練馬区柔道会五十周年を祝う 平成15年2月吉日 明徳館道場館長 練馬区柔道接骨師会顧問 市 毛 冨士穂 練馬区柔道会が吉田邦治会長を中心に清々発展の中で五十周年を迎えられ、先ず以って心からお祝い申し上げます。 柔道と柔道整復師はその名の示す通り深い関係にあります。戦国時代からの格闘技であった柔道はその練習に伴う怪我には応急手当も必要でありました。柔道では攻撃法を殺法といい、それで障害が起きた者の手当てを活法といいます。柔道整復師の治療はその活法の一部です。一説によると1600年代、徳川家康の生存中、中国から亡命した陳元贇が江戸の柔術家に少林寺拳法と同時に怪我の治療も伝授したとされています。江戸の中期、吉宗の時代になると医書を含む洋書の輸入の解禁もあって大いに発展し、江戸の名倉流、大阪の年梅流、長崎の杏陰斎流などができて江戸末期まで接骨医として大いに栄えました。明治の医制改正やアメリカの占領政策など二度の廃止の憂き目にあいましたが、その都度先達の努力と国民の指示で発展してまいりました。 柔道も今や世界の柔道としてすっかり定着しておりますが、我々柔道整復術も昨年WHO(世界保健機構)に「柔道セラピスト」として伝統医療の部に登録され、世界の柔道整復術として認められました。シドニーオリンピックの後、ポルトガルのスポーツ相がドーピングなしで痛みの取れる治療法として柔道整復術の調査にも来日しております。これから柔道の後塵を拝して柔道整復術も世界に羽ばたくであろうことが期待できます。 練馬区は日本大学柔道部の合宿所があったり、各警察署での柔道指導、また、町道場での指導、各高校、中学校、区の施設での指導等恵まれた環境にあります。特に、現理事長の浅野哲男先生は嘗て上石神井中学校で熱血教師として柔道指導に力を入れられ、その教え子もすでに各地で指導者になるなど活発な活動が続いております。東京都、あるいは全日本、各種の全国大会、世界選手権や嘉納杯等の国際大会に行ってみても、大抵の会場に練馬区柔道会の先生方のお顔が大会役員や競技役員として見られ、ほっとした感じにになります。練馬の柔道会と練馬の接骨師会は良い意味で斯界の注目の的となっております。若い先生方もどんどん入会してきておりますし、今後益々発展されることは間違いありません。そうした先生方に期待し、各先生方のご健勝を祈念してお祝いの言葉といたします。 |