No.01 Fine Pix F10 富士フイルム 高感度コンパクト機の決定版!?
17,February,2005 |
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富士フイルムよりFine Pix F10が正式に国内発表となった。常用感度ISO:400、実用感度ISO:1600を謳い、超高感度での高画質撮影を売りにしたコンパクト機である。このところのFine
Pix の高感度でのノイズの少なさは、ことハニカムCCD搭載機(F710/F810/E550)に関しては、他のコンパクト機を寄せつけないものであっただけにその画質は十分期待できる。F810のハニカムHRでは、12Mのフルサイズでも、ISO:400での撮影が可能であったが、ISO:800では3Mどまりであった。したがって、これを一感度分以上進化させたものだと言えるだろう。F710に関しては、ISO:1600での撮影が可能であったが、これも1Mモードという制約があり画質もそれなりだった。明るい部分はかなりクリアだが、暗い部分はノイズにノイズにまみえる。こちらも実用感度はISO:800どまりであったと言えるだろう。スーパーCCDハニカム開発当初よりの売りであった倍画素出力に関しては、この機種においては省略されているが、賢明な選択と言えるだろう。ことさらエッジの甘い画像を人目にさらせて、あまり予備知識のないエントリー層にまで酷評される必要はないのである。フルマニュアルでの撮影が可能なより上位機種になれば、当然のことながらRAWでの撮影をサポートするであろうから、12M出力は(拡張モードという形であれ)搭載してくるはずである。F10には光学式ファインダーは搭載されていないが、このクラスのファインダーは視野率が狭く、厳密なフレーミングには使えないので問題なしと考える。また、大きく進化した部分としては、従来比のほぼ三倍である500枚までのバッテリー寿命の改善と30センチまでのテレマクロの復活である。このところのFine
Pix はSシリーズを除くと、7.5センチ〜10センチ程度までのワイドマクロのみになっていた。実は1700Z/4700Z/6800Z(4800Z)/F601までは同程度のテレマクロも可能であったのだが、F610からワイドマクロのみに仕様変更になった経緯がある。これにより背景をぼかした花の撮影も再び可能になり、ワイド・テレ両端でのマクロ機能を備え、さらに従来3秒どまりであった長時間露光も15秒まで可能となり、コンパクト機としてはほぼ完成の域に達したと言えるだろう。 |
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ところで、このカメラで一番注目したいのは、ISO:1600での撮影画質よりも、新しい画像処理<リアルフォトエンジン>の方である。
ハニカム第四世代後期のF810/E550よりどこまで進化したのか、そこが最大の注目点なのだ。F810とE550はすでにISO:400のレベルまでは十分実用できる画質であったので、それが800になろうと1600になろうとそれほど大きな差は日常的には感じにくいであろう。最大の泣き所は、ダイナミックレンジの不足であり、特にハイライト側の白とび耐性のなさであった。それまでのFine
Pixの絵の最大の特徴であった「どのようなシーンも明るくまとめる」という点においては、1/2.7インチ2Mベイヤー機である2800ZやA203と比べても劣っていたのである。明るくまとめようとすると空は順光の青空でない限りは白飛びし、被写体の明るい部分は白飛びを免れたとしても色が薄くなる。それを抑え込むと、全体にアンダーで沈んだ画像となる。何もハニカムHRに限ったことではないが、その両者の中間の露出を得ることは至難の業であり、フイルムに慣れた人は露出を微妙に上下に外す度に、フイルムほどきれいに撮れないと嘆いたことだろう。記者会見の席上明らかにされた飽和レベルの向上がどこまでできたのか、これがシーン合格率の高さのキーとなるのだが、こればかりは実写してみないことには何とも言えない。明暗差のあるシーンでの、絵のまとまりのよさこそがFine
Pixの最大の売りであったのだから。ハニカムSRの分まで頑張れるハニカムHRであってほしいと思う。 |
事前評価 ☆☆☆☆★4.5 |
もう少し明るいレンズで、マニュアル撮影可能な上位機種を早く出してほしいと思う。 |
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