘ぐ。獣の様な連中は全員が性欲旺盛でそして彼より硬く大きく長持ちする凶器の主だった。んはぁんはあっと声にならない喘ぎが小鼻から漏れ、口の端からだらだらと精液と唾液が溢れかえる。誘拐された自分はきっと間もなく救い出されるだろう、そしてこの事件が知れ渡る事もないであろう、だが、だが。
麻子の腰が前後に揺れる。びくんびくんびくんと内腿と腹部がいやらしく波打ち麻子の膣が牡を締め付ける。
気持ちいい。とてもとても気持ちいい。
愛してもいない男のモノに貫かれての絶頂に麻子は溺れていた。恭しくベッドに押し倒してくれる手や優し気な表情など欠片もない蛮行に、経験の少ない令嬢は抵抗する事も出来ずに溺れていく。後ろ手に縛られる腰が男に抱え込まれるまま前後に動き、上質な寝具しか知らない身体が薄汚い毛布の上で激しく上下する。絶頂の連続に朦朧とする麻子の頭の中からは王子様の面影は既にない…いやあるかもしれない、比較対象として…彼のどこがよかったのだろうか?言葉上手な所だろうか?初めての相手だったからだろうか?昨日まで比較しようもない絶対的存在だった人が、今は比較されていた。色褪せた、だが縋るべき存在として。
「孕みたいか?孕みたいか?え?どうよ!」
ぬぽんと口と膣から同時に肉棒を引き抜かれ、二人の男に挟み込まれたまま麻子は喘ぐ。
「おちんちん、くださいませ……っ」
反射的に麻子は叫んでしまう。違い過ぎる。王子様はこんなに太く大きく逞しく自分を酔わせる事はなかった…元から婚前交渉はいけない秘め事だった…だが彼とこの男達のどこが異なる?顔中を撫でまわす唾液と精液塗れの肉棒をしゃぶろうと舌を差し出し追い求める麻子は自ら咥え込み頭を前後させてしまう。腰を振って、男を求めてしまう。
三日後に救出された麻子が愛しかった王子様に声をかける事は、もうなかった。
Next
89『強制苗床快楽責め』
FAF202101232332