運動量、力積(基本単位:kg・m/s)(一般的に文字であらわす時:p)

1.運動量、力積はベクトル量

運動量、力積ともに大きさだけでなく向きも持ちます。運動量が向きを持つということを忘れやすいのは、運動エネルギーという量が、言葉も式の形も似ているくせに、向きは持たない大きさだけの量であるから混同するのです。この二つは全く異なるものなので注意。

2.運動量と力積は同じ

運動量と力積、この二つは言葉が違い、定義も違いますが、実は同じものです。ある運動量を持つ物体に、ある力積を加えると、その物体はその合計の運動量になります。式で表すとmv+FΔt=mv'(mv:元々の運動量、FΔt:加えられた力積、mv’:力積が加わった後の運動量)です。

3.運動量の使い時

では運動量はどういうときに使うのでしょう。これは、注目する物体群(系という)に、外から力が加わらないときには、運動量の合計が変わらないという法則があるのです。外から力が加わらないというのは、具体的には衝突、合体、分裂のときです。これらの時には、例えば衝突する物体の間には力がかかりますが、二つの物体以外からは力が加わりません。こういうときに、運動量の合計を計算するのです。