1.(a)非晶性高分子のガラス転移温度(Tg)とは何か?その上下で高分子の物性や分子運動はどのように変化するか?マクロ的およびミクロ的に説明せよ。
(b)Doolottoeの粘度式(1)が成り立つとして、粘弾性における時間ー温度換算則による重ね合わせの際のシフト因子aT=η/ηg(ηgは基準温度(Tf)における粘度)が、Williams-Landel-Ferryの経験式(2)(WLF式)と同一形式で表現されることを示せ。
η=Aexp(B/f)・・・(1)
logaT=-17.44(T-Tg)/{51.6+(T−Tg)}・・・(2)
ただし、B=1とし、Aは温度に依存しない定数、f=Vf/Vは自由体積分率、Tgの上下での熱膨張係数の差をΔαとし、非晶性高分子の比容Vと温度Tの関係は図のように表されることとする。2.今、N個の結合からなるガラス鎖(自由連結鎖)があり、(結合長はa)、その末端間距離をrとする。rの二乗の平均は<r2>=Na2である。
(a)このガウス鎖の末端間距離がrとなるかうりつP(r)をあらわせ。
(b)このガウス鎖の末端間距離がrのときのエントロピーS(r)を導け。
(c)このようなガウス鎖から成り立つゴムに、体積V,温度T一定の条件でfの力を欠けでdrの伸びが生じたときの内部エネルギー変化(∂U/∂r)V,Tの考察から、外部からかけた力につりあう一本のガウス鎖の弾性力fをr,N,Tの関数としてあらわせ。
(d)ゴムにおもりをつけてぶら下げたとき、ゴムの温度を上昇させると、ゴムは収縮する。では、ゴム風船に空気を入れて一定の体積にふくらませた後、その温度を上昇させると、ゴム風船の体積はどのような変化をするか、推論せよ。3.高分子の溶解性について、高分子溶液の混合のエントロピー変化とエンタルピー変化から取り扱ったFlory-Hugginsの理論の概要を説明し、高分子系である特徴がどのように現れているか解説せよ。(高分子溶液の相図を使っても良い。)
ほーむへ