理想的な環境の中で妊娠し、出産する。これが生れてくる二
世のためでもあり夫婦のためでもあります。望んでいない妊娠
による中絶手術ほど悲しいものはありません。
精神的にも肉体的にも母体のダメ-ジは大きいものです。われわ
れは、避妊薬や子宮内避妊機具が身体に良いからすすめているの
ではありません。
肉体的ダメ−ジに限って言えば、中絶手術よりはるかに ”まし”
だからおすすめしているだけの話です。
各方法にはそれぞれ、長所短所が
ありますが、避妊に対する効果を
逆に失敗率で見て比較したものが
左の表です。コンド−ムが以外と
失敗率が高いことがわかります。
その反面、子宮内避妊機具(IUD)
と、ピル(経口避妊薬)が桁違いに
効果があることもわかります。
○子宮内避妊機具(IUD)
昔は丸い輪のような形をしていたのでリングとも呼ばれてい
ました。母体保護法指定医師のいる指定施設で正しく健診うけ
てから行われます。受精卵が子宮内膜に着床する事を妨げます。
装着の時期は生理が始まってから10日以内が良い時期です。
定期的に検診を行えば2年位は継続して使用が可能です。出産
の経験の無い方や子宮内腔が変形している方には向きません。
しかし完全に避妊は出来ません、3%の失敗率を常に思いだし
て下さい。危ない時期にコンド−ムと併用しますとその失敗率
は3%×14%=0.4%に下げることはできます。
御希望の方は前日までにお電話下さい。
○ピル(経口避妊薬)
卵巣より卵が出ること(排卵)を妨げます。当院では避妊薬と
して低容量ピルを使用しております糖尿病や甲状腺腫瘍、血栓症
の方には使用できませんが一番確実な避妊方法です。初めて使用
する場合は生理開始日より内服を開始して21日間服用します。
やめると数日内に生理様の出血がおこります。1週間の休薬期間
をおいて、2ク−ル目の服用を開始します。
(2ク−ル目の開始日は出血した日と無関係です。)薬は診療所
で直接だしていただいて下さい。定期的な副作用のチェックが必
要なことは云うまでもありません。