(教科書一冊および電卓持込可、ノート、プリントは不可) 1.分子量1.00×105のポリイソブチレン(CH2-C(CH3)2)n分子について、次の問いに答えよ。
a)この分子を自由連結鎖と考えたときの近平均二乗末端間距離<R2>1/2を計算せよ。ただし、C-C結合の結合長は0.154nmである。
b)この分子を自由回転鎖と考えたときの<R2>1/2を計算せよ。
c)この分子のθ状態での実際の<R2>1/2は、23.9nmである。ポリイソブチレン分子のθ状態(理論鎖モデル)での有効結合長aを計算せよ。また、この分子の慣性半径Rgを計算せよ。
d)理想鎖モデルで考慮している近距離相互作用の中味を、ポリイソブチレンについて具体的に説明せよ。
e)高分子の良溶媒中での実在鎖には、遠距離相互作用が働く。遠距離相互作用の中味を説明せよ。また、このポリイソブチレン分子について、良溶媒中での<R2>1/2を概算せよ。2.無定形高分子固体において、その弾性率Gをガラス状態での値より3桁小さくするためには、一般にガラス転移温度Tgより何度くらい高い温度へ昇温する必要があるか?Tg付近での弾性率の緩和スペクトル(G(t)は、時間tの-1/2乗に比例)と粘弾性データの時間・温度重ね合わせの原理(WLF式)をもとにして推算せよ。
3.高分子化学IIの講義について、興味を持ったところ、わかりにくかったところなどの感想および今後の講義の改善のための提案を記せ。