分離工学1(平成十年度)

1.吸収塔について、キャリヤーガスのモル流速をGM(mol/m2h)、キャリアー液のモル流速をLM(mol/m2h)、移動成分の濃度をキャリアー成分に対するモル比X=x/(1-x)、Y=y/(1-y)でそれぞれあらわす。ただし、x,yはモル分率。以下の問いに答えよ。

(1)吸収塔の物質収支から、操作線を塔頂の移動成分の濃度XT、YTを用いてあらわせ。
(2)横軸にX、縦軸にYをとり、操作線と平衡線の関係を図示せよ。
(3)最小液ガス流量比はどのように決められるか。(2)で書いた図上に示して説明せよ。
(4)8volのSO2を含む293K、1.013×105Paの空気360m3/hを充填塔に通し、SO2の95%を回収するための最小水量を求めよ。塔頂から供給される水はSO2を含まない。ただす、293KにおけるSO2の水に対する溶解度は、SO2の分圧をp(Pa)、モル分率をxとして次式であらわされるものとする。
x=0.270×10-6p+7.5410-6(p)1/2

2.ベンゼン40mol%、トルエン60mol%の混合液を沸点に加熱し、毎時100kmolの液体として精留塔に供給し、塔頂より95mol%のベンゼン、塔底より90mo%のトルエンを得たい。環流比2.0、塔内圧力1atm、全縮器を用いるものとし、以下の問いに答えよ。

(1)マスバランスより留出液量、缶出液量を求めよ。
(2)McCabe-Thiele法により理論段数を求めよ。ただし、ベンゼン-トルエン系の1atmにおける気液平衡関係は、平均比揮発度α=2.48として次式であらわされる。
y=αx/{1+(α-1)x}
作図は配布したグラフ用紙で行い、これも提出すること。
(3)原料供給段を求めよ。

3.水平流型沈降槽を用いて100%沈降分離できる限界粒径を以下に従って求めよ。右図を参考にせよ。
(1)沈降槽の高さをH,長さをL、幅をWとし、水平方向の粒子の速度(流れの速度に等しい)をv,沈降速度をuとすると、全ての粒子が沈降して層出口で清澄な液が得られる条件を記せ。
(2)Stokes則が成り立つとして限界粒径を与える式を記せ。

4.膜分離における濃度分極について簡単に記せ。

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